①「C.P.E.バッハ:Sinfonia in G Major/ミナージ指揮アンサンブル・レゾナンツ」48kHz/24ビット
②「ハイドン:交響曲第66番/クルンプ指揮ハイデルベルク交響楽団」48kHz/24ビット※
③「モーツァルト:交響曲第39番/マナコルダ指揮カンマーアカデミー・ポツダム」44.1kHz/16ビット
④「モーツァルト:交響曲第35番《ハフナー》/ペルトコスキ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン」96kHz/24ビット
⑤「モーツァルト:交響曲第40番/ペルトコスキ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン」96kHz/24ビット
⑥「モーツァルト:交響曲第36番/ジェル・ド・ベー指揮サヴォア地方管弦楽団」96kHz/24ビット
⑦「モーツァルト:交響曲第36番/ミナージ指揮アンサンブル・レゾナンツ」96kHz/24ビット
⑧「ベートーヴェン:交響曲第7番/マナコルダ指揮カンマーアカデミー・ポツダム」96kHz/24ビット
⑨「メンデルスゾーン:交響曲第4番/マナコルダ指揮カンマーアカデミー・ポツダム」44.1kHz/16ビット
⑩「マーラー:交響曲第5番/クルンプ指揮バーデン=ヴュルテンブルク州立青少年管弦楽団」48kHz/24ビット
※②は筆者原稿入稿後、配信が終了しました(編集部)
溌剌と音楽を紡ぐ、ピリオド(古楽器)系のオーケストラ演奏を集めた。新世代のピリオド指揮者は、柔軟かつアグレッシブだ。その凄みと闊達さを聴こう。
①はC.P.E.バッハを得意とする伊リッカルド・ミナージが、ハンブルクの先鋭的な演奏団、アンサンブル・レゾナンツを振った。鮮鋭でエッジが立った快速演奏。
同じコンビの⑦モーツァルトも切れ味が鮮烈で、進行力が強い。低音部が雄大で、ピラミッド音調にて細部までクリアーに見渡せる。
②は独の中堅指揮者、ヨハネス・クルンプとピリオド系のハイデルベルク交響楽団のハイドン。俊速な快演だ。音質はディテイルまで鮮やか。音場も豊かで、倍音が宙を舞う(※)。
③⑧⑨伊アントネッロ・マナコルダが2010年からシェフを務めるベルリンのカンマーアカデミー・ポツダムはモダンとピリオド楽器の混在にて、バロックから現代まで巧みにこなす。
③は繊細で強靱、ハイスピード。音場は立体的な再現。マッシブで高解像度だ。
⑧は明晰、尖鋭。生命力が横溢する凄演であり、名録音だ。ティンパニの強打は衝撃的。
⑨は、独の作曲家が憧れた伊の高輝度を明瞭に再現。スマートで爽快だ。ウエットでグロッシーな音色も魅力。
④⑤は、2000年生まれのフィンランド人指揮者、タルモ・ペルトコスキが室内オーケストラの最高峰、独カンマーフィルハーモニー管弦楽団を振った。アグレッシブで、緩急の抑揚が鮮やか。快刀乱麻で、弾丸列車が宙を飛ぶ。音質も抜群。非常に細かな部分まで解像し、ニュアンスが鮮明。
⑤も抑揚の大きな、ハイスピードな躍動。レガートな中にも鮮鋭が潜む。
⑥は蘭ピーター=ジェル・ド・ベーが仏サヴォア地方管弦楽団を振った。素朴な味わいでピュアだ。サウンドは厚い。
⑩はピリオドではないが、特筆すべき名演。独ヨハネス・クルンプがバーデン=ヴュルテンブルク州立青少年管弦楽団を指揮した、若さ溢れるヴィヴィッドなマーラー。強力に進行し、フィナーレは驚速だ。オケのテクニックも驚異的。
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