アブサートロン(G501)
●製品ジャンル:プリメインアンプ
●ブランド名:ボルダー
●製品名:Boulder 866
●価格:¥1,840,000(税別)
●発売時期:発売中
G501アブサートロンのブースでは、ボルダーの新型プリメインアンプ「866」が日本初お披露目。ウエストレイク・オーディオのスピーカー「Lc8.1F」との組み合わせで、美音を奏でていた。
866は、デジタル入力に対応したプリメインアンプ。気になるデジタル入力は光端子やAES/EBU、USBのほか、LANやBluetoothに対応する。ハイレゾ音源として、DSD 5.6MHz、リニアPCM 384kHzまで対応する。アナログ入力はボルダーらしくバランス(XLR)のみで3系統を用意する。
斜めにスラントしたフロントパネルに設けられたタッチパネル液晶で入力切替えや各種設定を行なうほか、専用アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットを用意すれば、手元でファイル再生を含むすべての操作が可能とのこと。
定格出力はチャンネルあたり200W×2(8Ω)、最大出力で250W×2(8Ω)を実現。これ1台で重厚で透明度の高いボルダーサウンドが楽しめるといっても過言ではないだろう。
同社ブースでは、単体でのハイレゾ音源再生のほか、ラックスマンのアナログプレーヤーとボルダーの小型フォノイコライザー「508」との組み合わせによるレコード再生も実施され、豊穣なサウンドがブース内を満たしていた。
エレクトリ(G502)
●製品ジャンル:スピーカーシステム
●ブランド名:マジコ
●製品名:MAGICO M2
●価格:¥7,000,000(ペア、税別)
インターナショナルオーディオショウのG502エレクトリブースは、今年も気になる新商品が多数展示されている。その中でもメインといえるのがマジコの新作スピーカー「M2」だ。
M2は、3ウェイ4スピーカー・密閉型のフロアスタンディングスピーカー。最大の特徴は、9.5mm厚のカーボンモノコックを採用した水滴型のエンクロージャー構造だ。これにより、従来のアルミニウムと比較し、重量を半分にしながらも60倍(!)の強度を実現。もちろん内部定在波の減少と、回析による悪影響を排除しているという。
トゥイーターは、ダイヤモンドコーティングがなされた28mmベリリウムドーム型を搭載。6インチのミッドレンジは、鋼鉄の100倍という強度を誇る炭素素材グラフェンを用いた複合素材が使われている。磁機回路はいずれもネオジムマグネットを採用する。
2基のウーファーユニットは、ミッドレンジと同様素材の7インチタイプを採用。ネットワーク回路にはドイツ・ムンドルフのパーツが奢られ、各ユニットをシームレスにつなげている。
ブース内は、マッキントッシュ「MC1.25kW」またはパス「X600.8」を用いたシステムでドライブされた美音に満たされていた。
エレクトリブースでは、マジコのブックシェルフ型スピーカー「A1」のほか、マッキントッシュやパス、ファーストワット、メトロノーム・テクノロジーの製品群を展示中だ。いずれも注目の商品なので、ぜひチェックしてほしい。
日本音響エンジニアリング(G502)
●製品ジャンル:ルームチューニングデバイス
●ブランド名:アコースティック・グローブ・システム
●製品名:SYLVAN -Limited Edition-
●価格:¥300,000(税別)
●発売時期:予約受付中
日本音響エンジニアリングは、G502にて同社のアコースティックパネル「ANKH」「SYLVAN」の10周年記念モデルとなる「-Limited Edition-」を初披露した。
長年にわたる録音スタジオ作りでの経験と実績から生まれたルームチューニングアイテムが「AGS(Acoustic Grove System)」だ。インターナショナルオーディオショウの会場各所でその姿を見ることができるように、効果は誰もが知るところだろう。
今回10周年記念モデルとして登場した「-Limited Edition-」は、既発売のANKH(アンク)VI FL66、ANKH III、SYLVAN(シルヴァン)の外観をそのままに、素材を高級木材のチークに変更したもの。
ANKH VI FL66 -Limited Edition-は、床置に特化したタイプで、スピーカーの前に置いて床の反射を低減することで、音像をクリアーにする効果が期待できる。サイズはW600×D600×H120mm/約8kg。
