ナスペックから、新ブランドKirmuss Audio(カーマス・オーディオ)の超音波式アナログレコード洗浄機が発売される。型番は「KA-RC-1」で、価格は¥185,000(税別)、9月20日の発売予定だ。
カーマス・オーディオは、2012年にCharles Kirmuss(チャールス・カーマス)によってアメリカで設立された。チャールス・カーマス氏は工業製品の制作を行なう会社の経営者で、子供の頃からオーディオファン、レコード収集家でもあるそうだ。
あるとき彼は、世界的なオーディオショウにアナログ洗浄機が数多く出品されている事を知る。その効果と同時に、それらのマシーンが高価な事にも驚いたそうだ。 工業製品のプロである彼は、それらの高級機に負けない洗浄力を持つレコード洗浄機を自分で作りたいと考え、3年の研究の後にKA-RC-1が誕生した。
その開発で難しかったのが、超音波の周波数をいくつに設定し、強さをどのくらいにするかだったという。レコードの溝の洗浄に一番マッチした周波数の研究にもっとも時間をかけた。もちろん毎日使う事を考え、動作音も可能な限り静かに抑えられている。
また、一度に1枚しか洗浄できないと大量のレコードの処理には向かないと考え、同時に4枚(LP×2、9インチ×1、シングル×1)を洗浄できるように考えられている。さらに現在、LPを3枚同時に洗浄できるオプションの交換用サスペンションシステム(本体上部)も計画中とのことだ。
使い方は、本体のタンクに6リットルの水を入れるだけ。5分間の稼働で1〜4枚の洗浄ができる。6リットルの水で、交換せずに約50枚のクリーニングが可能だそうだ。また、汚れの程度によって、以下の4通りの洗浄方法が用意されている。
1)水道水による洗浄:ほとんどの場合はこの方法で問題なし。
2)精製水による洗浄:大切なレコードは、市販の精製水でクリーニングするとより強力な洗浄力を発揮。
3)新品レコードの場合:新品のレコードは、制作過程で塗布されるグリースや剥離剤などが残っている場合もある。このような汚れは、水に市販の100%イソプロピルアルコールを30ccほど加えると効果的という。その場合、アルコールを馴染ませる為の試運転モード約2分を先に行なう。ただし、初期のLPやSP盤などシェラックが原料に入っているディスクには使えない。
4)1〜3でも汚れが落ちない場合は、付属の特殊クリーニングスプレー(KA-AS-1)と山羊の毛を使った専用ブラシを使って、レコードから汚れを 浮かせ、再度マシーンにかける。
カーマス・オーディオでは、これらの洗浄後の仕上げは、ユーザー自身の手作業でディスク仕上げるよう推奨している。そのためのレコードスタンドや拭き仕上げ用クロス(50枚分)、ブラシ等も付属している。
KA-RC-1の本体サイズはW545×H280×D320mmとディスク4枚を同時に洗浄できる割にはコンパクトだ。ただし、本体右側に排水用ホースを取り付けるため、設置時にはその分のスペースも必要となる。