ソニー、ウォークマンの2019年秋モデル「NW-A100」「NW-ZX500」シリーズが発表された。今回のラインナップと価格は以下の通りで、発売は一部を除いて11月2日を予定している。

NW-ZX507(内蔵メモリー64Gバイト、市場想定価格¥80,000前後、税別)
NW-A107(内蔵メモリー64Gバイト、市場想定価格¥47,000前後、税別)
NW-A106(内蔵メモリー32Gバイト、市場想定価格¥37,000前後、税別)
NW-A105HN(内蔵メモリー16Gバイト、IER-NW510Nヘッドホン付属、市場想定価格¥39,000前後、税別)
NW-A105(内蔵メモリー16Gバイト、市場想定価格¥32,000前後、税別)
NW-A100TPS(内蔵メモリー16Gバイト、市場想定価格¥42,000前後、税別、11月14日発売)

画像: 「NW-A100」シリーズは写真の他にも全部で5色を揃える

「NW-A100」シリーズは写真の他にも全部で5色を揃える

 ウォークマンは1979年に誕生し、今年で40周年を迎える。その間再生メディアはカセットテープからCD、MD、メモリーと進化を続け、最近ではハイレゾ音源も再生できるようになっている。

 そして今回の2シリーズでは、遂にストリーミングへの対応を果たした。最近の音楽配信売り上げではストリーミングがダウンロードを抜き、50%を超えている。当然音楽鑑賞スタイルもストリーミングが中心になってきているわけで、今回はウォークマンとしてそこに配慮したということだろう。

 アンドロイドを搭載し、好みのアプリをダウンロードすることで、SpotifyやApple Music、YouTubeMusic、NETFILXなどの様々なストリーミングサービスの再生が可能となる。

画像: 「NW-ZX500」シリーズも3.6インチのモニターを搭載する。カラリングはブラックとシルバーの2色

「NW-ZX500」シリーズも3.6インチのモニターを搭載する。カラリングはブラックとシルバーの2色

 それらの音源を高品質に再生するために、独自の高音質化技術「DSEE HX」を活用、MP3などの圧縮音源をハイレゾ(最大192kHz/32ビット)相当の品質にアップスケーリングできるという。さらにその信号をデジタルアンプのS-Master HXで再生するわけだ。

 ちなみにこのDSEE HXにはAI技術が使われており、リアルタムで再生している音を解析、その結果に応じて補完処理を変えている。これにより以前は難しかった音のダイナミクスを綺麗に再現できるようになったそうだ。

 ハイレゾ信号については、メモリーに保存した場合は最大384kHz/24ビットのFLAC/WAV/アップルロスレス/AIFFや最大11.2MHzのDSD(A100シリーズは一部ダウンコンバート処理が入る)が再生可能。今話題のMQAのデコードにも対応している。

 ただしストリーミングのハイレゾ音源については、回路構成の関係から一度ダウンコンバートした後、DSEE HXを使ってアップスケーリングするという。ハイレゾをオリジナルの状態で楽しみたい方は内蔵メモリーに保存した方がいいだろう。

画像: 40周年限定モデルの「NW-A100TPS」。パッケージの左側が初号機をモチーフにしたソフトケース

40周年限定モデルの「NW-A100TPS」。パッケージの左側が初号機をモチーフにしたソフトケース

 各モデルの特徴としては、A100シリーズでは削り出しアルミキャビネットを前モデルから継承し、上位モデルで使われていた高音質パーツを採用して伸びや透明感のある音質を実現している。画面サイズも3.6インチとなり、視認性が高まっている。カラーバリエーションはレッド、ブラック、アッシュグリーン、オレンジ、ブルーの5色を備える。

 A100シリーズでは、40周年限定モデルとしてA100TPS(TPSは初代モデルTPS-L2の型番に由来)がラインナップされた点にも注目だ。ウォークマン本体はA105で、初代ウォークマンデザインのソフトケースやステッカーが付属し、スペシャルカートンに収められている。特にソフトケースは、ひとつひとつ手作業で作られている貴重なアイテムとなる。

 上位モデルのZX500シリーズは、本体にアルミを切削加工したパーツを使い、内部には銅の切削ブロックを設置することでグラウンドを安定させている。その結果、しっかりとした低音の再現が実現できたそうだ。

画像: NW-ZX500シリーズの構造図。本体シャーシはアルミブロックの削り出しで、下からふたつめが銅切削ブロック。このパーツが内部のグラウンドを安定させる効果を持つ

NW-ZX500シリーズの構造図。本体シャーシはアルミブロックの削り出しで、下からふたつめが銅切削ブロック。このパーツが内部のグラウンドを安定させる効果を持つ

 さらにバランス出力用のアンプブロックに、トップエンド機のDMP-Z1と同じ高分子コンデンサー「FT CAP2」を4基搭載して音質を追い込んでいる。同時にアンバランス出力の電源も強化され、容量をZX300比で2倍以上にアップ、安定した低域再現を可能にした。

 また主要パーツの取り付けに、金を添加した高音質ハンダが使われている点にも開発者の音に対するこだわりが感じられる。

 もうひとつ、今回の両シリーズはコネクターにUSB Type-Cを採用していることも話題になるだろう。これまでのウォークマンでは専用ケーブルが必要で、この点についてユーザーからの不満が多かったそうだ。汎用性の高いUSB Type-Cが使えることで、外出先での充電も便利になるはずだ。

画像: A100シリーズの通常の表示(左)と、W.ミュージックでカセットテープ表示に設定したところ(右)。再生ソースの種類によってカセットテープのグレードが切り替わるのも楽しい

A100シリーズの通常の表示(左)と、W.ミュージックでカセットテープ表示に設定したところ(右)。再生ソースの種類によってカセットテープのグレードが切り替わるのも楽しい

 この他にも、「音質設定アプリ」と「W.ミュージック」が提供される。音質設定アプリではウォークマンの音質設定機能を単独アプリで処理できるようになり、その効果はストリーミング音源等にも有効になる。

 W.ミュージックはオリジナルの音楽再生アプリだが、面白い機能として、再生中に本体モニターにカセットテープをイメージしたスクリーンセイバーを表示してくれる。しかもMP3などの圧縮音源再生時はCHFやBHFといったノーマルポジションのカセットテープで、CDクォリティ再生時はUCX/DUAD、ハイレゾ再生時はMETALテープといった具合に、ウォークマンファンなら思わずにやりとしてしまう遊び心が盛り込まれている。

 ストリーミング再生も可能になり、ウォークマンの活躍の場はさらに広がっている。利便性と高音質を両立するアイテムとしてこれからも音楽ファンを楽しませてくれることだろう。

This article is a sponsored article by
''.