(一社)放送サービス高度化推進協会(以下、A-PAB)は4月3日、新4K8K衛星放送に関して、4K・8K関連機器の普及状況などを報告する記者会見「新4K8K衛星放送4か月~『別世界』は今~」を、機械振興会館で行なった。会の後段には、4K8K推進キャラクターを務める女優の深田恭子も登壇し、A-PABが用意した少しいじわるな質問に「yes/no」で答えるトークコーナーも披露された。
冒頭、檀上に上がったA-PAB理事長の福田氏は、新4K8K衛星放送開始からの4か月を振り返って、「上々の滑り出しを迎えたが、年が明けてからは機器の普及(販売)も少し鈍化し、足踏み状態にあると判断できる。今後は、ユーザーの選択肢が広がるように、各社の4K放送対応機器が拡充することを期待したい」と、抱負を述べていた。また、2020年に迫った東京オリンピックを見据えて、「4K・8K放送の認知度、期待度(見たい!)は高まっており、(後述するアンケートの結果を踏まえ)焦らず一歩ずつ、地道に普及を促進していきたい」と語った。
それを受けて登壇した、同協会理事の木村氏は、先に発表した2月末現在の対応機器の普及状況を示しながら、市況を分析していた。
●4K8K衛星放送視聴可能機器台数
https://www.apab.or.jp/release/pdf/release_190320_01.pdf
概要をかいつまんで紹介すると、4K放送を視聴可能な機器は
対応チューナー内蔵テレビ 35万9000台
外付け対応チューナー(STB) 19万4000台
ケーブルTV受信 14万1000台
合計 69万4000台
となり、4Kチューナー内蔵テレビの台数構成比は、同期間に販売されたテレビの半分を占めているという。
また、A-PABが行なった市場調査(アンケート)の結果も発表され(2019年3月に実施。今回で5回目)、4Kの認知度は前回(2018年11月)からほぼ横這いながらも約90%という高い数字を示し、一方の8Kについてはおよそ10ポイントアップの73%が知っていると答えたそうだ。
その他、4K放送を見るためのシステム(を知っている)や、実際に視聴したことがあるか、対応機器の購入の予定はあるか、などの設問もあり、そこから見えてきた結果は概ね好評で、4Kの認知度や、画質の満足度は高く、機器への興味もあるが、その時期は様子見(=もっと安くなってから 東京オリンピックが近くなってから)という答えが多く寄せられたそうだ。
なお、1月に開催した会(今回と同じ、普及状況を報告する会 https://online.stereosound.co.jp/_ct/17245812)でも、放送局へ向けて4Kコンテンツの拡充を促していたが、直近のピュア4K番組の割合は「20%ほど」だが、時間帯や日付による変動も大きいそうで、「ゴールデンタイムでは50%を超えている局もあるし、正月の三が日には合計20時間ものピュア4K番組を放送した局もある」と、各局の動静を説明していた。
そして、この春からのA-PABによる4K放送の周知広報施策も発表された。
まずは、各放送局のおススメ番組情報を掲載したパンフの第3弾を制作。およそ120万部を刷り、全国約2万の店舗で配布する。そして、深田恭子を起用した新スポット15秒(はじまってますよ篇)/5秒(はじまってますよ篇/見てないの?篇)のオンエア、さらに新スポットと各局のおススメ番組を網羅した10分ほどのミニ番組を家電量販店の店頭で再生、という活動を行なうそうだ。
なお、A-PABの発表が一段落した後半は、深田恭子が登壇し、新スポットの上映、おススメ番組の紹介、yes/noクイズ、などの催しが行なわれた。
ちなみに、4K放送を見た感想は、「映像がとても鮮明で、その場にいるような臨場感がある」というもので、グルメ番組や紀行番組に感動したそう。4K番組の収録で「ヴェルサイユ宮殿に行きたい」とコメントしていた。