アクシスでは、Fyne Audio(ファイン・オーディオ)の新製品スピーカー「F500S」(¥178,000、ペア)の販売を2025年3月からスタートする。ファイン・オーディオのデビュー作として2017年にリリースされ、世界的大ヒットを遂げた「F500」の後継機だ。本体カラーはナチュラルウォールナット、ブラックオーク、ピアノグロス・ブラックを準備する。

第一の特徴はISOFLARE(アイソフレアー)ポイントソース・ドライバーで、F500Sでは1インチ・コンプレッションドライバー+6インチ(150mm)ウーファーの同軸型を採用。同軸ユニットの利点である優れた位相特性を生かしながら、従来の常識を超えるワイドな指向特性を実現している。
コンプレッションドライバーのホーン開口曲面と、ウーファー振動板の曲面を複合解析し、高域エネルギーが広角で拡散する絶妙なカーブを導き出すことによって、一般的に高域の鋭い指向性が起きやすい同軸構成の欠点を根底から解消している。
コンプレッションドライバーの振動板には、上位シリーズと同じプレミアムマグネシウム製ドーム型を採用。高域固有共振を可聴帯域外の30kHz以上に、そして低域共振をクロスオーバー周波数の遥か下方に追いやり、中低域とのつながりが自然な、ナチュラルな高域特性を実現している。
低域用のウーファーは、マルチファイバーペーパー・コーンによる振動板に、特殊な溝加工を施した FYNEFLUTE(ファインフルート)エッジを組み合わせた独自の構成で、エッジに起因する固有共振を効果的に抑制。高剛性アルミニウムダイキャスト製のフレームの採用とあいまって、不要な振動を排除したクリアーで精緻なトランジェントを実現している。

ISOFLARE(アイソフレアー)ポイントソース・ドライバーの断面図
キャビネット下側四隅には、BassTrax(ベース・トラックス)の低域放射用の開口部を装備。これはファイン・オーディオの特許技術で、下向きに取り付けられたバスレフポートに、Tractrixプロファイルと呼ばれる亜円錐状のディフューザーを取り付け、ポートから発した超低音を水平360度に放射するもの。F500Sでは、このディフューザーを台座にマウントし、開口部はキャビネットと一体化させることで、安定性を高め、威力をさらに強力なものとしている。
「F500S」の主なスペック
●形式:2ウェイ1スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:25mmマグネシウムドーム型コンプレッションドライバー+150mmコーン型ウーファー・同軸
●感度:89dB/2.83V/m
●インピーダンス:8Ω
●再生周波数特性(-6dB typical in room):45Hz〜34kHz
●クロスオーバー周波数:1.7kHz
●寸法/質量:W204✕H325✕D317mm/9.0kg