NOVEMBER 2025 NEW RELEASES - THE CRITERION COLLECTION

THE CRITERION COLLECTION has announced its NOVEMBER 2025 slate of 4K UHD BLU-RAY(6)and BLU-RAY COLLECTOR’S BOX(1)releases. Amongst them are: HELL'S ANGELS(1930)El(1953)THE BREAKFAST CLUB(1985)HOUSE PARTY(1990)and EYES WIDE SHUT(1990)

画像: NOVEMBER 2025 NEW RELEASES - THE CRITERION COLLECTION

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

心の痛みが消え恋が芽生える ー 土曜の朝のステキなパーティ

クライテリオンの11月リリース・タイトルのハイライトは、なんと言っても4K UHD BLU-RAY『アイズ ワイド シャット』。だが他作品をじっくりと眺めると、なかなかどうして魅力的なタイトルが並んでいる。まず11月4日に登場するのが、ローバジェットのインディーズ作品ながらスマッシュヒットを記録した『すてきな片想い』に続く、ジョン・ヒューズ監督第2作『ブレックファスト・クラブ』(1985)である。

舞台はイリノイ州のハイスクール。とある3月の土曜日の朝、男女5人の高校生が休日の図書室に集められた。教師は5人に「自分とは何か?」というテーマで作文を書くように命ずる。9時間のタイムリミットまで、トイレ以外は席を立ってはいけないと言い残して、教師は隣の職員室に移った。何のために休日登校という罰を受けたか心当たりのある5人は、誰もが罪の意識に従っていたが、やがて学校が自分たちに課した懲罰に疑問を抱き始める。そしてそれまでお互いを知らずにいた5人は、次第に心を通わせて絆を深めていく・・・。

予算100万ドルのローバジェット作品ながら全米の若者たちを熱狂させるスマッシュヒットを記録、世界で5150万ドルを稼ぎ出した後味爽やかな青春映画の佳篇である。同じく1985年に公開された『セント・エルモス・ファイアー』と並んで、いまなお人気の高い80年代ブラット・パック(悪ガキ)スタア映画の代表作でもある。

画像: United States \ 1985 \ 97 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

United States \ 1985 \ 97 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

  • NEW 4K RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
  • HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
  • Alternate 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
  • Audio commentary featuring actors Anthony Michael Hall and Judd Nelson
  • Interviews with actors Molly Ringwald and Ally Sheedy and other members of the cast and crew
  • Video essay featuring director John Hughes's production notes, read by Nelson
  • Fifty minutes of deleted and extended scenes
  • Promotional and archival interviews
  • Excerpts from a 1985 American Film Institute seminar with Hughes
  • Radio interview with Hughes
  • Audio interview with Ringwald from an episode of This American Life
  • Trailer
  • English subtitles for the deaf and hard of hearing
  • PLUS: An essay by author and critic David Kamp

Released: NOVEMBER 4, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)

画像1: 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
画像2: 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

本作品は2018年にクライテリオンから4KレストアBLU-RAY(公開30周年を記念した2015年4Kレストア・マスター使用)がリリースされているが、今回はNBCユニバーサルスタジオ・ポストによる新たな4Kスキャンとデジタルレストア、HDRカラーグレードが行われている。撮影は『スタンド・バイ・ミー』『バトルランナー』のトーマス・デル・ルース。

画像1: ※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD

※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD

タイトルブレックファスト・クラブ
1985
監督ジョン・ヒューズ
製作ジョン・ヒューズ ネッド・タネン
製作総指揮ギル・フリーゼン アンドリュー・メイヤー
脚本ジョン・ヒューズ
撮影トーマス・デル・ルース
音楽キース・フォーシイ
出演エミリオ・エステヴェス アンソニー・マイケル・ホール ジャド・ネルソン モリー・リングウォルド アリー・シーディ ポール・グリーソン ジョン・カペロス ロン・ディーン

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

ヘアーにびっくり、ダンスにどっきり、これがウワサのラップ・ムービー !!

