アストロデザイン
アストロデザインのブースには、明るさ37,000ルーメンという驚異的な明るさを実解した8K解像度の3板式DLPプロジェクターが展示され、その映像を250インチ大画面スクリーンに再現していた。
「INSIGHT Laser 2nd Generation」と名付けられたこのプロジェクターは、既発売モデル(明るさ25,000ルーメン)の後継機で、水平7680×垂直4320画素という解像度は承前、1.38インチDark ChipというDMDチップも同一だ。
一番の違いはレーザー光源で、INSIGHT Laser 2nd Generationでは高輝度青色レーザーに加えて赤色レーザーも搭載することで先述の明るさを実現したという。最大8K/120pの投写が可能で、HDR(PQ/HLG)の再生にも対応済み。
会場では東京ガールズコレクションをアストロデザインの8Kカメラで撮影した映像が上映されていた。周囲の照明が映り込むくらいの明るい環境下だったが、それでもモデルの衣装の質感や化粧の具合までしっかり確認できる映像が再現できていた。
JVCケンウッド
JVCケンウッドのブースには、同社が提唱する「CONNECTED CAM」のラインナップが展示されていた。IPベースの映像機器が普及したことを受け、映像制作機器に求められる高画質・高品質を実現しながら、IoTデバイスに求められる接続性と先進性を備えることで「省コスト、省時間、省人化」を可能にしたシステムとなる。
4Kメモリーカード用カメラレコーダー「GY-HC550」は、1.0型C-MOSセンサーと20倍レンズを搭載した製品で、4K/60p/4:2:2/10ビットでの収録が可能となっている。
ソシオネクスト
ソシオネクストでは、クラウドベースのAV1リアルタイムトランスコーダーのコンセプトデモを行なっていた。
同社は以前、別の展示会場で同様の展示をしていた。その際はHEVCファイルをクラウドにアップし、AV1に変換してダウンロードするという内容だったが、今回はH.264からのアップロードにも対応した。さらにH.264のハードウェアデコーダーと独自のAV1ハードウェアエンコーダーを採用したことで、より高速な処理が可能になっている。
NEC
NECブースでは、次世代映像符号化方式のひとつであるVVCを使った地デジの高画質化提案も行なわれていた。HEVC比30%の圧縮効率の改善を果たしており、2020年7月の標準化を目指しているそうだ。
会場ではHEVC圧縮8MbpsとVVC圧縮7.7Mbpsの映像が並んで表示されていたが、どちらも多くの情報量を備えた映像が再現できていた。じっくり見ていくとVVCの方が芝生のディテイルや馬の毛並みの光沢感などがより自然で、今後の可能性を感じたのは確かだ。
ちなみにNECとしては現在の地デジのビットレートを半分に抑え、残りの半分でVVCによる4K放送ができないかと考えているようだ。そのターゲットが8Mbpsということだろう。ただし、現時点ではVVCの圧縮には数倍以上の時間が必要とかで、リアルタイムの放送で使えるようになるにはまだ時間がかかりそうだ。