妥協のない設計で実現した
高い再生能力と音楽性

画像: 妥協のない設計で実現した 高い再生能力と音楽性

SPEAKER SYSTEM
MAGICO
A3
¥1,300,000(ペア)+税
●型式:3ウェイ4スピーカー・密閉型●使用ユニット:28mmドーム型トゥイーター、152mmコーン型ミッドレンジ、178mmコーン型ウーファー×2●出力音圧レベル:88dB/ 2.83V/m●インピーダンス:4Ω●再生周波数帯域:22Hz〜50kHz●寸法/質量:W273×H1126×D329mm/50kg(スパイク含む)
●問合せ先:(株)エレクトリ ☎03(3530)6276

 マジコは、現代の高性能スピーカーブランドとして近年もっとも成功をおさめたひとつである。現在では事実上の旗艦シリーズ“Mプロジェクト”をはじめ、Q、Sシリーズなど多くのラインナップを揃える。航空機グレードのアルミやカーボンを用いるキャビネットやハイテク素材を駆使した振動板を採用したことなどマジコの製品は魅力に溢れているが、必然的にプライスが高価なのが唯一のネックかもしれない。(とは言っても内容を考えると決して高いとは思わないが)。

 そんなマジコが驚くべきコストパフォーマンスを持つスピーカー「A3」を発表し、オーディオ界に激震が走った。

 CEOのアーロン・ウルフが「より多くのユーザーにマジコのサウンドを楽しんで欲しい」と企画したA3は、3ウェイ4スピーカーの本格的なフロアスタンディング型ながら、ペアで130万円という価格を実現したのである。

 内容に妥協はない。Qシリーズと同じ航空機グレードのアルミを用いたオールアルミ製の強固な密閉型エンクロージャーやブレーシング構造はもちろん、ベリリウム振動板のトゥイーターなどスピーカーユニットはしっかり自社製だ。重量はなんと50㎏もある。

画像: ↑ミッドレンジ振動板はナノグラフェンを使用したカーボンファイバー素材で、新設計されたもの。磁気回路にネオジムマグネットを使うのも注目だ

↑ミッドレンジ振動板はナノグラフェンを使用したカーボンファイバー素材で、新設計されたもの。磁気回路にネオジムマグネットを使うのも注目だ

 この価格を実現できた理由は、エンクロージャー製作を外注にした上、カラーを1色に限定してロットあたりの生産数を上げたから。ネットワークに高品質のムンドルフ製パーツを使用しながらもシンプルな構成にまとめたことなどで、細部のコストダウンによって実現している。この努力は凄いことだ。

 試聴ではピアノ協奏曲や女性ジャズヴォーカルを聴いた。音色に癖がなく各帯域のつながりもよい。オーケストラを表現するために必要な情報量の多さやダイナミックレンジの広さなどを感じさせながらも、オーディオ的な再生能力と音楽性のバランスが優れていることも印象的だ。

 ユーザーにしてみれば、現実的な価格でマジコのスピーカーを手に入れるチャンスが到来した。実際、A3は世界中からオーダーが殺到しているそうだ。

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