エディ・マーフィ主演作『ブーメラン』の監督や、タランティーノ監督作『ジャンゴ 繋がれざる者』のプロデューサーなどで知られる監督レジナルド・ハドリンの長編監督デビュー作『ハウス・パーティ』。『ブレックファスト・クラブ』と同じく高校生が主人公のインディーズ映画だが、コチラはご機嫌なヒップホップ・コメディであり、90年代ヒップホップ・カルチャーを描いた草分けとして愛され続けている作品だ。主人公はラッパーとしての成功を夢見る高校生キッド。ある日のこと、キッドは学校での喧嘩が父親に知れて外出禁止を言い渡されてしまう。だがその日の夜は親友プレイの家でハウス・パーティが開かれることになっていた。自慢のラップを披露したいキッドはなんとか自宅を抜け出すが・・・・・・。ヒップホップとR&Bのナンバーにのせて贈る、恋あり、友情あり、喧嘩あり、そしてラップバトルありのワイルドでクールな一夜の大騒ぎ! 主演は人気ヒップホップ・デュオ、キッド・アンド・プレイのクリストファー・“キッド”・リードとクリストファー・“プレイ”・マーティン。

画像: United States \ 1990 \ 104 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

United States \ 1990 \ 104 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

  • NEW 4K RESTORATION OF THE FILM, supervised by director of photography Peter Deming and approved by writer-director Reginald Hudlin, with 4.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
  • HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
  • New audio commentary featuring Hudlin
  • New conversation featuring Hudlin, producer Warrington Hudlin, and film scholar Racquel Gates
  • New cast reunion featuring actors B-Fine, Bowlegged Lou, and the Legend Paul Anthony of Full Force; Tisha Campbell; AJ Johnson; Christopher "Play" Martin; Daryl "Chill" Mitchell; and Christopher "Kid" Reid
  • House Party (1983), the student short by Reginald Hudlin on which his feature is based
  • Trailer
  • English subtitles for the deaf and hard of hearing
  • PLUS: An essay by author Michael Harriot

Released: NOVEMBER 11, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)

画像1: DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

本作品のオリジナルは、監督ハドリンハーバード大学在学中に論文として制作した20分の同名短編映画。この短編は1983年に一般上映され、10代の若者の行動をスタイリッシュ、かつウィットに富んだ視点で描いた作品として好評を博し、それが本作品の製作に繋がっている。さらに本作品も批評家の称賛を受け、シリーズ化の運びとなった。『ハウス・パーティ』フランチャイズには、劇場公開の続編『HOUSE PARTY 2』(1991)『HOUSE PARTY 3』(1994)第1作のスタンドアローン映画となる『HOUSE PARTY 4:DOWN TO THE LAST MINUTE』(2001)第1作~3作の続編『HOUSE PARTY: TONIGHT'S THE NIGHT』(2013)そしてリブート作品『HOUSE PARTY』(2023)がある。ちなみにUHD BLU-RAYにはオリジナル短編が特典収録されている。

画像2: DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
タイトルハウス・パーティ
1990
監督レジナルド・ハドリン
製作ワーリントン・ハドリン
製作総指揮ジェラルド・T・オルソン
脚本レジナルド・ハドリン
撮影ピーター・デミング
音楽マーカス・ミラー レニー・ホワイト
出演クリストファー・リード クリストファー・マーティン ポール・アンソニー ボウレッグド・ロウ B・ファイン ティシャ・キャンベル A・J・ジョンソン ロビン・ハリス マーティン・ローレンス

