人気の動画クリエイター・コウイチ氏の初の長編映画となる『とれ!』がいよいよ2026年1月16日(金)より公開される。ふとしたきっかけでアップした動画がバズったことで、さらなるビュー(広告収入)を求めてより過激な映像を求めて行動がエスカレートしてしまい……。その結果起こる騒動を、時に本格ホラーとして、時にコミカルに描いた注目の1本。主演には、2021年「松竹JAPAN GP GIRLS CONTEST」にてグランプリを獲得した新鋭・中島瑠菜を迎え、青春の瑞々しさとその奥に潜む悩みを鮮やかに演じ切っている。ここでは主役・佐藤美咲を演じた中島瑠菜にインタビュー。出演の感想から、役作りの苦労、今後の抱負まで話を聞いた。
――よろしくお願いします。長編単独初主演作の完成おめでとうございます。『とれ!』の第一印象を教えていただけますか?
怖すぎない映画だなと思いました。音でびっくりする場面はありますが、本当にホラーが苦手な方にも、「ちょっと見てみない?」とおすすめできる仕上がりになっています。
――先ほど完成披露上映会が行なわれましたが、ご自身が主役の舞台挨拶を経験していかがでしたか?
楽しかったです。コウイチ監督とまいきちさんの安心感がすごすぎて、任せていました(笑)。みんなとお話できたらいいなという気持ちで登壇したので、美咲としても楽しくできたんじゃないかなと思います。
――そして、2026年1月16日から一般上映が始まります。
いい感想をいただけたらいいなという緊張はありますが、皆さんと楽しく撮った作品なので、きっと優しい気持ちで受け取ってもらえるんじゃないかなと思っています。本当に公開が楽しみです。
――少し話が戻りますが、出演のオファーをもらった時にはどう感じましたか?
ホラー要素はたくさんありますが、“どういう風に怖さが出るんだろう。すごく楽しみだな”という印象でした。
――クランクイン前に監督と打ち合わせや話し合いはされたのでしょうか?
はい。監督とは撮影に入る前にお会いして、まいきちさんも含めて、「そのままの姿をどんどん出してもらっていいし、その場で柔軟に対応するから、撮影を楽しもう」と言ってくださって、印象に残っています。
――美咲(高校3年生という設定)の役作りで、苦労したところや自分なりにこだわったところがあれば教えてください。
美咲は自分に近いところが多い役でした。ちょうど撮影の時期、私自身も受験を控えていて進路を決めるタイミングだったこともあって、特に難しいと感じることは少なかったと思います。気をつけていたのは、日常の中の物語なので、美咲と皐月(まいきち)との仲の良さも映像に現れると思ったので、撮影前のリハーサルから、まいきちさんとたくさんお話をして、きちんと友達の関係に持っていけるようにと意識しました。

――中島さんにとって、美咲はどんなキャラクターですか?
美咲はとても真面目で現実的な子です。そして、皐月たちや動画を通して少しずつ自分の考え方や価値観が変わっていきます。本当に現代を生きる女の子という感じですね。最初の場面で先生と話している声のトーンは、自分と似ていると思いました。自分の現状をきちんと見て、「ああ、もうこれ無理なんで大丈夫です」とか、そういうところですね。似ていないところは、廃墟について行くところ。多分ノリがいい日はついて行けるんですけど、私が高校三年生の時なら絶対に「あ、ごめん、行ってきて、どうぞ」という感じだったと思います。行かないでしょうね。
――その廃墟でのシーンは見ていてヒンヤリします。
本当の廃墟での撮影だったので、最初は怖くてインパクトが強かったです。本当に(草木が)すごく生い茂っていました。収録の前には、神社にお参りして、何事も起こりませんようにとお願いしてきましたので、そのおかげで、何のトラブルもなく終えられたと思います。

――ところで、ホラー作品は得意ですか?
気になる存在だった、という感じです。見たい気持ちはすごくあるんですけど、やっぱ怖すぎるなって(笑)。配信で見た『ミーガン』は、初めてきちんと見ることができたホラー映画で、面白かったです。
――心霊現象については信じる方ですか?
私の身の回りで起こったことは信じます……。いや、自分の心理状態によって変わりますが、信じる時はめちゃめちゃ信じますし、信じない時は本当に意地でも信じない感じです。ちょっと前に、共演者の女の子の腕に、誰も掴んでないのに手形ができていたことがあって。「えっ!?」と思いましたけど、実際に体験したので、めちゃめちゃ信じちゃいました。
――美咲は中島さんと同年齢ですが、動画撮影は日常の中にあるものですか?
ありますね。今は日常を残すのにすごく便利な時代になっているので、スマホとかでいろんな思い出を撮っておこうと思って、高校の3年間はずっと写真や動画を撮っていました。
――親友の皐月役を演じたまいきちさんの印象は?
小学生の頃から見ていて、SNSを広げた方だと思っています。そういう方とご一緒できて、すごく嬉しい気持ちがありました。映画の内容もSNSに関することだったので、そういうお話をたくさんまいきちさんとできて楽しかったです。インスタの写真を私にも撮らせてもらえたりとか、「TikTok撮って」とお願いされたりもしました。ちょうど「Seventeen」のオーディション期間だったのですが、写真の撮り方とか、「SNSをこういう時間帯にあげるといいよ」という情報をもらって、「そういうところは私もSNS更新する時もやろう」と影響を受けました。
――母親役は奥菜恵さんですね。
とても優しい方でした。奥菜さんが演じられたお母さんにはとても無邪気なところがありますが、こういうお母さんだからこそ、美咲は伝えられない状況があったのかなと、それを理解させてくれるようなすごいお母さんでした。とても勉強になりましたし、自分もいつか、ああいう風になれたらいいなと思いました。

