KEFジャパンから、同社の伝統的なスピーカー「Coda」の名を受け継いだワイヤレススピーカー「Coda W」(¥129,800、ペア、税込)が登場した。KEF Music Galleryと公式オンラインストアでは本日より販売をスタートし、正規販売店では予約受付を開始、10月28日(火)より順次発売する。

 Codaは1971年に登場、2000年代まで販売されていた同社のエントリーモデルで、楽曲を満足する形で締めくくる終結部から命名された製品だ。Coda Wはこの人気モデルに着想を得ており、高性能、優れた接続性、使いやすさを備えたオールインワンのオーディオシステムとなっている。

画像: 既発売のネットワークスピーカー「LSX II」(左)と、新製品「Coda W」(右)

既発売のネットワークスピーカー「LSX II」(左)と、新製品「Coda W」(右)

 昨日開催された新製品発表会では、KEF Japan コマーシャルヘッドの福島真澄さんと、KEF アコースティックヘッドのジョージ・パーキンスさんがCoda Wの特長を紹介してくれた。

 福島さんは、「KEFはハイエンドハイファイブランドです。そこではエンジニアングファーストの精神に乗っ取り、新技術を模索しています。ユーザーが満足できるハイファイサウンドを実現することを目指しており、本気で最高の技術を搭載したスピーカーを開発していきます。価格帯によってもそこは変えていません」と、KEFの物作りのコンセプトを紹介してくれた。

 続いてジョージさんが、「Coda Wは、初心者をハイファイの世界に誘う、KEFにとっても重要なアイテムです。Codaは1971年に登場し、1990年代の『Coda 7』が大人気モデルになりました。Coda Wはフルアクティブスピーカーとしての新展開となります」と新製品の役割を紹介してくれた。

画像: KEF アコースティックヘッドのジョージ・パーキンスさん

KEF アコースティックヘッドのジョージ・パーキンスさん

 そのCoda Wには、第12世代Uni-Qドライバーが搭載されている。LS50のUni−Qをこの価格帯に合わせてリファインしたとかで、ミットレンジ部分を継承することで、音の鮮明さ、力強さを実現している。

 ただし、価格面の制約もあり、Metamaterial Absorption Technology(MAT)デバイスは搭載しておらず、またツイーターにも新たなデバイスが使われている。そこではバランスのいい
ウーファーとツイーターの組み合わせを探るために、シミュレーションと試聴を繰り返していったそうだ。

 またワイヤレススピーカーのフラッグシップモデル「LS60 Wireless」に搭載されているDSPを基盤としたMIE(Music Integrity Engine)も搭載、音楽信号を最適化して再生している。このDSPでクロスオーバーやベースマネジメントも担当、スピーカーから力強い低音を引き出し、どんな音量でも正確なコントロールとクリアーなサウンドを実現するそうだ。

画像: 本機用の第12世代Uni-Qドライバーを搭載し、マルチアンプで駆動している

本機用の第12世代Uni-Qドライバーを搭載し、マルチアンプで駆動している

 手の届きやすいハイファイスピーカーとして、アンプ内蔵アクティブ型は必須条件だったそうだ。さらにツイーター用とウーファー用に各1台、左右で合計4台のデジタルアンプを内蔵、マルチ駆動を行っている。

 なおパワーアンプはすべてClass Dで、L/R間は96kHz/24ビットのデジタル信号で伝送している。ケーブルにはUSB-Cを使っているので、音声信号と電源も同時に伝送できる仕組みだ。

 音声信号はBluetooth(コーデックはaptX AdaptiveとaptX Losslessにも対応)のワイヤレス伝送が可能。有線接続ではUSB Type-C、光デジタル、HDMIとアナログ入力端子を搭載する。さらに、MMフォノイコライザー内蔵のフォノ入力を備えているので、ターンテーブルと組み合わせるだけでアナログレコードを楽しむこともできる。

 USB-C端子は最大192kHz/24ビットの信号を入力可能。ただしCoda Wは96kHz/24ビットで内部処理を行っているので、それを超える信号はダウンコンバートしているそうだ。同じくアナログ信号は96kHz/24ビットにA/D変換しており、フォノ入力もA/D変換した後にデジタルフィルターでフォノイコライザー処理を行っている。

画像: デジタル、アナログの有線接続に加え、フォノ入力(MMフォノイコライザー搭載)も備えている。左右のスピーカー間はUSB-Cケーブルでつなぐだけ

デジタル、アナログの有線接続に加え、フォノ入力(MMフォノイコライザー搭載)も備えている。左右のスピーカー間はUSB-Cケーブルでつなぐだけ

 もうひとつHDMI端子はARC対応なので、同じく対応テレビとつなぐことでホームシアターシステムへの展開も手軽に行える(入力信号はリニアPCM)。家庭のリビングでいつもいい音を楽しんでいたいというニーズにも応えてくれるわけだ。

 その他にサブウーファー出力も備えており、2.1ch再生への展開も可能。KEFの「KW2 RXレシーバー」にも対応しているので、これを追加すればスマートなワイヤレスシステムも構築できる。

 実際の設置については、電源は片方のみ接続、もう片方には上記の通りUSB-Cのケーブルで給電する。付属USB-Cケーブルは長さ3mだが、オプションで8mタイプも準備されるという。またどちらのスピーカーをL/Rに使うかはアプリから設定可能だ。

 そのアプリは、従来通り「KEF Connect」を使用(10月28日以降の対応予定)。ただしCoda Wは無線対応モデルではないので、Bluetooth接続で操作を行う仕組みという。入力切り替え、音量やEQ(イコライザー)の調整、電源オン/オフなども可能だ。

 本体カラーはVintage Burgundy、Nickel Grey、Midnight Blue、Moss Green、Dark Titaniumの5色を準備し、様々なインテリア、部屋での使用にもぴったりだ。既発売の「SQ1 Floor Stand」との組み合わせも可能だ。

画像: 表参道のKEF Music Gallery Tokyoで新製品の音を確認した

表参道のKEF Music Gallery Tokyoで新製品の音を確認した

 発表会で、Coda Wの音を確認させてもらった。iPadとの組み合わせでAACコーデックによるBluetooth再生をチェックする。

 まず、同軸ユニットのUni-Qらしい定位の良さが魅力。ボーカルもL/Rスピーカーの中央からしっかり響いてくるし、背後の楽器の位置もよくわかる。13cmウーファーということもあり、ローエンドまで低音が伸びているわけではないが、キレが良く迫力も感じる低域が再現されている。全体の印象はひじょうにクリーンで、Coda Wが元の情報をていねいに再現していることがよくわかる。

 Bluetooth再生はもちろん、USB-Cによるハイレゾ音源からアナログプレーヤーまでオールラウンドに、しかもこのクォリティで楽しめるのはまさに驚き。ハイファイの第一歩と呼ぶにふさわしいモデルといっていいだろう。

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