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

明日世界が終わるとしても

11月18日には、実業家、飛行家としても知られる映画製作者のハワード・ヒューズの初監督作品『地獄の天使』(1930)が登場する。マーティン・スコセッシ監督作『アビエイター』の前半、レオナルド・ディカプリオ演じるヒューズが映画製作に心血を注ぐシークエンスが登場するが、その時に製作していたのが本作品だ。オックスフォード大学に学ぶ英国青年ロイとモンテの兄弟は、学友カールの故国ドイツを訪ねていた。生来奔放なモンティは将軍夫人とトラブルを起こし、急きょイギリスに引き上げることになってしまう。一方、ロイはヘレンという娘への思慕を深めていたが、ヘレンは彼が思っているような純情な娘ではなく、男から男へと心を許す奔放な女だった。そんな時、第一次世界大戦が勃発、ロイとモンテの兄弟も召集され、カールと敵として戦うことになる・・・。

公開時は激情のメロドラマという触れ込みであったが、現在では航空アクション映画としての評価が高い。本作品は、1927年、マーシャル・ニーランの監督で撮影がスタートしたが、数週間後にはヒューズの度重なる干渉にうんざりして投げ出してしまう。さらにパラマウントから招いたルーサー・リードも2か月で降板。やむなくヒューズ自ら監督することになると、脚本の度重なる変更ととともに航空アクションの比重が大きくなっていく。ヒューズは第一次大戦で実際に活躍したパイロットを招集し、地上では100人を超すメカニックが整備のために働いた。ヒューズは空中戦にも参加したが、飛行機が墜落して重傷を負う(眼窩前頭皮質の損傷が、のちの奇行の要因とされる)。最終的に完成まで3年を要し、総予算は280万ドル(当時の日本円で56億円)に及び、当時もっとも高額の製作費をかけた映画となった。

画像: United States \ 1930 \ 132 minutes \ Black and White / Color \ 1.37:1, 1.54:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

United States \ 1930 \ 132 minutes \ Black and White / Color \ 1.37:1, 1.54:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

  • NEW 4K RESTORATION OF THE MAGNASCOPE ROAD-SHOW VERSION, with uncompressed monaural soundtrack
  • SDR / BT.709 PRESENTATION OF THE FILM
  • New interview with Robert Legato, the visual-effects supervisor for the Howard Hughes biopic The Aviator, on the groundbreaking aerial visuals of Hell's Angels
  • New interview with critic Farran Smith Nehme about actor Jean Harlow
  • Outtakes and rushes from the film, with commentary by Harlow biographer David Stenn
  • English subtitles for the deaf and hard of hearing
  • PLUS: An essay by author and journalist Fred Kaplan

Released: NOVEMBER 18, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)

画像3: 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

本作品は航空アクション映画の金字塔となったばかりか、初期のトーキーサウンドとカラーの使用、そしてマグナスコープ方式での上映作品としても知られている。当初無声映画としてスタートした本作品だが、トーキーの先駆けとなった『ジャズ・シンガー』が、本作品の主要撮影開始の数週間前に公開された。トーキー映画を求める世間の熱狂を呼んだことから、1年半後、ヒューズはトーキーへの変更を行っている。この一連の流れの中でヒューズは、台詞監督を兼ねたトーキー・シーンの演出を(のちに『フランケンシュタイン』を監督する)ジェームズ・ホエール、空中戦演出をエドマンド・グールディング(『グランド・ホテル』)に依頼している。また当初の主演女優であるノルウェー系アメリカ人のグレタ・ニッセンは、アクセントの問題で交代を余儀なくされ、後釜にはヒューズのエージェント、アーサー・ランドーの目に留まったジーン・ハロー(撮影当時18歳)が抜擢された。本作品は大部分を白黒撮影されているが、夜間の銃撃戦やツェッペリン飛行船を爆発ショットなど、ドラマチックな効果を出すためのカラーショットが編集されている。また2色分解式テクニカラーで撮影・現像された1シークエンスもあり、これはハーロウのキャリアで唯一のカラー映像となる。

