エプソン人気3LCDプロジェクターがリニューアル。
高い設置性はそのままにHDR再生機能を強化

 透過型液晶パネルを3枚使った、3LCD方式のプロジェクターを強力に推進するエプソンから、EH-TH8400およびワイヤレス伝送対応モデルのEH-TW8400Wが登場する。本機は、3LCD方式の同社高級プロジェクターとしてロングセラーを続けていたEH-TW8300/同8300Wのマイナーチェンジモデルとして開発され、昨今のメインソースになりつつある、HDR(ハイ・ダイナミックレンジ)再生への対応度を高めた新製品だ。

画像: 4K PROJECTOR EPSON EH-TW8400

4K PROJECTOR EPSON EH-TW8400

 TW8300/同8300Wは、0.74型のフルHD解像度の透過型液晶パネルを、斜め方向に半画素分ずらして画面(スクリーン)上でフルHDパネルの4倍の解像度である4K映像表示を得る「画素ずらし」方式(エプソンでは4Kエンハンスメントテクノロジーと呼称)を採用。優れた設置性を確保したまま、明るい4K映像を手頃な価格で実現させた人気モデル。加えて、ワイヤレス伝送対応モデルのTW8300Wでは、「WirelessHD」という技術を使い、各種の入力信号を受け付けるトランスミッターから本体へ無線化した映像データを伝送、本体は映像用ケーブルレスでの運用を可能としており、特に優れた設置性を備えていた。

 また、UHDブルーレイ等で採用されているHDR(ハイ・ダイナミックレンジ)表示に対してはHDR10規格をサポート。同規格は最高で1万nit(ニット)までの輝度を備えた映像を収録できるものの、実際には制作上のマスターモニターの関係からか、約4000nitあるいは約1000nit程度で制作されているケースがほとんど。そんな現状のコンテンツ事情に合わせて、TW8300/同8300Wでは、HDR再生の「ダイナミックレンジ」の切替え機能を備え、コンテンツが想定しているダイナミックレンジと、プロジェクターが表示可能な明るさが揃わなかったときに起きやすい「画面が暗く見える」現象を回避していた。具体的には、最高輝度の想定が300nit(モード1)、500nit(モード2/初期値)、1000nit(モード3)、4000nit(モード4)までの4段階のダイナミックレンジ調整機能を備え、HDRコンテンツが適切な明るさとダイナミックレンジを兼ね備えた状態で再生できる仕組みを持たせていた。

画像: ↑接続端子の装備自体は前モデルから変わらないが、2系統のHDMI端子がともにHDCP2.2および18Gbps信号入力をサポートした

↑接続端子の装備自体は前モデルから変わらないが、2系統のHDMI端子がともにHDCP2.2および18Gbps信号入力をサポートした

 今回のマイナーチェンジモデルのTW8400/同8400Wでは、HDR再生時のダイナミックレンジ切替えをさらに細かく調整できるようにし、より最適な状態でのHDRコンテンツ再生を目指した。具体的には「HDR10設定」という項目を独立させて、100nitから1万nitまでの範囲の中で16段階の詳細な設定ができるようになった。実使用時ではHDRコンテンツ再生時に「画面が暗すぎると感じた場合は『HDR10項目』の設定値をマイナス方向に調整し」、逆に「画面が明るすぎる場合はプラス方向を調整する」というように使う機能となる。

画像: ●投写距離

●投写距離

画像: ↑「ダイナミックレンジ」−「HDR10設定」は、1〜16までの幅で調整できる。初期値の8は、最高輝度が500nitの想定になる

↑「ダイナミックレンジ」−「HDR10設定」は、1〜16までの幅で調整できる。初期値の8は、最高輝度が500nitの想定になる

 それ以外の変更点は大きく4つある。
 1番目が2500ルーメンから2600ルーメンへと光出力を向上させたこと。

 2番目は、2系統を備えるHDMI端子を18Gbpsの信号入力に対応させた点で、前モデルでは4K/60pコンテンツを入力/再生できなかったことを考えると、大きく進歩した部分といえる。加えて、UHDブルーレイや4K衛星放送等の映像入力に必要な著作権保護技術、HDCP2.2に対応するHDMI端子を従来の1系統から2系統に増やし、UHDブルーレイプレーヤーと4Kレコーダーを同時につなぐといった使い方も可能になった。

画像: エプソン人気3LCDプロジェクターがリニューアル。 高い設置性はそのままにHDR再生機能を強化
画像: ↑ワイヤレス対応モデルEH-TW8400Wに同梱されるトランスミッター。HDMI入力を3系統備えており、さまざまなソース機器との連携が可能だ。トランスミッターの仕様は前モデルのTW8300Wと同様で、ワイヤレス接続時は18Gbps伝送をサポートしていない

↑ワイヤレス対応モデルEH-TW8400Wに同梱されるトランスミッター。HDMI入力を3系統備えており、さまざまなソース機器との連携が可能だ。トランスミッターの仕様は前モデルのTW8300Wと同様で、ワイヤレス接続時は18Gbps伝送をサポートしていない

 3番目の変更は、BS4K放送等で採用されているHLG(ハイブリッド・ログガンマ)に対応したこと。こちらも昨年12月1日の4K衛星放送開始に合わせた待望の機能といえる。なお、HLGもダイナミックレンジ設定は16段階の切替えが可能だ。

 4番目の変更点は、リモコンにHDRボタンを新設したことだ。以前はメニュー構成の深い部分にあったHDRのダイナミックレンジ切替えが、リモコンで簡単に呼び出せる。

←リモコンの最下部右端にHDRボタンを装備。HDRセッティングを直接呼び出せる

4K PROJECTOR EPSON EH-TW8400 オープン価格
●投写デバイス:0.74型透過型液晶パネル●パネル解像度:水平1920×垂直1080画素
●光源:高圧水銀250Wランプ
●光出力:2600ルーメン
●レンズ:2.1倍電動ズーム/シフト/フォーカス(f=22.5〜46.7mm、F=2.0〜3.0)
●レンズシフト:水平47%、垂直96%
●コントラスト比:1,000,000:1(ダイナミックコントラスト)
●接続端子:HDMI端子2系統(HDCP2.2、18Gbps対応)、ミニD-SUB15ピンほか
●騒音ノイズ:20dB(ランプ『低』時)
●HDR対応:HDR10、HLG
●備考:3D対応、3Dメガネ同梱
●寸法/質量:W520×H170×D450mm/約11.2kg
●ラインナップ:ワイヤレス伝送対応モデル(EH-TW8400W)あり

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