①「アポリア/ヨルシカ」96kHz/24ビット

②「SCOPE/Aimer」48kHz/24ビット

③「オトノケ - Otonoke/Creepy Nuts」48kHz/24ビット

④「傍若のカリスマ/UNISON SQUARE GARDEN」44.1kHz/16ビット

⑤「UN-APEX/TK from 凛として時雨」48kHz/24ビット

⑥「島人ぬ宝/ひーなー&かーなー」44.1kHz/16ビット

⑦「こまりわらい/近藤利樹」48kHz/24ビット

⑧「あんたなんて。/りりあ。」48kHz/24ビット

⑨「テレビアニメ『悪役令嬢転生おじさん』から「マツケンサンバⅡ」/グレイス=憲三郎」96kHz/24ビット

⑩「UNDEAD/YOASOBI」96kHz/24ビット

 

 

 ぼくのテーマは「試聴で使いたい最新アニメソング」だ。ちょっと無理があるだろうという声があるのは承知している。もちろん、オーディオ製品の試聴をこの10曲だけで済ませるつもりはなく、ぼくだって試聴ではきちんと録音されたクラシックやジャズなども聴く。要するに流行の楽曲のひとつとして、最新アニメソングを試聴に使う場合におすすめしたい曲を集めたと考えてほしい。

 アニメソングに限らないが、流行の人気曲は決して、オーディオ再生的な意味で高音質で録音されたものばかりではなく、スマホでカジュアルに再生して楽しめることを優先した作品も少なくない。

 ダイナミックレンジを圧縮して平均音圧を高め、パッと聴いて印象に残りやすい録音などがその代表例。たしかに録音品質として上等とは言いがたいし、ある種の優秀な性能を持つオーディオ機器で聴くと、録音の粗ばかりが目立ってしまうことがあるのは確か。だが、ぼくはどれだけ優秀でも、作品の粗探しばかりをするようなオーディオ機器は趣味のオーディオとして好ましいとは思わない。そういうところを確認するという意味でも、俗に言う“音の悪い曲”をいくつかリストアップしておくのも悪くない。

 ここでの選曲ではいかにもなアニメソングではなく、むしろアニメソングが包含するジャンルの多様さに気づいてもらえることを意識した。

 ラップ音楽を巧みに日本語の歌に解釈したCreepy Nutsは③に限らず人気だ。こうした韻を踏んだ歌唱は歌詞やニュアンスが再現できなければ途端に早口言葉に成り下がる。試聴ではそんなところをチェックする。①は民族音楽を思わせるテイストとつぶやくような歌声の抑揚感が聴きどころ。⑦⑧のフォークソング調の素朴な曲はアコースティック楽器や歌唱の質感がどこまでナチュラルに聴けるかを聴く。もちろん典型的なガチャガチャしやすい曲として⑩も添えておく。聴きづらくならず、楽しく鳴れば最高だ。

 

 

>総力特集!音楽はいい音で聴く。Qobuzのすべて【HiVi2025年春号】目次ページ はこちら

>本記事の掲載は『HiVi 2025年春号』

This article is a sponsored article by
''.