エソテリックから、同社フラッグシップGrandioso(グランディオーソ)シリーズの新製品として、SACD/CDトランスポート「P1X」(¥3,500,000、税別)と、モノーラルD/Aコンバーター「D1X」(¥3,500,000、ペア、税別)が、3月1日に発売される。

画像: SACD/CDトランスポート「P1X」

SACD/CDトランスポート「P1X」

 SACD/CDトランスポートの「P1X」は、新開発メカニズムVRDS-ATLASを搭載。独自のデジタル伝送技術ES-LINKはバージョン5に進化し、電源部も大幅に強化。その他クロック、シャーシの改良などで、音質面で磨きがかかり、新時代に相応しい進化を遂げている。

 同社伝統のVRDS(Vibration-Free Rigid Disc-Clamping System)テクノロジーは、ディスクを同径のターンテーブルにクランプして回転させ、ディスク自身の回転振動やメカニズムの不要振動を徹底して排除するものだ。ターンテーブルでディスクの反りを矯正することで、光学ピックアップとディスクピット面の相対光軸精度を大幅に向上させ、サーボ電流を極小化。ディスク読み取りエラーの大幅な減少と優れた音質を実現する。

 今回は、2003年に登場した「VRDS-NEO」を根幹から見直して「VRDS-ATLAS」へ進化、VRDS史上最高の剛性と重量を獲得した。SS400スティール製フレーム、ブリッジを大型化し、従来比127%(メカ単体6.6kg、ベース部含め13.5kg)を実現。音質に悪影響を及ぼすあらゆる振動を極限まで減衰させている。ターンテーブルはジュラルミン素材を採用、スピンドル軸受けには、新設計のスティールポールによる点接触スラスト軸受けを採用している。

 またP1Xでは、本体と電源部を分離した2シャーシ構成を採用。振動の原因となる電源部を別ユニット化することで、更に静粛なディスク読み取りと高音質を獲得している。

画像: モノーラルD/Aコンバーター「D1X」

モノーラルD/Aコンバーター「D1X」

 モノーラルD/AコンバーターのD1Xは、完全自社設計64ビットDAC回路「ESOTERIC Master Sound Discrete DAC」を搭載。出力バッファーアンプの強化、クロック、シャーシの改良などで、音質に磨きをかけている。

 新搭載されたMaster Sound Discrete DACは、従来の36ビットから大きく進化した64ビットの高解像力を備え、DSD 22.5MHzやPCM 768kHz/32ビットの再生にも対応している。すべての処理を自社製FPGAアルゴリズムで行ない、ディスクリート回路設計により、細部に至るまでエソテリックの思想が貫徹されている。

 そのDACは、基板上に半円形に配置された8つの回路エレメントで構成されており、チャンネルあたり4回路を使っている。合計32個になる回路エレメントは、抵抗、ロジックIC、パワーサプライなど、すべてのコンポーネントを独立させる贅沢な構成を採用している。

 また後日のソフトウェアアップデートで、MQA-CDの再生も対応する予定だ。その際は、同社製のトランスポートとの組み合わが前提となっている。

 その他の両モデル共通の特長は以下の通り。

画像: 新開発メカニズムVRDS-ATLAS

新開発メカニズムVRDS-ATLAS

●広帯域伝送を可能にする「ES-LINK5」
……ES-LINKは、HDMIケーブルを使って超広帯域デジタル伝送を行なうエソテリック独自のデジタルインターフェイスで、P1X/D1Xではバージョン5に進化している。最大DSD 22.5MHz、PCM 768kHz/48ビットの伝送が可能で、HDMIの複線構造を生かし、オーディオデータ、L/Rクロック、ピットクロックのそれぞれの信号をフルバランス方式で伝送できる。

●「Grandioso Custom VCXO II」搭載
……オリジナルのクロックデバイスGrandioso Custom VCXO IIを開発。従来デバイスから内部回路パターンや使用部品を変更することで、音質向上に大きく貢献している。マスタークロックジェネレーターのGrandioso G1と接続することで、さらなる高音質再生も可能。

●進化した電源部「ローフィードバックDCレギュレーター」
……電源レギュレーターは、集積回路を使わないディスクリート構成で設計し、安定化のためのフィードバック量を最小限とするローフィードバックDCレギュレーターを採用。

●EDLCスーパーキャパシターを各部に採用
……電源回路の随所にスーパーキャパシターEDLC(Electric Double-Layer Capacitor)を搭載。EDLCは、主に電気自動車産業向けに次世代のパワーデバイスとして開発されたコンデンサーで、驚異的な大容量が注目されている最新技術となる。

●マルチレイヤー構造のシャーシを採用
……ボトムシャーシに、複数枚の鋼板を使ったマルチレイヤー構造を採用。電源トランスとその他のコンポーネントを別のレイヤーに固定し、立体配置することで、各コンポーネントの相互干渉を防いでいる。また、剛性の高い重量級肉厚アルミパネル・エンクロージャーや独自のピンポイントフットにより、微小振動も抑えている。

画像: 新搭載されたMaster Sound Discrete DAC基板

新搭載されたMaster Sound Discrete DAC基板

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