タムラ製作所/サン・オーディオ(第2会場Room A)
真空管オーディオ・フェアの第2会場は、損保会館の向かいにあるホテルマイステイズお茶の水の2Fに設けられている。そのRoom Aにはタムラ製作所とサン・オーディオが共同でブースを出展している。
タムラ製作所は1924年に田村ラヂオ商会として創業、いい音を追及する中でトランスの製作を手がけるようになったことはよく知られている。そんなタムラの展示では、シングル用出力トランスの「F-2007A」や「F-2013A」、インダクターの「A-4003A」、電源トランス「PC-1040」などが並んでいる。中でも自作派に人気が高いのは「F-2007A」だそうで、会場でも具体的な質問が飛んでいた。
同じブースでは、そのタムラ製トランスを使ったサン・オーディオのパワーアンプ「SV-TE/50TSX」(¥686,000、ペア、税別、完成品)や「SV-2A3[30th Anniversary version]」(¥300,000、税別、完成品)が準備され、アルテックのスピーカーでそれらのサウンドを楽しめるようになっていた。
ファル/コルグ(第2会場Room B)
第2会場Room Bでは、平面振動板を採用したスピーカーがずらりと並び、それぞれの音を体験できるようになっている。その中での最大サイズは「C90EXW」(¥1,695,600、ペア、税別)で、今回は同ブランドの試作品真空管アンプでドライブされていた。
C90EXWは、ハイルドライバーを中心に、上下を平面ウーファーで挟み込んだ仮想同軸方式のスピーカーで、全面と背面にパッシブラジエーターが各1基搭載されている。クロスオーバー周波数は10kHzで、再生周波数帯域は27Hz〜25kHzを備えている。
その奥にはコルグの展示コーナーも準備され、同社が開発した真空管デバイスの「NUTUBE」を使ったキットが特別価格で販売されている。こちらも真空管ファンにはきになっているアイテムのようで、さっそく自作キットを購入していく来場者が多数見受けられた。
なお同ブースでは、明日の14:00〜15:00に生の演奏者を招いた録音再生イベントを予定している。これは、実際の演奏をその場コルグのNu:Iを使って収録し、そのサウンドをファルのシステムで再生しようという内容だ。録音されたサウンドが生音にどれくらい迫っているかを体験できる貴重な機会いえるだろう。
GTKオーディオ(第2会場Room C)
Room Cでは、門前仲町に店舗を構えるGTKオーディオがLEAKのアンプやグッドマン、ワーフデールのスピーカーユニットを組み合わせたデモを展開していた。
ビンテージのスピーカーユニットは、後面解放型のバッフルに組み合わせられているが、その全面、上面、両側面には木材の間に砂を挟み込んだサンドフィルドバッフルが使われている。
プリメインアンプのLEAF「STEREO 30」はゲルマニウムトランジスターを採用した製品で、トランジスター方式ながら真空管に似たサウンドを再生してくれる点も人気だそうだ。
吉柴音楽産業(第2会場Room D)
第2会場Room Dでは、吉柴音楽産業の真空管アンプの比較試聴が行なわれている。同社は真空管アンプやフォノイコライザーの製造販売を手がけており、300Bを使った製品も多くラインナップしている。
試聴機器としては「プリアンプ」(¥1,058,400、税込)にパワーアンプとして「300B-wood」(¥308,880、税込)や「300Bmetal」(¥744,120、税込)を組み合わせている。ソースにはスチューダーのCDプレーヤーを使っている点にも注目したい。
また今回、新しいプリアンプとなる「YP-999」(¥860,000、税込)も発表されている。角形VUメーターとCR型イコライザーを搭載した製品で、受注生産となっている。