アイ・オー・データのミュージックサーバー「Soundgenic(サウンドジェニック)」は、同社fidata(フィダータ)ブランドの思想や機能性を手頃な価格で手にすることができる人気シリーズ。PCを使わず、音源をDAP(デジタルオーディオプレーヤー)に転送できることからポータブルオーディオファンにも注目されており、特にソニーのウォークマンユーザーが“楽曲バンク”として組み合わせるケースが多いという。今回はそのマッチングのよさにフォーカスし、具体的な連携方法を紹介したい。

(1)PCなしでウォークマンと連動

画像: (1)PCなしでウォークマンと連動
画像: 今回はSoundgenicのレギュラーモデル、HDL-RA2HF(2TバイトHDD搭載)とソニーのウォークマン、NW-ZX300の連携を検証した。

今回はSoundgenicのレギュラーモデル、HDL-RA2HF(2TバイトHDD搭載)とソニーのウォークマン、NW-ZX300の連携を検証した。

そもそも「ミュージックサーバー」という製品ジャンルは生まれてまだ日が浅く、その源流はネットワークプレーヤーに接続する「オーディオ用NAS」にある。PC用NASをオーディオ用に特化した仕様に改変していく過程で、USB DACと接続してネットワークトランスポートとしてデジタルファイルを送り出す機能を持った製品などが登場し、現在のミュージックサーバーの概念が確立。アイ・オー・データは、fidataとSoundgenicという2つのシリーズを展開している。

Soundgenicの機能面での特徴のひとつは、音源の入手から再生までのプロセスにおいてPCをいっさい必要としないこと。もちろんPCを使うこともできるが、とにかくシンプルなスタイルでウォークマンとの連携がはかれるのだ。具体的には、Soundgenic/fidataは、スマホやタブレットにダウンロードしたfidata Music App(以下、fidataアプリ)を用いて、ウォークマンとの連携していく。このアプリで音源をウォークマンに送り込める点がSoundgenicの特筆すべき部分だろう。というのは、ウォークマンは一度「PC」を使ったうえで音源を送り込むことで音楽を聴くハードウェアだが、それを「PCレス」というシンプルかつストレスなしで行なえるのが、Soundgenicだからである(注:ウォークマンはアナログ録音する方法でも音源を取り込める)。

 

画像: 【Step 1】SoundgenicとNW-ZX300を(ZX300付属の)ケーブルで接続後、fidataアプリで転送したい楽曲を選択し、「USBに転送」をタップ

【Step 1】SoundgenicとNW-ZX300を(ZX300付属の)ケーブルで接続後、fidataアプリで転送したい楽曲を選択し、「USBに転送」をタップ

画像: 【Step 2】楽曲の転送が開始される

【Step 2】楽曲の転送が開始される

画像: 【Step 3】ウォークマンの画面「最近追加された曲」にジャケットが表示される。

【Step 3】ウォークマンの画面「最近追加された曲」にジャケットが表示される。

作業としては、たったこれだけでSoundgenicからウォークマンへの楽曲転送は終了。PC上に保存されている音源を転送するよりも作業ステップとしてはシンプルだ。現在fidataアプリはiOSのみの提供のため、スマホならiPhone、タブレットならiPadを使うことになる。つまりiOSとウォークマンという組合せとなるが、連携そのものはいたってスムーズだ(なお、Android版アプリも目下開発中とのこと)。Soundgenicを“楽曲バンク”として活用しているウォークマンユーザーが多いというのも納得できる。なお、音源データをSoundgenicからウォークマンへ移動する場所としては、ウォークマン本体の内蔵メモリーのほかに、(ウォークマンに装着した)SDカードにも行なえるのは便利。ちなみに、USBマスストレージとして使用できるDAPなら、他機種でも音楽ファイルの転送は可能だ。

 

(2)PCなしでCDリッピング

画像: (2)PCなしでCDリッピング

では、Soundgenicに音源をどう取り込めばよいのだろうか? これも実に簡単。CDを例に試してみよう。CDをデータとして取り込むことを「CDリッピング」と呼ぶが、PCなしでCDリッピングを完結できるのも、Soundgenicの大きな特徴のひとつ。ここでは同社のBDドライブ、BRP-UT6ALKを使ってCDをリッピングしてみた。その手順は下記の通りで、これまた至極シンプル。リッピングに多少の時間を要するが、これはできるだけ品位を高く保つ「AccurateRip」という仕組みを活用しているため。スピーディにCDリッピングをしたい場合は、「AccurateRip」をオフにすればよい。

 