画像4: 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

トーキーの時代が到来すると、各映画スタジオはサウンドに見合ったワイドスクリーン・プロセスを実践した。たとえばフォックス・フィルムのフォックス・グランディア、ワーナーのヴァイタスコープ、RKOのナチュラルビジョン、MGMのリアライフなどが競い合うことになったが、パラマウントが本作品の上映で使用したマグナスコープはいささか変わった方式であった。マグナスコープは1920年代に開発された特殊なズームレンズである。マグナスコープ専用プリントは存在せず、マグナスコープレンズを装着した映写機で35mmプリントを上映するだけである。事前に決められたキューシートが制作され、そのキューに応じて映写技師がマグナスコープレンズを動かして画面を拡大するのである。映像は徐々に大きくなり、全体の拡大率は通常の映像の約4倍ほどになる。劇場の黒マスクを拡大サイズまで稼動し(アスペクトは劇場によって異なるが)およそ1.63:1画角となる。必要なのはレンズをリアルタイムで瞬時に調整し、細心の注意を払える映写技師。そしてスクリーン上の光量を最大化するために、映写機に専用シャッターブレードを装備すること。パラマウントからの要望書を読むと面白い。そこにはこう書かれている。

画像5: 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

マグナスコープでの上映を想定して映画を製作する場合、演出家は作品のテーマをより吟味し、マグナスコープを使用す場面を慎重に選定する必要がある。マグナスコープレンズを開くと、徐々に拡大していくような錯覚が生じるため、劇場スクリーンのドローカーテンが開かれる時間も考えなくてはいけない。。小さな画面からマグナスコープへ切り替える際には、広々とした空間を演出し、最良の結果を保証する適切なシーンを選ぶ必要がある。

公式に認可されたマグナスコープ映画はどのくらいあったのだろうか? 1926年から1927年にかけてのパラマウント映画『戦艦くろがね号』『チャング 』『翼』などが挙げられているが(限定劇場でロードショー公開された『地獄の天使』を含めて)それ以降の記録は曖昧になっている。1930年代にワイドスクリーン方式が短期間のみ流行した後、マグナスコープは徐々に衰退したとされるが、1940年代後半に『ジェニイの肖像』など数タイトルが何らかの経緯で復活したのも興味深い。

画像4: 11月のクライテリオン『アイズ ワイド シャット 4K』『地獄の天使 4K』ほか【海外盤Blu-ray発売情報】

タイトル地獄の天使
1930
監督ハワード・ヒューズ エドマンド・グールディング(ノンクレジット)ジェイムズ・ホエール(ノンクレジット)
製作ハワード・ヒューズ
原作ハワード・エスタブルック ハリ・ベーン
脚本マーシャル・ニーラン ジョセフ・モンキュア・マーチ
撮影ガエタノ・ゴーディオ ハリー・ペリー E・ヴァートン・ステーン エルマー・ダイヤー ハリー・ゼック デュウェイ・リングレイ
音楽ヒューゴ・リーゼンフェルド
出演ベン・ライオン ジェームズ・ホール ジーン・ハーロウ ジョン・ダーロウ

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

病的な嫉妬とパラノイアを描いた問題作

スペインのシュルレアリスト、名匠ルイス・ブニュエルが、20年間のメキシコ亡命生活の間に監督した『エル』(1953/原題の『ÉL』はスペイン語で「彼」の意味)がUHD BLU-RAY化。原作はスペインの女流作家メルセデス・ピントが1926年に発表した同名小説。敬虔なカトリック信者で地元の名士であるフランシスコは、ある日のこと教会で見かけた女性グロリアに強く惹かれ、心を奪われてしまう。グロリアには婚約者ラウルがいたが、ふたりを引き離そうと策を講じ、彼女もフランシスコに魅了される。やがてふたりは結婚。時が経ち、ラウルはグロリアと再会するが、様子のおかしい彼女はフランシスコの本性を語り聞かせる・・・。夫の外見的な洗練さの裏に、異常と思える嫉妬心とパラノイアの深淵が隠されていることに気づいた妻の、破滅的で悪夢のような愛のドラマである。映画の前半はフランシスコの静かな視点から語られていくが、ブニュエルとルイス・アルコリサの脚本は巧妙に観客をグロリアの立場に立たせ、結末へと導いていく。ブニュエル・フィルモグラフィに共通する多くのテーマを扱っている本作品は、亡命中の監督作の中でもっとも倒錯的で不安を掻き立てる作品のひとつとされる、ブニュエル・メロドラマ最大の傑作である。