「ANKH III」はコンパクトな据え置き型。ラックや液晶モニターなどの前に手軽に配置可能。スピーカーの間に設置すれば定位感が向上するという。
そしてSYLVAN -Limited Edition-は、自立タイプのルームチューニングアイテムだ。同社製品群の中でももっともポピュラーな商品で、スピーカーとリスニングポイントの間の壁面などに設置する。
各製品の受注は既に開始しており、締め切りは2020年2月末まで。従来の同社製品に比べて暗めの色はリスニングルームにマッチすること間違いなしだ。
キソアコースティック(G503)
●製品ジャンル:スピーカーシステム
●ブランド名:KISOアコースティック
●製品名:HB-N1
●価格:¥880,000(ペア、税別)
●発売時期:発売中
独創的なコンパクトスピーカー「HB-1」が誕生して10年を迎えたキソ・アコースティック。インターナショナルオーディオショウのG503ブースでは、そのHB-1のエッセンスをより多くの人に楽しめるようにと開発された「HB-N1」が展示されていた。
HB-N1は、HB-1やその上位モデルである「HB-1X」とほぼ同寸の小型スピーカーとなる。ピアレス製の10cmウーファーユニットもそのままで、吸音材を一切使用せず、側板に力木と呼ばれる部材を配置するのも同様だ。
ただしエンクロージャーの素材が異なり、フロントバッフルなどにシナとアピトンを交互に張り合わせた合板を用いたほか、トゥイーターにピアレス製の25mmリングラジエーターを採用した。
またブースには、片チャンネルに2台のHB-1を上下配置し、より豊かなスケール感と仮想同軸のような音像定位が望める「W STACK STAND」も展示。このスタンドはバージョンアップしているそうで、東京では初お披露目とのことだ。
ブース内は、オーディオカーペットを始めとする同社のオーディオブランド「静-Shizuka-」の製品群を多数展示・実演。キソアコースティックの世界を堪能してはいかがだろう。
アッカ(G504)
●製品ジャンル:スピーカーシステム
●ブランド名:YGアコースティクス
●製品名:Vantge
●価格:¥4,800,000(ペア、税別)
●発売時期:発売中
YGアコースティックスの新型スピーカー「Vantge」も今回初登場。22日から販売を開始しているとのことで、インターナショナルオーディオショウのアッカブース(G504)を訪れることにした。
YGアコースティクスは現在、4ウェイ10スピーカーの4筐体タワー型スピーカー「Sonja XV」(¥38,000,000、ペア、税別)を頂点に、「Sonja 2」(¥11,000,000〜、ペア、税別)、「Hailey 2.2」(¥6,980,000、ペア、税別)、「Carmel 2」(¥3,400,000、ペア、税別)というラインアップで形成されている。その中で、2ウェイ2スピーカーのCarmel 2と3ウェイ3スピーカーのHailey 2.2の間を埋めるのが、今回登場したVantgeだ。
Vantgeは、以前登場していた「Kipod」の後継に位置する。航空機グレードのアルミニウム材からなるエンクロージャーはW320×H1120×D540mmとHeiley 2.2と、ほぼ同等のサイズ。使用する22cmウーファーや15cmミッドレンジも、アルミニウム材を切削加工した同社自慢のBillet Cornだ。
大きな違いはトゥイーターユニットで、Heiley 2.2がアルミ材をベースとしたハードドーム(Billet Dome)であるのに対し、VantgeはCarmel2と同じソフトドームのForge Coreを採用。トゥイーターとミッドレンジは、YGアコースティクスの伝統ともいえる1.25kHz/24dB/octで結ばれ、ネットワーク回路には、自社開発による中空コイルToroAirを採用。周波数特性はもちろんのこと、位相においても特性を完璧に合わせることに成功しているという。
ほとんどエージングができていない状態とのことだが、クレルやオルフェウス、そしてDELAのエレクトロニクス陣によって駆動するVantageは、タイトかつクリアーな美音で来場者を魅了していた。
またアッカブースでは、今年発売のクレルのプリメインアンプ「K-300i」にも注目。USBやネットワークなどのデジタル入力にも対応しているので、本機とPCがあれば、ハイレゾ再生が可能だ。アッカブースで、YGとクレルが奏でるアメリカンハイエンドオーディオの現在を体験してみてはいかがだろう。
(取材・文:栗原祥光)