画像: 【Step 1】ドライブにCDを挿入後「CDリッピング操作」をタップ

【Step 1】ドライブにCDを挿入後「CDリッピング操作」をタップ

画像: 【Step 2】CDの楽曲情報が表示される

【Step 2】CDの楽曲情報が表示される

画像: 【Step 3】読み込みたい楽曲を選択し、画面下の「リッピング開始」をタップ

【Step 3】読み込みたい楽曲を選択し、画面下の「リッピング開始」をタップ

画像: 【Step 4】終了次第「リッピング完了しました」と表示される

【Step 4】終了次第「リッピング完了しました」と表示される

 

(3)PCなしでハイレゾをダウンロード

画像: (3)PCなしでハイレゾをダウンロード

Soundgenicを使うメリットとして、CDリッピングと並んで重宝されているのがハイレゾ音源の自動ダウンロード。moraやe-onkyo musicといったハイレゾ配信サイトとの連携により、スマホ/タブレットで購入した音源が自動的にサーバー内にダウンロードされるというものだ。

 

画像: 【Step 1】「ダウンロード操作」をタップ

【Step 1】「ダウンロード操作」をタップ

画像: 【Step 2】どちらかをタップ(今回はmora)

【Step 2】どちらかをタップ(今回はmora)

画像: 【Step 3】必要な情報を入力して「登録」をタップ

【Step 3】必要な情報を入力して「登録」をタップ

画像: 【Step 4】mora playerアプリからmoraサイトへ飛び、楽曲を購入

【Step 4】mora playerアプリからmoraサイトへ飛び、楽曲を購入

画像: 【Step 5】Soundgenic内に購入した楽曲が自動ダウンロードされる

【Step 5】Soundgenic内に購入した楽曲が自動ダウンロードされる

外出先でスマホからハイレゾを購入、帰宅したらミュージックサーバーにはすでにその音源がダウンロードされている。そうした自動ダウンロードの便利さは、一度体験してしまうともうやめられなくなる。多少の設定さえしておけば、PCレスでハイレゾがサーバーに自動的にダウンロードしておけるという圧倒的なメリットが享受できるわけだ。ちなみに、「自動更新間隔」というのは購入した楽曲をSoundgenicにダウンロード可能な音源があるかを確認する時間間隔のこと。ここを「1時間」に設定しておけば、帰宅中に購入した音源が1時間後にはSoundgenicにダウンロード登録されているというわけだ。

 

ウォークマンのUSB DAC機能を使う

画像1: ウォークマンの“楽曲バンク”として最適。ミュージックサーバー「Soundgenic」はココが便利!
画像2: ウォークマンの“楽曲バンク”として最適。ミュージックサーバー「Soundgenic」はココが便利!

ウォークマンのUSB DAC機能を使うことで、転送することなくSoundgenicに格納された音源を再生することも可能となる。USB DACでのDSD再生については、従来のDoP(DSD over PCM)に加え「Direct DSD」もサポート。最大22.5MHzまでの再生に対応する。

 

Soundgenicラインナップ

画像: 写真はHDL-RA2HF。外観やリアパネルの仕様は全モデル共通だ

写真はHDL-RA2HF。外観やリアパネルの仕様は全モデル共通だ

●レギュラーモデル
 HDL-RA2HF(2TバイトHDD搭載)
 オープン価格(想定市場価格¥35,000前後)

 RAHS-S1(1TバイトSSD搭載)
 オープン価格(想定市場価格¥83,000前後)

●HGモデル
 HDL-RA3HG(3TバイトHDD搭載)
 オープン価格(想定市場価格¥54,800前後)

 RAHF-S2HG(2TバイトSSD搭載)
 オープン価格(想定市場価格¥148,000前後)

 

ミュージックサーバーの“PCいらず”な快適さを身近に

今回はウォークマンとの連携を中心に、ミュージックサーバーとしてのSoundgenicにできることを紹介したが、もちろん従来のようにネットワークオーディオサーバー(オーディオNAS)としてネットワークプレーヤーと組み合わせて使用することもできる。オーディオNASの草分け的存在であるRockDisk NEXT~RockDisk for Audioの後継モデルとして登場したSoundgenicは、ミュージックサーバーという新ジャンルを確立させたfidataブランドの技術を大胆に取り入れることで、かくもコストパフォーマンスに優れた多機能モデルに仕上がったわけだ。デジタルファイルオーディオの入門者だけでなく、この分野を熟知したベテランユーザーにもさまざまな楽しみ方を与えてくれる一台であることは間違いない。

 

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