画像: Mexico \ 1953 \ 93 minutes \ Black & White \ 1.37:1 \ Spanish ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

Mexico \ 1953 \ 93 minutes \ Black & White \ 1.37:1 \ Spanish ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

  • NEW 4K RESTORATION, supervised by photographer Gabriel Figueroa Flores, director of photography Gabriel Figueroa's son, with uncompressed monaural soundtrack
  • SDR / BT.709 PRESENTATION OF THE FILM
  • New video essay on director Luis Buñuel by scholar Jordi Xifra
  • Appreciation by filmmaker Guillermo del Toro
  • Interview with Buñuel from 1981 by writer Jean-Claude Carrière, a longtime collaborator of the director's
  • Panel discussion from 2009, moderated by filmmaker José Luis Garci
  • Trailer
  • New English subtitle translation
  • PLUS: An essay by critic Fernanda Solórzano and an interview with Buñuel by critics José de la Colina and Tomás Pérez Turrent

Released: NOVEMBER 18, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)

画像6: 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

ブニュエルは本作品に自伝的な要素があることを認め、実妹の妄想性障害を患った夫のエピソードも脚本に取り入れている。だが当時のメキシコ映画の通例通り、極めて短期間で製作せねばならず、ブニュエルは自作リメイクを考えていたという。公開当時、本作品は批評面でも興行的にも期待外れとされたが、フランスの著名精神分析医ジャック・カランは本作品を高く評価、パリ大学などの学生向けのセミナーで上映するほどであった。近年、本作品の評価は著しく高まっており、2023年にはフランスの雑誌『カイエ・デュ・シネマ』による史上最高の映画100本の1本にも選ばれている。

これは私がもっとも自分自身を注ぎ込んだ映画かもしれない。主人公には私自身の何かがある。皮肉なことに、『エル』にメキシコらしさはまったくない。『エル』はただ、詩人のように生まれつきのパラノイアの肖像を描いた映画だ。ルイス・ブニュエル

画像: これは私がもっとも自分自身を注ぎ込んだ映画かもしれない。主人公には私自身の何かがある。皮肉なことに、『エル』にメキシコらしさはまったくない。『エル』はただ、詩人のように生まれつきのパラノイアの肖像を描いた映画だ。ルイス・ブニュエル
タイトルエル
1953
監督ルイス・ブニュエル
製作オスカー・ダンシジェール
原作メルセデス・ピント
脚本ルイス・ブニュエル ルイス・アルコリサ
撮影ガブリエル・フィゲロア
音楽ルイス・ヘルナンデス・ブレトン
出演アルトゥーロ・デ・コルドヴァ デリア・ゲルセス アウローラ・ワルケル

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

見てはいけない、愛

キューブリックは常に英国BBCラジオの熱心なリスナーだったという。1960年代初頭に初めて英国を訪れたキューブリックは、1961年の秋、連続ラジオドラマ『SHADOW ON THE SUN』を耳にした。それから30年後の1990年代初頭、『フルメタル・ジャケット』を終えたキューブリックは、新たなプロジェクトのひとつとして『SHADOW ON THE SUN』の映画化を構想している。『SHADOW ON THE SUN』は寒冷化した地球に突如出現した、耐寒性ウィリスを扱った近未来SFドラマだ。30年もの間、彼は断続的に『SHADOW ON THE SUN』について考察し、オリジナル脚本を読み込み、構想を練っていたという。だが結局、この構想を断念、『AI』(キューブリックの死後、スティーヴン・スピルバーグよって映画化)に取り組んだものの自ら破棄し、新たなプロジェクト『アイズ ワイド シャット』の製作に本腰を入れることとなる。

