トップウイングから、1G専用DACケーブル「Direct Link SFP」が8月5日に発売される。価格は¥22,000(税込)で、0.5/1.0/2.0mのケーブルが付属している。

 Direct Link SFPは、オーディオネットワーク向けに設計された1G専用SFPポート間の専用銅線接続システム。2個のSFPモジュールと着脱式の専用ケーブルで構成され、DAC(Direct Attach Cable)方式でSFPポート間を直接接続する。

 オーディオ用途のSFP接続では、光モジュールによって機器間を電気的に分離する方法が主流だが、Direct Link SFPはこれとは異なり、光変換を介さないシンプルな銅線接続として提案されている。

 DACケーブルは、金属導体で接続する点では一般的なLANケーブルと共通だが、信号の伝送経路は異なっている。一般的なLAN接続ではパルストランスを介した絶縁が行われ、信号は一定のプロトコルと補正機構を前提に伝送される。一方でDACケーブルはトランスを介さず、エンコードも簡潔で、物理層レベルでの変換段を減らすことが可能という。その結果、信号経路は短く、遅延も小さく、構造としてはきわめて合理的とのことだ。しかし、信号経路をシンプルにできる一方、安定した伝送には、ケーブル損失やインピーダンス整合を含む信号品質の管理が重要になってくる。

 これまでのパッシブDACケーブルは、SFP+というSFPよりも上位の規格を前提にして、接続機器側内部の信号整形回路に大きく依存していた。いわば機器側の補正能力に頼る設計で、SFP+に比べて機器側の補正能力が控えめな1G SFP規格にとって、最適化されたものとは言えないという。

 一方で、フルアクティブDACケーブルは高い補正能力を持っているが、消費電力が大きく、発熱や電源負荷の増加という副作用を伴っている。光アイソレーションという選択肢については、同社では既に「Silent Fidelity SFP」をリリースしており、こちらがその役割を担っている。では、1G SFP経路においてDACケーブルのメリットをダイレクトに活かすための最適解は何か。その問いに対する答えが、Direct Link SFPということだ。

 そのDirect Link SFPは、1G SFPに最適化するために受信側のみアクティブ補正を行っている。これによりパッシブ接続で生じやすい信号品質のロスを必要最小限の補正で抑え、実際に波形再構成が重要となる受信側だけに機能を集中させることで、消費電力の増大を防ぎながら信号品質を高めているという。

 この設計により、SFP接続における信号整合性を確保しつつ、モジュールへの電源負荷を抑制することが可能となっている。さらに副次的な効果として、接続機器との相性問題も抑えられ、Silent Fidelity SFPのオーディオ向け対策品と同等の互換性を実現した。

 モジュール間を結ぶケーブルの品質も、伝送では重要となる。そこでDirect Link SFPでは、細径の銀メッキ銅線を用いた専用ケーブルを新規に設計した。導体構成は表皮効果を考慮し、1G伝送に必要な帯域を確保しながら、取り回しやすさと安定性を両立させている。さらに実際の設置環境にも配慮し、0.5/1.0/2.0mの3本のケーブルを同梱、使用環境に合わせて最適な長さを選択できる。

 SFPモジュール部とケーブル部の接続端子には、USB Type-Cコネクターを採用した。USB-Cは現時点においてトップクラスの帯域幅(高周波伝送特性)と強固な接続安定性を持ち、大量生産によって品質がきわめて高いレベルで均一化された工業規格になっている。今回はこのメリットを踏まえ、特殊な独自端子を用いるのではなく、合理的な選択を行ったとのことだ。

 トップウイングでは、SFPインターフェースには複数の選択肢があると説明している。完全な電気的分離を求めるならSilent Fidelity SFPによる光アイソレーションが、変換段を増やさずに物理距離を最短化し、信号経路を極限まで単純化するならDirect Link SFPがお薦めということだ。この辺り、ご自分のシステムをどう構築したいかを考えて使い分けてみるといいだろう。

 なおStereoSound ONLINEでは、Direct Link SFPの試作モデルを使った取材も行っている。そこでは傅 信幸さんに、ネットワークスイッチの「OPT REF SW」との組み合わせによるインプレッションもご紹介いただいた。こちらの記事(関連リンク参照)もあわせてお読みいただきたい。

「Direct Link SFP」の主なスペック

●コネクター:USB Type-C●対応速度:1Gbps●付属ケーブル長:0.5/1.0/2.0m
※端子部が大型設計のため、隣接したSFPポートでは並列使用ができません。また、SFPポートの開口部が奥まった形状の場合、正常に挿入できない場合があります。
※端子部にUSB-Cコネクターを採用していますが、伝送している信号は専用ネットワーク信号のため、市販のUSB-Cケーブルは絶対に使用しないでください。
※付属ケーブルは専用品です。PCやスマートフォン等の一般的なUSB-C機器には接続しないでください。
※専用ケーブルには向きがあります。TOP WINGロゴが上面になる向きで接続してください。

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