この2ヵ月、麻倉怜士さんの『ボヘミアン・ラプソディ』鑑賞記を読んでは溜め息をもらすばかり。博多まで行くしかないか、と考えていた関東圏の人間(ぼくのことですが)も、ついにドルビーシネマとの遭遇が可能になった!4月24日に「MOVIXさいたま」で開かれた先行内覧会と、そこで感じたことをレポートしたい。
冒頭では、ハリウッド映画人のドルビーシネマ推薦のコメント映像が上映された。プロモーションだもんなと流すことも可能なのだけれど、登場したそうそうたる面々が全員ドルビーシネマ(=ドルビービジョン+ドルビーアトモス)の環境下で自作を作ってきたので説得力がある。
リドリー・スコット(『エイリアン:コヴェナント』)、トラヴィス・ナイト(『バンブルビー』)、デヴィッド・イエーツ(『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』)、ブラッドリー・クーパー(『アリー/スター誕生』)、ピーター・ジャクソン(『移動都市/モータル・エンジン』製作)、そしてジョン・ファブロー(『アベンジャーズ/エンドゲーム』製作)。
そこで『ROMA/ローマ』のアルフォンソ・キュアロン監督は“ドリーム・カム・トゥルー”と語っていたが、その後のデモンストレーション・フィルムや各種のトレーラー、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の本編上映で、ドルビーシネマは観客と作り手双方にとって本当に夢の到来であることを痛感した。
黒がしっかりと沈み、暗部の階調表現が豊か。白ピークが伸びるが、反射光のシーンなどに不自然な強調はなく、結果、一目でわかるほど立体感が増している。それがキャラクターの存在感、リアリティに結びついて、作品への没入感がさらに高まっているのだ。
『インフィニティ・ウォー』でいえば、サノスのアーマーの輝きと重みがちがう。宇宙が広くなっている。人肌に深みがあり、アクションシーンの轟音はもちろん、台詞の実在感も増していた。ドルビービジョンとドルビーアトモスが組み合わさるとこうなるのかを実感できるのだ。
劇場でのドルビーシネマ体験は、ホームシアター構築への大きな刺激や指針となるはず。「MOVIXさいたま」でのオススメの座席は、Hの12番かIの12番。がぶり寄るなら、前から6列目のFの12番も悪くない。とにかく、また行きますよ、ぼくも。『アベンジャーズ/エンドゲーム』へGO!