映画『ありきたりな言葉じゃなくて』の公開を記念した舞台挨拶が12月21日(土)、新宿シネマカリテで行なわれ、主演・前原滉、ヒロインを演じた小西桜子、共演の内田慈、そして渡邉崇監督らが登壇した。
本作は、テレビ朝日のグループ会社として、報道情報番組やバラエティ番組を数多く手掛けているテレビ朝日映像が発足させた『映画プロジェクト』発の、オリジナルの初長編作。
とある実話をベースにした展開で、前原は脚本家になる夢を叶えた直後、偶然に出会った“彼女”(小西)によってどん底に落とされる藤田拓也を、小西はその謎の“彼女”りえを、内田は拓也の良き理解者である先輩・京子を、それぞれ演じている。
映画を観終えたばかりの観客の温かい拍手に迎えられて登壇したキャスト陣。まず前原が、「撮影していたのが去年で、年齢を感じさせる言葉ですが(苦笑)、『一年って早いな』と思いました。遠いような近いような不思議な感覚です」と心境を語った。
小西は「こうやって公開して、みなさんに劇場に足を運んでいただいて、満席の客席を見られるのが1年前を思い返すとすごくありがたいことですし、当たり前じゃないなって思います。ありがとうございます」と満面の笑みで語る。
渡邉監督は、ちょうど1年前の今ぐらいの時期は「中華料理屋のシーンを撮っていたくらいですかね」、撮影も終盤を迎えた頃のことを懐かしそうに振り返りつつ、「(初日の)2024年12月20日を目標にやってきて、(公開を迎えて)すごくホッとするのかなと思ったら、意外とまた欲が出てきて、ここからスタートで、どこまでたくさんの人に観ていただけるか? 一人でも多くの人に観てほしいという新しい気持ちで今日を迎えられて嬉しいです」と、作品の広がりへの期待を口にしていた。
主演の前原は当初、オファーを断っていたそうで、「当時“主演”というものへの考え方、作品との関わり方に関して、『作品を背負う』ということが自分の中でうまくバランスが取れなくて、その状態でお受けすると失礼な気がして、引っかかってしまっているので、マネージャーさんにも『お断りしませんか?』という話をしていたんです」と意外な告白。しかし、「渡邉さんやプロデューサーさんが、熱意をもってお話しをしに来てくださって『一緒にやりたいんです』と言ってくださり、その熱意に後押しされる形で『わかりました。じゃあ、やります』というのが始まりでした」と、出演を決めた経緯を振り返っていた。
舞台挨拶の最後には、まず渡邉監督からは、「難しいテーマだったりするところをみなさんが汲んでくださって、白黒ハッキリしないところも、曖昧な、にじんだような色であっても、それはひとつの正解なんじゃないか? と話し合った末に、みんなで作った大切な作品です。素直な気持ちで作れたものなので、少しでも広がっていくようにご協力をいただけたらと思います」。
内田は「テーマ的にもなかなか言葉にしづらい作品ですが、みなさん中で、なにか種みたいになったら嬉しいです」。
小西は「まだまだ公開が始まったばかりなので、たくさん広めていただけたら嬉しいです。ありがとうございました」。
前原は「足を運んでいただいてありがとうございます。みなさんのSNSの感想を見漁りたいと思いますので、ぜひ書いていただけたらと思います。それが結果、映画が広がることになるので、『観たいな』という気持ちが広がっていけばいいなと思います」と、登壇者それぞれのコメントを以て終幕となった。
映画『ありきたりな言葉じゃなくて』
公開中
出演:前原滉、小西桜子、内田慈、奥野瑛太 他
脚本・監督:渡邉崇 原案・脚本:栗田智也
エグゼクティブプロデューサー:若林邦彦 プロデューサー:丸山佳夫
企画:陣代適 キャスティングプロデューサー:山口良子
撮影:長﨑太資 照明:後閑健太 録音:山口満大 音楽:小川明夏、加藤久貴
スチール:柴崎まどか
製作:テレビ朝日映像 制作プロダクション:テレビ朝日映像
配給:ラビットハウス 宣伝:ブラウニー
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