final（ファイナル）は、新しいヘッドホンのDXシリーズ第一弾となる「DX6000」の予約を開始、4月25日（金）に発売する。公式ストアでの価格は￥248,000（税込）。
DXシリーズは、これまでにない革新的なダイナミックドライバーの開発を軸とした新たなヘッドホンシリーズとのこと。その新設計ダイナミック型ドライバーユニット（DU）は、剛性が高く内部損失の大きなマグネシウム合金を振動板の材料として採用。それにより、分割振動と不要な共振が発生しにくくなっている。
今回のドライバーユニット開発では、エッジの開発に数年を要したとのことだ。一般的なエッジ材料では、ある特定の周波数帯域で共振が発生することを抑えられない。そこで同社では発泡シリコン樹脂を採用、エッジに厚みを持たせている。軽く柔らかく、同時に厚みを持った素材の採用によって、動きやすさと不要な共振が発生しないという、相反する問題を解決したそうだ。
またエッジ材料とマグネシウム振動板は、接着剤による貼り合わせではなく、金型内部にマグネシウム振動板を固定した状態で発泡シリコン素材を流し込んで一体成形している。これにより、振動板とエッジ間の接着剤の塗布量の違いによる個体差などの問題を解決した。
さらにDX6000では、コイルをドライバーユニットに直列に挿入する「トランジェントコイルシステム」を開発。これにより、振動系（振動板＋エッジ＋ボイスコイル）を軽量に保ったまま高域の音圧を下げ、エッジに柔軟で動きやすい素材を使うことで低いf0（最低共振周波数）を実現している。
もうひとつ、エンクロージャー内部でドライバーの前室と後室とをつなぐ「フリーエア構造」を採用し、従来の開放型ヘッドホンを超える音場感を実現。自然で広がりのある新しい音楽体験が可能とのことだ。
これらの技術が相互にバランスをとることで、開放的な音場感と必要十分な低音感を両立し、同時に、軽量な振動系により、鋭い音の立ち上がり・立ち下がり（トランジェント）を実現している。
こうして低い最低共振周波数（f0）を実現した結果、密閉度の低いイヤーパッドでも充分な低域再生が可能になった。そこでDX6000では和紙を使用した特殊な生地と通気性に優れた発泡体を採用したイヤーパッドが使われている。ヘッドバンド部にも同様の素材を採用し、湿気に強く、高い耐久性を実現した。
なおトランジェントコイルシステムを搭載したことにより、定格インピーダンスは47Ω@1kHzだが、20kHzではインピーダンスは480Ωまで上昇するとのこと。それもあり、DX6000はポータブル機器ではなく、ハイインピーダンスに対応する据え置きアンプの使用が推奨されている。
「DX6000」の主なスペック
●使用ドライバー：ダイナミック型
●感度：83dB/mW
●インピーダンス：47Ω（1kHz）
●コネクター：XLR
●ケーブル：OFCスリムケーブル（XLR）
●質量：363g
●筐体：マグネシウム合金
