一般社団法人ミュージック・ペンクラブ・ジャパンでは、4月22日に同団体が選ぶ「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」の授賞式を開催した。

 この賞は、約130名の委員による投票で決定されるもので、日本でその年(今回は2024年)に公開、または発表された音楽会のプログラム、プロダクツを対象にしている。選考基準は「クラシック」「ポピュラー」「オーディオ」の3つに分けられており、潮 晴男さん、小原由夫さん、大橋伸太郎さんも選考委員を勤めている。

 式の冒頭、会長を勤める潮さんから同団体と今回の賞についての紹介が行われた。

画像: 潮さんはミュージック・ペンクラブ・ジャパンの会長も勤めている

潮さんはミュージック・ペンクラブ・ジャパンの会長も勤めている

 「ミュージック・ペンクラブ・ジャパンは1966年に設立された音楽執筆者協議会を母体とし、1994年に名称をミュージック・ペンクラブ・ジャパンに変更しました。音楽賞は1993年に誕生しています。

 この音楽賞のユニークなところは、3つの違ったジャンルで構成されていることです。世界的に見てもこういう賞はないと思います。会員によるノミネートを募り、ジャンルを超えて投票しています。とはいえ、我々がお渡しできるのは賞状と盾だけと実にシンプルで、豪華な副賞などはありません。私たちの心意気を持って帰っていただければと思います。

 音楽家にとって思想の自由は重要です。昨今は大国同士の問題もあり、自由と寛容を享受できないでたいへんな思いをしている方もたくさんいらっしゃると思うんです。皆さんの作品が、そういう人たちの励みにもなるように頑張っていただければと思います」(潮さん)

画像: 「ポピュラー」部門で受賞した「第11回 3.11 全音楽界による音楽会 チャリティコンサート」についてコメントをするおふたり。左がコシノジュンコさんで、右は湯川れい子さん

「ポピュラー」部門で受賞した「第11回 3.11 全音楽界による音楽会 チャリティコンサート」についてコメントをするおふたり。左がコシノジュンコさんで、右は湯川れい子さん

 そこで発表された今回の受賞内容は関連リンクを参照いただくとして、このうちオーディオ関連と受賞者のコメントは以下の通りだった。

●技術開発部門:マランツ「MODEL10」(プリメインアンプ)
 マランツブランドは1953年にアメリカ、ニューヨークで誕生したオーディオブランドでございます。今回賞をいただきましたプリメインアンプの「MODEL 10」は、創業70 周年を迎えて、マランツの音を再定義するために特別に開発されたモデルです。

 並々ならぬ思いと情熱と、エンジニアの気合や根性も含めまして、本来であれば2〜3年の開発期間をかけるものですが、このモデルに対しては5年以上の時間をかけまして、納得のいくモデルとして世に送り出すことができたと自負しております。

 デザインの部分についても、マランツとしての良さを踏襲しつつも現代の要素を取り入れた、新しいこれからのマランツデザインをリードするような商品になったかなと思っております。

 今回、このモデルの実現に貢献してくれたデザイナー、エンジニアと今回の受賞を一緒に喜びたいと思っております。今回、ミュージック・ペンクラブ音楽賞を受賞された各作品を、MODEL 10で再生していただければひじょうに嬉しく思います。(株式会社ディーアンドエムホールディングス 代表取締役 中川圭史さん)

画像: 「オーディオ」部門の受賞者と選考委員の方々。左からサエクコマース北澤さん、ディーアンドエムホールディングス中川さん、小原さん、潮さん、大橋さん、ディーアンドエムホールディングス尾形さん、同 高山さん

「オーディオ」部門の受賞者と選考委員の方々。左からサエクコマース北澤さん、ディーアンドエムホールディングス中川さん、小原さん、潮さん、大橋さん、ディーアンドエムホールディングス尾形さん、同 高山さん

●録音作品部門:坂本龍一/Opus(Blu-ray)
 この作品は、「教授」はもちろん、監督の空音央さん、録音・整音のZAKさんといった関わった方々すべてがこだわりまくった作品になっています。

 NHKの509スタジオという、「教授」がもっとも音がいいと話していた場所に8日間こもって収録しました。本作が「教授」の最後の作品ですが、そんな作品が受賞して、しかも録音ということが嬉しかったです。

 呼吸音が入っていたり、ペダルの音が大きかったりと、ノイズがめちゃめちゃ入っている作品で、お聞きになった方は最初はびっくりすると思うんです。その場にある音をすべて収録させていただいた、坂本龍一が存在した場所を極力収めた作品になっていますので、多くの方に時代を超えて届けて参りたいと思っております。

●功労賞:サエクコマース株式会社創立50年
 サエクは、まさにレコード全盛期の1974年に創業しました。レコードを再生するための装置を作ってきたのですが、最近は若い方を中心にレコード盤が見直されています。これはひじょうにありがたいことです。

 レコードはコピーされないメディアです。最近のデジタルメディアはどうしてもコピーされる可能性がありますが、それは伝達するという意味では重要かもしれませんが、一方でレコードはコピーができない。そしてひじょうに素晴らしい音を奏でることができる媒体です。

 ですから、我々はこれからもレコード再生を中心にして、皆さんにいい音を、いい音楽を楽しんでいただけるような装置を作っていきたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(サエクコマース株式会社 代表取締役 北澤慶太さん)

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