パナソニックに続いて、ソニーから「CES 2020」ブースの出展内容が発表された。

 現地時間1月6日(月)に行なわれた記者会見では、ソニー株式会社 社長 兼CEOの吉田憲一郎氏が登壇し、「クリエイティビティの力と我々のテクノロジーを融合し、ソニーはたゆまず前進している」と述べ、エレクトロニクスとエンタテインメント事業の最新の成果や新たな展開を紹介した。

 続いて登壇したソニー・インタラクティブエンタテインメント社長 兼CEOのジム・ライアン氏は、「プレイステーション4」の全世界累計実売台数が1億600万台を突破し、「プレイステーションネットワーク」の月間アクティブユーザー数が1億300万に達したことを発表した。

 さらに、今年発売を予定している、「プレイステーション5」(PS5)の仕様や機能を説明するとともに、ロゴデザインを初公開し、「全世界で1億人以上を誇る『プレイステーション』ファンの皆さまに向けて、最高のゲームコンテンツをご提供するとともに、圧倒的なスピードがもたらすPS5ならではのまったく新しいゲーム体験をお届けできると確信している」と話した。

 それらを踏まえCESのソニーブースでは、持続的な価値創造をテーマに、クリエイティビティとテクノロジーの力を活用した取り組みを紹介している。クリエイターやユーザーに近づくために同社が追求してきた、映像や音の三次元空間における解像度といったリアリティや、制作から視聴までのあらゆる段階におけるリアルタイム技術、それらの組み合わせとなる技術が網羅されている。

ソニーブースの主な展示内容

モビリティにおけるイメージング・センシング技術の進化
 「Safety Cocoon(セーフティコクーン)」は日常の様々なドライブシーンにおいて、自動車の周囲360度を検知し、早期に危険回避行動を支援することで車の安全性を高める安全領域のコンセプト。ブースでは、本コンセプトの実現を支える、ソニーのイメージング・センシング技術の進化を紹介する。

モビリティの快適性やエンタテインメントを追求した新たな提案
 モビリティにおける安心・安全から、快適さやエンタテインメントなども追求する取り組みを、新たに「VISION-S(ビジョン エス)」として推進し、ブースに試作車を展示。

 試作車は、ソニーのイメージング・センシング技術をはじめ、AIや通信、そしてクラウド技術も活用した車載ソフトウェアの制御により、機能が継続的にアップデートされるという。車内外の人や物体を検知・認識し、高度な運転支援を実現するために、車載向けCMOSイメージセンサーやToFセンサーなど数種類のセンサーが合計33個配置されている。

 また、没入感のある立体的な音場を実現する「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」を、各シートに内蔵されたスピーカーで体験可能。フロントシート前方にはパノラミックスクリーンを搭載し、直観的操作で様々なエンタテインメントコンテンツを楽しめるという。

画像1: ソニーブースの主な展示内容

クリエイターの夢の実現を支える
 クリエイターの創造力を刺激し、その作品を視聴者に届けるため、制作から視聴までのあらゆる段階で技術革新を進める。

5Gを活用した実証実験
 ソニーは2019年12月に、アメリカンフットボールの試合において5Gを活用したスポーツライブ映像制作の実証実験を実施した。ブースではその様子を動画で紹介するほか、実際に使用されたショルダーカムコーダー「PXW-Z450」や高速上りデータ通信を実現した「Xperia」5Gミリ波帯対応デバイス、高品質を維持しながらデータを圧縮し、リアルタイムで伝送を可能にしたトランスミッター試作機などを展示。

AIによるリアルタイム映像情報解析
 AIによるリアルタイム映像情報解析技術で、スポーツの魅力を向上させる新たな映像体験を提案。ブースでは、マルチパーパスカメラ「HDC-P50」や独自の高速ビジョンセンサーを搭載したカメラなどで卓球のデモンストレーション中の選手を撮影し、姿勢や球筋を即座に解析。ディープラーニング技術で推定した選手の骨格などを基にCGのキャラクターが同様のプレーを再現する。また、スーパースローモーションで撮影した映像から分析した、ボールの回転数を表示するデモ映像も紹介。

画像2: ソニーブースの主な展示内容

3D空間ディスプレイ技術
 ソニー独自の「視線認識型ライトフィールドディスプレイ」は、高速ビジョンセンサーや顔認識アルゴリズムを用いて、従来の裸眼立体ディスプレイにはない、超高精細な立体空間表現を実現。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)向けコンテンツへの適用が容易で、エンタテインメントやプロダクトデザインなど様々な分野のクリエイ ターに汎用性の高い立体コンテンツ制作環境を提供する。

3D空間キャプチャーによるバーチャル制作技術
 映画やテレビ番組の作り方を大きく変える、バーチャル制作のセットを再現。ソニー・ピクチャーズのスタジオの一部を高解像度の3次元データとして取り込み、Crystal LEDディスプレイシステムに背景映像として映し出す。監督や撮影監督、役者が実際にその場面にいるかのように感じられるバーチャル制作によって、クリエイターの創造力を解き放ち、柔軟で創造的な映像制作がいつでも可能になる提案を行なう。

画像3: ソニーブースの主な展示内容

大画面高精細ディスプレイを活用した映像制作環境の提案
 テレビの大画面化や映像の高精細化、HDR化が進む中、クリエイターの使用する映像制作用モニターでも、映像を俯瞰的かつ緻密に確認することが求められてきた。会場に設置された4K×2KのCrystal LEDディスプレイシステム(220インチ)を活用した映像制作現場向けの試写室では、映画やテレビ番組、ネット配信コンテンツなどの制作環境における今後の進化を体験可能。

感動体験で人の心を豊かにする
 ブラビアの最高峰モデルMASTER Series(マスターシリーズ)に搭載された技術を継承した新製品を展示。8K液晶テレビ「Z8H」シリーズは、高画質プロセッサー「X1 TM Ultimate(エックスワン アルティメット)」がもたらす映像美に加え、新しい「フレーム トゥイーター」により、薄型デザインながらも画面から音が鳴っているかのようなリアルなサウンド体験が実現されている。

 また有機ELテレビ「A8H」シリーズでは、動きの早い映像をくっきりと描き出す「X-Motion Clarity(エックスモーション クラリティー)」を新たに搭載。残像感を抑えつつ、画面の明るさを確保することで、よりリアリティのある映像表現が可能になっている。

画像: 8K液晶テレビ「Z8H」シリーズ

8K液晶テレビ「Z8H」シリーズ

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