日本有数の金属産業で知られる富山を代表する老舗の機械器具製造会社「カナヤママシナリー」と、創業170年を超える家具屋「米三」のコラボレーションによるオーディオラックブランド「ALVENTO(アルベント)」が誕生した。

画像: ALVENTO「AR-4」を使ったオーディオ機器の設置イメージ。左右のスピーカースタンドは現在開発中のもの

ALVENTO「AR-4」を使ったオーディオ機器の設置イメージ。左右のスピーカースタンドは現在開発中のもの

 その第一弾となる「ALVENTO AR」シリーズは、高い純度を持つアルミ合金をカナヤママシナリーが有する高度な切削技術で加工したもの。支柱(AR-Flame)と棚板(AR-Board)で構成されており、これらを組み合わせてステンレス製のボルトで固定することで開放型のラックができあがる。

 と書くと簡単なように感じられるかも知れないが、ALVENTO ARには、日本の物づくりならではの、実にこまやかな気配りが満載なのだ。

 そもそも機械器具製造会社と家具屋という異色のコラボレーションが誕生したのは、カナヤママシナリーの会長のこだわりからだった。その会長氏はもともとオーディオや家具、インテリアに造詣が深く(弊社出版物も愛読いただいているとか)、自社のノウハウと技術を活かしたオーディオラックを作りたいという思いから企画がスタートしたそうだ。

 その後、家具・インテリアや住宅リノベーションなどの幅広い分野で実績のある米三にカナヤママシナリーが声をかけたことで今回のプロジェクトが本格的に稼働、ALVENTO ARという形に結実した。製品については、企画・製造をカナヤママシナリーが手がけ、宣伝や販売を米三が受け持っているそうだ。

画像: 「AR-4」の支柱は高さ830mm。棚板を支柱に設けられたスリットに差し込んで、ボルトで固定する

「AR-4」の支柱は高さ830mm。棚板を支柱に設けられたスリットに差し込んで、ボルトで固定する

 さて、ALVRNTO ARは先述した通りアルミ合金製のラックだ。素材としてアルミを選んだのは、(カナヤママシナリーがアルミ素材を熟知していることもあるが)非磁性体なので熱や静電気、電磁波などのオーディオ再生に悪影響を与える要因に強いという点を踏まえてのことという。

 そのアルミ合金の無垢材を、5軸の最新鋭加工機を使って削り、きわめて滑らかで均質な仕上げを実現している。支柱には棚板をセットするために一定間隔のスリットが設けられているが、そこの表面も平滑性が高く、棚板がぴったり収まる精度を保っている。もちろん支柱の角にはゆるやかなアールがつけられており、手をぶつけてもけがをするようなことはない(痛いのは痛いだろうが……)。

 その棚板もひじょうに凝っている。アンプなどの機材を載せる表面側はフラットな仕上げだが、裏側にはお花のような模様が、これも切削加工で彫り込まれているのだ。

 この彫り込みを行なうことにより、棚板の表面積をフラット仕上げの1.5倍にまで拡張、アンプからの熱を効果的に吸収・拡散できるのだという。なおこの模様もカナヤママシナリーが独自に研究した結果であり、オーディオ機器からの振動を分散させる機能も備えているそうだ。もちろん強度的にも問題ないように配慮されている。

画像: ARシリーズの棚板(左)と支柱(右)。棚板の背面には写真のような凝った彫り込みが設けられている

ARシリーズの棚板(左)と支柱(右)。棚板の背面には写真のような凝った彫り込みが設けられている

 特筆したいのは、この棚板(幅500×奥行500mm)を無垢材から削り出すのに、前加工を含めて一枚あたり10〜15時間かかっていることだ。工業製品でひとつの部品にこれだけの時間をかけることは滅多にない。それほど高い加工精度が求められているのは間違いないだろう。

 ALVENTO ARシリーズは、支柱の高さと棚板の数の違いで、以下の3つが準備されている。同社のサイトやオーディオ専門店で販売をしていく予定とのことなので、高品質なオーディオラックをお探しの方は一度実物に触れてみていただきたい。きっとその完成度の高さに驚くことだろう。

 なお、5月17日発売の月刊HiVi6月号で、小原由夫さんがALVENTO ARについて紹介してくれる予定だ。こちらもぜひチェックしていただきたい。

ALVENTO ARのラインナップ

AR-2 ¥440,000(税別)……支柱の高さ430mm、棚板2枚
AR-3 ¥590,000(税別)……支柱の高さ630mm、棚板3枚
AR-4 ¥820,000(税別)……支柱の高さ830mm、棚板4枚

画像: 富山にあるカナヤママシナリーの工場の様子。写真の切削マシンで一台一台ていねいに作業している

富山にあるカナヤママシナリーの工場の様子。写真の切削マシンで一台一台ていねいに作業している

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