A-Pab（放送サービス高度化推進協会）は、2018年12月1日午前10時の放送開始に合わせ、「新4K8K衛星放送 開始セレモニー」を開催した。会場となったホテルニューオータニには関係者やマスコミなど数百名が集まり、そのスタートを見守った。
会場正面には4Kテレビが12台＋8Kテレビ1台がセットされ、実際に受信した映像を映し出していた
冒頭、A-Pub理事長の福田俊男氏が4K8K衛星放送開始日を迎えた喜びを述べた。
福田氏は、「地デジやBS/110度CSに続いて、4K8Kという新しい放送が始まります。これまでも4K放送はありましたが、限られたサービスでした。今回は4Kで17チャンネルがスタートします。しかも現在BS放送を受信可能な世帯は4000万を超えており、（4Kの無料チャンネルは）これらで受信いただけます。
既に4Kテレビの普及率は10％を超えています。今後は4Kテレビへの受信機の買替え需要もあるでしょう。2020年のオリンピックで多くの人が4K8K放送を観てくれることを目指します。今回の4K8Kスタートは、放送にスポットが当たる絶好の機会です。今日が普及に向けての新たな始まりとして取り組んでいきます」と話し、新しい放送への期待を語った。
A-Pub理事長の福田俊男氏（左）と、総務大臣の石田真敏氏（右）
続いて総務大臣の石田真敏氏が登壇し、以下のような御祝いの言葉を語った。
「これだけの4K放送は世界でも初めてです。ここまで実現するためには、メーカー、放送事業者の皆様にも協力をしてもらったことにお礼を申し上げます。
今後の課題は4K8K放送の普及であり、そのためには、これまでにない新たな感動を与える番組を期待します。今後のスポーツイベントでは、あたかもスタジアムにいるかのような体験ができるでしょう。これは、国民の新しい視聴体験のスタートです」
その後、NHK会長 上田良一氏らの挨拶が進むうちに、午前10時が近づいてきた。ここで4K8K推進キャラクターの深田恭子さんが登場し、式典に華を添えた。
深キョンは、「この役に任命されて一年間が過ぎましたが、あっという間でした。私も自宅に4Kテレビを導入して、昨日チューナーをつなぎましたが、ちゃんとカラーバーが写っていました」と話して会場の笑いをさそっていた。
そして関係者一同揃ってのスイッチ点灯セレモニーが行なわれ、会場正面に設置された12台の4Kテレビと8Kテレビ1台に無事オンエア映像が映し出された。
ちなみにそれらのテレビは4K用には東芝の有機ELテレビ55X920が、8K用にはシャープ製液晶テレビ8T-C70AX1が使われていた。設置を担当したスタッフに聞いたところでは、4K、8Kとも実際にアンテナを使い、内蔵チューナーで受信した映像が再現されていたそうだ。
その映像は、4Kが12面並んでいるにも関わらず、ホワイトバランスや色相がきちんと揃っていた。民放系チャンネルでは共同制作の開局記念番組をオンエアしていたのだが、映像の違いも気にならなかった（基幹局以外では若干の映像遅れはあったけど、それは送出系の問題だった模様）。
こうしてスタートした4K8K放送だが、石田総務大臣の言葉にあった通り、本格普及はどんなコンテンツが楽しめるかにかかっている。どんな番組が放送されていくのか、各局の頑張りを期待したい。
