アクシスは、アメリカMSB Technologyの新製品「Cascade DAC」(¥17,800,000、税別)の輸入を開始する。外装仕上げはマットブラックまたはマットシルバーで、11月のリリースを予定している。
Cascade DACは、これまでのDACアーキテクチャーの基礎を根本から見直し、変換プロセスと機能を3つの独立したシャーシに分割した。
まず、電気的にノイズの多いすべてのデジタル入力と信号処理、そしてインターフェイスを「Digital Director」に集中させ、次にD/A変換を含むすべてのエレクトロニクス回路を「Analog Converter」に収容。最後にアナログ電源を「Powerbase」に格納している。
Digital Directorは、新しい高度なアルゴリズムによって、ほぼすべてのデジタルフォーマットを識別し、構成・処理を行う。低ノイズのリニア電源、洗練されたユーザーコントロールシステム、視認性の高い LED ディスプレイ、そしてプラグイン式のデジタル入力モジュールを備える。
ここで処理されたデジタルオーディオ信号は、超高精度、超高速、超低ジッターの赤外線レーザー光による「Cascade-Link」を介してAnalog Converterに送られる。これによって、デジタルドメインとアナログドメインとの間にデジタル干渉のない完全なアイソレーションが図られ、かつオーディオシステム内のどこにでもDigital Directorを配置できる設置の自由さを獲得している。
続くAnalog ConverterはCascade DACの心臓部に当たるアイテムという。8基のハイブリッド DAC MKIIモジュール、Femto 33 MKIIIクロック、パッシブアナログステージ、出力インピーダンス75Ωのボリュウムコントロールを備えている。
ハイブリッドDAC MkIIモジュールでは、すべての音楽ファイル、データ形式から最大の解像度を引き出すために、超高精度のディスクリート・ラダーDACアーキテクチャーによって、元のパフォーマンスの音楽性、サウンドステージ、テクスチャーを余すところなく再現する。
Femto Clock MKIIIは、Cascade DAC で最高のパフォーマンスを発揮するように最適化された。厳密に調整されたふたつの超低位相ノイズのオーブン水晶発振器の搭載によって、44.1/48kHzのサンプリング周波数でジッターがこれまででもっとも低くなっているという。独自のオンボード・クロックモジュール・アーキテクチャーは、将来的なアップグレードも可能だ。
PowerbaseはAnalog Converter用の電源部で、PCや照明、家電製品からの干渉を削減する内部ACフィルタリング回路を搭載。電源トランスは、電気的および磁気的にシールドされた3つの高VAカスタム巻線タイプを採用する。また、スイスのフィッシャー・コネクター社と協力して開発されたSummitケーブルを採用し、PowerbaseとAnalog Converter間の最高品質の接続を実現している。
「The Cascade DAC」の主なスペック
●接続端子:
・Digital Director=デジタル音声入力3系統(同軸、光、BNC)※他に拡張スロット3口あり
・Analog Converter=アナログ入力4系統(XLR✕2、RCA✕2)、アナログ出力1系統(XLR、ボリュウムコントロール機構内蔵)
●オプションスロット(別売):
・Optical&Coax S/PDIFデジタル入力(Word-Sync BNC Output付)
・AES/EBU デジタル入力(Word-Sync BNC Output付)
・Pro ISL 光デジタル入力
・Quad DSD&MQA USBデジタル入力
・Network Renderer V2デジタル入力
●対応デジタル信号:
・同軸、光、AES/EBU=192kHz/24ビット、DSD(DoP)
・Quad DSD&MQA USB=24/384kHz/24ビット、DSD(DoP)、DSD(Native)
・Network Renderer V2=768kHz/32ビット、DSD(DoP)、DSD(Native)
・PRO USB(外付)+PRO ISL=768kHz/24ビット、DSD(DoP)、DSD(Native)
※MAC OSXではDSDはDoPのみ
●寸法/質量:各W444.5✕H79.4(スタック時H216)✕D393.7mm/Director13.7kg、DAC14.5kg、電源16.5kg