IFA2019では、パナソニックやソニーなど大企業が巨大なブースを構えて展示するケースと、中小のメーカーが集合し、小さなブースの一角でプレゼンを行なう例がある。

 というか、出展社数が1,800以上もあるのだから、後者のケースの方が圧倒的に多い。そうした企業が集まるHall 26に足を踏み入れた際、遠くからドラムの実演音が聴こえて来た。ぼくはとにかく、ライヴなドラムが大好物なのである。それがハードに、そしてグルーヴの効いたキレ良いリズムであると、自然と体が反応してしまうのだ。

 どこぞで、何が理由で生演奏が行われているのか、その音に引き寄せられるがごとくフラフラとブースに近づいてみると、ライヴではなく、ステレオによるデモ演奏であった。なんという実存感。そして、この有機生命体のようなスピーカーは何だ!?

画像: スピーカーは写真の専用アンプで駆動する

スピーカーは写真の専用アンプで駆動する

 このブースの主は「copra」といい、2003年にアコースティックなサウンドを指標に設立されたウクライナのメーカーだという。奇抜なデザインのスピーカーは彼らが用意した専用アンプでドライヴされるのだが、ここまでエナジー溢れるバーチャルなドラムサウンドがスピーカーから放射される例を、ぼくは聴いたことがない。もちろん、無骨なPAサウンドではない。ハイファイな精緻さも併せ持っている。

 ちなみにスピーカーのサイズは高さが142cm、重量は38kgとか。エキセントリックなこのスピーカーをリビングに設置するには勇気がいるが、とにかく、世界は広く、不思議がいっぱいだ。いや、ぼくが勉強不足なだけか。

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