EDIFIER(エディファイア)といえば、品質、音質ともにハイクォリティを確保しつつもコストパフォーマンスにも秀でた製品を次々にリリース。しかも、手頃な価格というだけでなく、現代のライフスタイルに合わせた機能性や使い勝手などをいち早く取り入れ、ユーザビリティのよさでも注目を集めているオーディオブランドだ。
アクティブスピーカー:EDIFIER M90 ¥46,980(税込)

●出力(RMS):100W(35W✕2 +15W✕2)
●使用ユニット:4インチ アルミダイヤフラムウーファー、1インチ シルクドーム型ツイーター
●周波数特性:50Hz〜40kHz
●Bluetoothコーデック:LDAC(990kbps)
●接続端子:HDMI eARC、同軸デジタル、USB-C、アナログ入力、サブウーファー出力
●寸法/質量:W133×H212×D225mm(右)、W133×H212×D210mm(左)/6.05kg

光デジタルやUSB-C、3.5mmアナログ入力に加え、eARC対応HDMI端子も搭載する。対応テレビとHDMIケーブルでつなぐだけで、放送や動画配信の音声をM90を使った高品質音声で楽しめる
日本国内では10年以上前からパソコン用スピーカーなどで知名度を高めてきたが、近年はTWS(完全ワイヤレスイヤホン)やANC(アクティブノイズキャンセリング)ヘッドホン、Bluetoothスピーカーなどのポータブル系の製品にも力を入れており、幅広いラインアップを取り揃えるようになってきた。また、アクティブスピーカーのジャンルでは、パソコン用の小型モデル以外にも、本格派のデスクトップスピーカーやモニタースピーカーなど、多彩なラインナップを取り揃えている。
そんな、EDIFIER製デスクトップスピーカーのなかでも、最新モデルのひとつがこの「M90」だ。今回のリポートでは、本来のデスクトップスピーカーとしての活用はもちろん、テレビスピーカーやリビングAVシステムなど、多機能なM90ならではの活用方法をいろいろと試すことが出来たので、その詳細をご報告しよう。
M90は、デスクトップスピーカーというカテゴリーに収めるのは惜しいほど多彩な機能性を持ち合わせている。同時に本体は、幅133×高さ212×奥行225mmというコンパクトさで、空きスペースが少ないデスクトップにもすんなり収まってくれるだけでなく、日本の住環境にもスマートにマッチしてくれるサイズ感に仕立てられている。先に登場した弟機「M60」はコンパクトな筐体がたいへん好評を博していた。M90はそれよりは少し大柄になったものの、そのかわりに機能性と音質の両面でグレードアップしたモデルといえる。
デスクトップでも使えるコンパクトなボディに、高品質な2ウェイスピーカーを搭載

4インチアルミダイアフラムウーファーと1インチシルクドーム型ツイーターによる2ウェイシステムを搭載。高効率デュアルアンプで、高域と低域それぞれを駆動している

操作もしやすいスティックタイプのリモコンも付属する。入力切り替えや音量調整の他に、Bluetooth/USB接続時の曲送り/戻しや4種類のサウンドエフェクトの選択も可能
まず機能性に関して、最大の魅力といえるのが入力端子の豊富さだ。パソコンやスマートフォンを接続できるUSB-C端子をはじめ、光デジタル、AUXアナログ、Bluetoothワイヤレスなどを用意。さらに、このサイズ、この価格帯の製品としては希少といえるeARC対応HDMI端子まで搭載されているのだ。サブウーファー用出力端子も用意されているので、テレビ横に設置する2.1chスピーカーとしても活用できる。
また、USB-Cをはじめとするデジタル端子はハイレゾ再生が可能。BluetoothもLDACコーデックに対応しているので、ハイレゾ相当の高音質サウンドを楽しむことができる(どちらも96kHz/24ビットに対応)。海外ブランドのアクティブスピーカーはハイレゾに対して消極的なものが多く、特にBluetoothはSBCなどスタンダードなコーデックのみの対応となっている製品が主流となっている。こういった、日本市場が求めるスペックに対してもしっかりと対応してくれているのは、EDIFIERならではであり、開発スピードの素早さの表れともいえる。
サブウーファー:EDIFIER T5s ¥21,980(税込)

●使用ユニット:8インチ(220mm)ウーファー
●定格出力:70W
●再生周波数帯域:35Hz〜115kHz
●S/N:≧85dB(A)
●接続端子:アナログ入力(RCA)
●寸法/質量:W399✕H400✕D170mm/約10.38kg