画像: United Kingdom, United States \ 1999 \ 159 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

United Kingdom, United States \ 1999 \ 159 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

原作はアルトゥール・シュニッツラーの短編小説『夢小説』(1926/aka.『夢奇譚』)。1968年、『2001年宇宙の旅』に続くプロジェクトを探していたキューブリックは、『夢小説』の映画化に興味を持ち、ジャーナリストのジェイ・コックスの協力を得て、小説の映画化権を買った。その後の10年間、キューブリックは『夢小説』をセックス・コメディとして映画化にすることを検討し、主演にスティーヴ・マーティンやウディ・アレンを想定していた。80年代になると、トム・ハンクス、ダスティン・ホフマンらの名前も挙がったが、そのまま棚上げされること26年。プロジェクトは1994年に復活。「男女関係はシュニッツラーの時代から大きく変わっていない」と確信していたキューブリックは、『ダーリング(オスカー受賞)』『遥か群衆を離れて』などの脚本家フレデリック・ラファエルを雇い、原作の舞台を20世紀初頭のウィーンから20世紀後半のニューヨークに変更して脚色している。舞台設定は変わったものの、ふたりは可能な限り原作に忠実に、性的強迫観念の「夢物語」を紡ぎ出した。

主人公のウィリアム・ハーフォード博士と、美術学芸員の妻アリス役に抜擢されたトム・クルーズとニコール・キッドマンという夫婦俳優にとって、本作品はスタアダムを駆け上がる作品ともなった。主要撮影は1996年11月に開始。ご存じのようにキューブリックの完全主義はすべてに渡って貫かれ、最終的に1998年6月にクランクアップした。ギネス世界記録は本作品を「15ヶ月以上、46週間の連続撮影を含む」最長の連続撮影映画として認定)。クランクアップ後、すぐにキューブリックは長期にわたるポストプロダクションに入り、1999年3月1日に主演のクルーズとキッドマン、ワーナーの幹部と完成試写を行っている。その6日後、キューブリックは公開を待たずして心臓発作で急逝、70年の生涯を閉じた。

画像2: ※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD

※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD

4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

  • NEW 4K RESTORATION OF THE INTERNATIONAL VERSION OF THE FILM, supervised and approved by director of photography Larry Smith, with 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
  • HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
  • New interviews with Smith, photographer and second-unit director Lisa Leone, and Stanley Kubrick archivist Georgina Orgill
  • Archival interview with Christiane Kubrick, director Stanley Kubrick's wife
  • Never Just a Dream (2019), featuring interviews with producer Jan Harlan; Katharina Kubrick, Stanley Kubrick's daughter; and Anthony Frewin, Kubrick's personal assistant
  • Lost Kubrick: The Unfinished Films of Stanley Kubrick (2007)
  • Kubrick Remembered (2014), featuring interviews with actors Todd Field and Leelee Sobieski and filmmaker Steven Spielberg
  • Kubrick's 1998 acceptance speech for the Directors Guild of America's D. W. Griffith Award
  • Press conference from 1999, featuring Harlan and actors Tom Cruise and Nicole Kidman
  • Teaser and trailers
  • English subtitles for the deaf and hard of hearing
  • PLUS: An essay by author Megan Abbott and a 1999 interview with actor Sydney Pollack

Released: NOVEMBER 25, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 3-DISC SET$39.95 USD(BLU-RAY 2-DISC

画像7: 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

撮影は『バリー・リンドン』や『シャイニング』で照明チーフや電気技師を務めたラリー・スミス。スミスは、基本的には自然光、またはランプやクリスマスツリーのライトなどのアヴェイラブルライト(その場にある灯り)で撮影。光量が不十分な場合は、中国製の提灯を使用して柔らかな光源操演を行うなど、必要に応じて人工照明を使用している。『バリー・リンドン』で使用したNASAのF0.7レンズを使うというアイデアも検討されたが、本作品の撮影スタイルには合わないと却下されている。本作品ではほとんどのショットを高感度フィルム(コダック 500T/EXR 5298)とツァイスのスーパー スピード Tl.3 球面単焦点レンズを用いて撮影されており、ラボでは2ステップの増感現像を行っている。当時、同じくコダックのVision 500Tが発売されたばかりだったが、一世代前のEXR 5298を使用したのは2ステップの増感現像に対応できたからだという(Vision 500Tは青味がかる)。