――奥菜さんとのシーンで、ケーキを食べるところやテレビ番組を見るところにはアドリブっぽい雰囲気も感じました。
ケーキを食べるシーンはほぼアドリブです。監督に「こういう感じで」と言われた後は、奥菜さんが引っ張ってくださって。「お父さんにも食べさせて」という場面も家族らしくて、すごく可愛らしい日常だなと思いました。
――アドリブ的なシーンの中で、「奥菜さんがこうしゃべったら私はこう返そう」とか、そうしたやりとりはその場で?
そうですね。事前には何もしていなくて、本番でセリフを交わして、子どもらしく返す感じで、ずっとやっていました。
――この映画では“神様”の存在もポイントです。あれがいつも隣にいるのは刺激的だったのではないかと思います。
本当に不思議な気持ちですね。長髪で、しかもちょっと日本人らしくないというか、明るめの髪色で、しかも和装で。私の想像する神様とはまた違った神様です。私はもっと白っぽくて、ふわーっと飛んでいけそうな神様をイメージしていたんです。そうしたら、お面をかぶっていて顔が見えないとか、すごいギャップがありました。

――美咲は、今回の経験を通して将来を強く意識して、自ら行動を始めます。ふっきれた感じです。中島さんの中で共感したり、ご自身で似た経験はありますか?
2年前、高2の夏に、人間関係で悩んでいました。その頃、別の作品の撮影で遠くに長く行くことになったんですが、その時にいてくださった人たちがすごく楽しそうにしている姿を見て、悩みを引きずるより今を楽しんだ方がいいと学びました。おかげで、吹っ切れたというか、自分が一つ人間として成長できたような気がしました。
――今後、役者としてどのように成長・躍進していきたいですか?
いただいた役を精一杯演じていこうという気持ちのほかに、より深く、見て下さる方に(役を)伝えていけたらという思いがあります。より自分を客観視する力を身につけていきたいと思いますし、良い作品を皆さんに自信を持って届けられる人になっていきたいですね。私自身、漫画が好きなので、ラブコメのヒロインとまではいかなくても、何かを支えるような女の子をやれたらいいなとか、誰かに寄り添う役柄とかもやれたらいいなと思います。何かを極めている職業、パティシエさんのような役柄にも取り組んでみたいです。新しい自分を見せられたらと思います。
――では最後に、改めて『とれ!』の見どころについて教えてください。
美咲には、「自分の進路について」と、「家族との向き合い方」という2つの大きな出来事があったと思います。家族の間には、血は繋がっていても伝えきれないことが本当にたくさんあると思いますので、そういう場面を見て何か感じてもらえたら。また、学生の皆さんには、自分の進路で悩んだ時に、進む道を見つけるきっかけになってほしいなとも思います。
『とれ!』の中には青春の要素や家族のことなど、いろいろなものが取り込まれていますので、ホラーが苦手な方にもぜひ観ていただきたいですし、いろいろなところにコウイチ監督ならではの要素が隠されていると思います。ちょっと変わったホラーなので、そうしたところを楽しんで観てもらえたら嬉しいですね。

映画『とれ!』
2026年1月16日(金) テアトル新宿他全国公開!
【ストーリー】
高校3年生の美咲(中島瑠菜)。やりたいことも見つからず、母子家庭で親に負担をかけたくないため進学はせず、地元で就職しようとバイトをしながら最後の高校生活を送っていた。親友の皐月(まいきち)は親の希望で大学進学を目指しているが、日々SNS投稿に夢中。
そんなある日、美咲が撮ったVLOGに霊のようなものが偶然映り、投稿動画は瞬く間にバズっていく。驚いた二人はこれをチャンスと思い、続けざまに心霊のフェイク動画を投稿し、バズは益々大きくなり広告収益が手元に入る。調子に乗った二人の撮影はエスカレートし、さらなる刺激を求め地元で噂の廃墟に潜入、とうとう取り返しのつかない本物が映りこんでしまう。さらに、廃墟撮影の道中で地蔵を拝んだ美咲は、和装でお面のような顔の“神様”に憑きまとわれることに――。
<キャスト>
中島瑠菜
まいきち 和田雅成 宮地真緒 奥菜恵
<スタッフ>
監督・脚本:コウイチ 主題歌:おだじん「Mellow Ride(movie ver.)」 製作:菊池剛 五十嵐淳之 企画:田中翔 水野裕基 プロデューサー:小林剛 平田樹彦 ラインプロデューサー:古賀奏一郎 アソシエイトプロデューサー:高橋正弥 撮影:関口洋平 照明:渡邉幸朔 録音:北野愛有 美術:畠智哉 スタイリスト:岡本華菜子 ヘアメイク:ピクトメイク 助監督:髙野佳子 配給:KADOKAWA 制作プロダクション:ダブル・フィールド 制作協力:SS工房 協力:UUUM株式会社 製作:KADOKAWA ムービーウォーカー
上映時間:74分 レーティング:G
(C)2025 「とれ!」製作委員会
●中島瑠菜 公式SNS
https://www.shochiku-enta.co.jp/actress/Nakashima
ヘアメイク:川又由紀(HAPP’S.)
スタリスト:平松彩霞(dynamic)