取材時には、EDIFIERのアクティブサブウーファー「T5s」も組み合わせている。M90のサブウーファー出力と3.5mm→RCA変換ケーブルでつないで、クロスオーバー周波数はダイヤルの10時近辺(80Hz前後)に設定した
もうひとつユーザビリティの面で重宝するのが、リモコンだ。M60では筐体天面にタッチパネルを搭載していたが、これはデスクトップスピーカー前提の製品であるためと思われる。M90ではリモコンを付属することで、様々な使用にマッチできるよう配慮されている。ちなみに、リモコンはAmazon Fire TV Stick用などに近い大きさやデザインで、赤外線ではなく2.4GHz帯を活用したものとなっていて、確実な操作がスムーズに扱える。
加えて、スマートフォン専用アプリ「EDIFIER ConneX」にも対応しており、環境や好みに合わせて音色傾向(9バンドEQ)をカスタマイズも可能となっている。この通り、M90はユーザビリティに関して大満足といえる製品に仕上がっている。
肝心の音質についても、随所にこだわりが垣間見られる。ドライバー構成はアルミ振動板採用の4インチウーファーと1インチシルクドームの2ウェイ、トータル100Wという高出力クラスDアンプとの組み合わせによって、50Hz~40kHzというワイドレンジ再生に対応している。
【動画】EDIFIERのデスクトップスピーカー「M90」がいい音&快適すぎる! 野村ケンジさんが、その魅力をいろんなシステムで紹介します
youtu.beさてここからは、同時公開されたYouTube収録時に試した各シチュエーションの詳細レビューを紹介したい。まずはデスクトップから。なお、今回の試聴では、M90に加えてEDIFIER製の薄型サブウーファー「T5s」を組み合わせている。オフィシャル通販サイトなどではM90とT5sのセットモデルも用意されているので、手軽に実力全開のサウンドを楽しみたいのであれば、こちらをオススメしたい。
まず、デスク環境における設置性の高さに感心させられた。一般的な奥行き60cmのデスクはもちろん、日本ではよく使われている奥行き50cm弱のパソコンデスクであっても違和感なく設置でき、邪魔にならない。筐体背面にバスレフポートがあるので、デスクでは逆ハの字に設置するのが理想的に思えたが、このあたりは設計時に想定された使い方なのかもしれない。USB-Cによる接続も、配線がシンプルなので扱いやすかった。

デスクトップシステムを想定し、奥行き60cmほどの机の上にM90とノートPCを設置した。USB-Cケーブルでそれぞれをつないで、音楽や動画ストリーミングを確認している。足元に置いてあるのがサブウーファーのT5s
というのも、デスクトップスピーカーをアピールする製品だけあって、近距離の設置では細やかなディテイルを持ちつつ、躍動感に満ちたサウンドが楽しめる。特にアコースティック楽器との相性が抜群で、ピアノもヴァイオリンも伸びやか。おかげで、小編成のクラシックなどが楽しい。いっぽうで、メリハリのよさからポップス系との相性も良好。Jポップやアニソンも楽しい。また、ヴォーカルの歌声が明瞭なことが功を奏してか、オンライン会議などでも相手の発言が分かりやすく、仕事用としても重宝する。
いっぽう、アクション映画などではサブウーファーのT5sが大いに貢献してくれた。距離が近いので音量は小さめ、クロスオーバー周波数も低め(ダイヤルの10時くらい)が望ましかったが、EDIFIER同士故に音色傾向の相性も良いうえ、迫力という点では欠かせない存在に思えた。幅が170mmと比較的小さく、かつその狭い側にバスレフポートが配置されているので、足元に設置しても邪魔にならない。デスクトップユースでも、良好な組み合わせだ。
HDMI端子によるPCとの接続も試してみたが、USB-C同様にケーブル1本のシンプル接続であること、音質面でも良質なことから、こちらも充分オススメできるものだった。T5sも活用して、迫力満点のアクション映画を楽しんでもいい。ただし、PCにはHDMI端子が少ない(だいたいひとつ)ので、USB-Cを活用した接続が可能であれば、そちらを優先したほうが良さそうだ。

M90は、リビングの薄型テレビと組み合わせにもぴったりだ。eARC HDMI搭載テレビとHDMIケーブル1本でつなぐだけで、テレビで再生するすべてのコンテンツの音をワンランクアップしてくれる。T5sを追加すれば、映画やライブの低音を迫力充分に再生可能
続いて、M90とT5sをテレビ横に設置した2.1chシアタースピーカーとしての活用をチェックしてみる。先にデスクトップユースの良好さを見ているのにもかかわらず、こちらの使い方を狙って設計されたのではと思えてしまうくらい、抜群のマッチングをみせてくれた。筐体サイズからは想像できない、2~3m離れた視聴位置でも変わらずパワフルで、迫力満点のサウンドが楽しめる。アクション映画もさることながら、ライブ映像も楽しい。このあたり、M90が音楽再生にも注力していることがよく表れている。
ちなみに、こちらの配置ではT5sとの組み合わせが必須といっていいが、あくまでもサブウーファーに頼りきりのサウンドではなく、ワイドレンジで特にローエンドへの伸びがいいM90本来の特長を活かした設定が望ましい。T5sのクロスオーバー周波数は、この距離でもやや低め(10時~12時くらい)がよさそう。音量は、部屋の広さや家具の配置によって調整するといい。

スマートプロジェクターを使って壁面に100インチほどの映像を投写、M90、T5sを組み合わせて2.1ch大画面シアターを構築した。スポーツイベントやコンサートのライブ配信をこの環境で視聴したら、盛り上がること間違いなし(視聴用に使用したプロジェクターは、「JMGO N1S 4K」
もうひとつ、プロジェクターと組み合わせた設置も試してみた。左右スピーカーの間に100インチほどの映像を投写してみたが、ここまで(左右スピーカーの)距離が離れても、音が中抜けすることはなかった。M90本来のメリハリのいいサウンドと相まって、こちらもなかなかいい。正直、このサイズ、この価格帯のアクティブスピーカーとしては望外といえる音場の広さだ。
出し入れが手軽なスマートプロジェクターと組み合わせることで、より手軽に様々なコンテンツを楽しむことができる(対応プロジェクターなら、HDMI ARCも使える)。普段はBluetooth接続で音楽配信サービスを楽しみ、時々プロジェクターを持ち出して映画を楽しむ。思っていた以上に魅力的な活用方法といえるだろう。
このように、M90は小型で設置しやすく、多彩なシステムとして活用でき、それでいて音楽も映像コンテンツも躍動感に満ちたサウンドで堪能できる、完成度の高い製品に仕上がっている。たとえ環境が変わっても様々な設置プランに対応できるので、長い期間使い続けられることも嬉しい。多彩な魅力をもつ製品だ。