画像8: 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

セットが完成したら、私は現場に入り、照明を当てる。電気技師を呼んで、実演照明をすべて設置し、調光器を接続して必要な光量を調節できるようにする。こうしてすべてが整ったら、露出を変えて様々なテスト撮影に入る。テスト映像を見ながら、スタンリーは「あれはいい、あれはダメ」「こっちを試してみよう」「もう少しテスト撮影をしてみよう」などと要望する。よくあった要望は、「そのランプシェードの見た目が気に入らないので、色を変えよう」という類のものだった。このプロセスには常に調整の連続が必要で、それが撮影スケジュールを非常に長いものにした理由のひとつだ。単に照明を使用して特定の配色を実現するよりも、はるかにコストと時間のかかる撮影方法だったが、スタンリーはすべての撮影でそのように作業した。特定のセットやロケ地に戻って変更を加えることも恐れない。自分自身が満足していないフィルムは、1フレームたりとも見なかった。これはスタンリーが行ったほんの一部に過ぎないが、時間を惜しんで妥協して撮影されたものはひとつもない。お金を出して観客がスタンリー ・キューブリックの映画を見に行く価値はここにある。撮影監督ラリー・スミス

画像7: 11月のクライテリオン『アイズ ワイド シャット 4K』『地獄の天使 4K』ほか【海外盤Blu-ray発売情報】

クライテリオンは『アイズ ワイド シャット』に続くキューブリックUHD BLU-RAYとして、1961年監督作『ロリータ』を予定している。また(正式なアナウンスはないが)『非情の罠』『現金に体を張れ』もリリースする予定である。今後のアナウンスに注目されたい。

画像: セットが完成したら、私は現場に入り、照明を当てる。電気技師を呼んで、実演照明をすべて設置し、調光器を接続して必要な光量を調節できるようにする。こうしてすべてが整ったら、露出を変えて様々なテスト撮影に入る。テスト映像を見ながら、スタンリーは「あれはいい、あれはダメ」「こっちを試してみよう」「もう少しテスト撮影をしてみよう」などと要望する。よくあった要望は、「そのランプシェードの見た目が気に入らないので、色を変えよう」という類のものだった。このプロセスには常に調整の連続が必要で、それが撮影スケジュールを非常に長いものにした理由のひとつだ。単に照明を使用して特定の配色を実現するよりも、はるかにコストと時間のかかる撮影方法だったが、スタンリーはすべての撮影でそのように作業した。特定のセットやロケ地に戻って変更を加えることも恐れない。自分自身が満足していないフィルムは、1フレームたりとも見なかった。これはスタンリーが行ったほんの一部に過ぎないが、時間を惜しんで妥協して撮影されたものはひとつもない。お金を出して観客がスタンリー ・キューブリックの映画を見に行く価値はここにある。撮影監督ラリー・スミス
タイトルアイズ ワイド シャット
1999
監督スタンリー・キューブリック
製作スタンリー・キューブリック
製作総指揮ヤン・ハーラン
原作アルトゥール・シュニッツラー
脚本スタンリー・キューブリック フレデリック・ラファエル
撮影ラリー・スミス
音楽ジョスリン・プーク
出演トム・クルーズ ニコール・キッドマン シドニー・ポラック トッド・フィールド マリー・リチャードソン アラン・カミング マディソン・エジントン トーマス・ギブソン レイド・セルベッジア リーリー・ソビエスキー ヴィネッサ・ショウ

バックナンバー:世界映画Hakken伝 from HiVi
バックナンバー:2025年10月のクライテリオン

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