（一社）放送サービス高度化推進協会（以下、A-PAB）は本日6月18日、紀尾井町の千代田放送会館で会見を開き、昨年開始した「スゴいぞ、4K・8Kキャンペーン」の一環として開催した「A-PAB 4K番組アワード」の授賞式を実施し、各部門最優秀作品・優秀作品、および全部門を通じたグランプリ作品を発表した。
また、来週6月22日より実施する、NHKおよびBS民放5社（BS日テレ・BS朝日・BS-TBS・BSテレ東・BSフジ）による「BS4K8K衛星放送を見ようよ！」共同キャンペーンで放送される特番の紹介も行なわれた。
さて、冒頭に開会の挨拶をした、A-PAB理事長 相子宏之氏は、「メディアやサービスが多様化する中においても、コンテンツを楽しむ上で“高画質化”というキーワードは、これまで同様にとても重要なものです」とにこやかに挨拶。「そのため、4Kコンテンツのよさを改めて見直すべく、今年初めより進めてきた4K番組アワードの受賞作品を本日発表します。対応機器の普及台数も2000万台を超え、（4K8Kの）コンテンツも充実してきております。今後とも記者の皆様には、番組の素晴らしさをお伝えいただけるように、力添え、お願いします」とコメントしていた。
その4K番組アワードの審査員を務めたのは下記の4名であり、評価基準としたのは、没入感・独創性・必然性・完成度・可能性の5項目になるという。
内山 隆（審査委員長）
長谷川朋子
諸石治之
阿部浩二
●グランプリ作品
WOWOW「連続ドラマW フィクサー Season 1」（ドラマ部門最優秀作品 同時受賞）
●短篇映像部門
＜最優秀作品＞
関西テレビ放送「つくるということ」
＜優秀作品＞
NHK・NHKエデュケーショナル「美の壺 時をつなぐ橋」
ZTV 伊勢放送局「壮観劇場「伊勢・熊野 魂の巡礼」」
日本デジタル配信「日本に恋しよう！ピース・ニッポン シーズン2 #1 美しい日本の四季」
BSテレビ東京「炎‐ＨＯＭＵＲＡ‐」
広域高速ネット二九六「KIOKUGAMI～日本の記憶を呼び起こす和紙アート～」
●ライブ・エンターテインメント部門
＜最優秀作品＞
NHK・NHKグローバルメディア「大迫力！長岡の大花火２０２２ スペシャルライブ」
＜優秀作品＞
WOWOW「NODA･MAP「兎、波を走る」作・演出 野田秀樹」
BSテレビ東京「東急ジルベスターコンサート ２０２３ー２０２４」
BSフジ「辻井伸行×アイスランド～継がれゆく音楽の絆～」
BS日本「鮨録」
BS-TBS「ヒロシのぼっちキャンプ」
●紀行・ドキュメンタリー部門
＜最優秀作品＞
BSフジ「令和の法隆寺～千四百年の伝承と聖徳太子の残響～」
＜優秀作品＞
WOWOW「ドキュメンタリーシリーズWHO I AMパラリンピック 小田凱人（日本／車いすテニス）」
NHK・NHKエンタープライズ「地球トラベラー グレートヒマラヤトレイル 日本人が愛した山 マナスル」
BSテレビ東京「秘境黒部百年物語～未来へ紡ぐ守り人たち～」
信越放送「時を越える谷 4Kカメラでつづる木曽の１年」
BS朝日「鉄道・絶景の旅スペシャル 解禁！新ルート完全走破 紅葉と新雪の立山黒部」
●ドラマ部門
＜最優秀作品＞
WOWOW「連続ドラマW フィクサー Season 1」
＜優秀作品＞
BSテレビ東京「土曜ドラマ９「たそがれ優作」
BS日本「BS笑点ドラマスペシャル 桂歌丸」
NHK・NHKエンタープライズ 「浮世の画家」
J:COM、日本映画放送 「三屋清左衛門残日録 ふたたび咲く花」
テレビ大阪「地球の歩き方」
グランプリ、およびドラマ部門の最優秀作品を受賞したWOWOW「連続ドラマW フィクサー Season 1」の村松プロデューサーは、「物事・人の裏表をテーマにした作品であり、映像の明暗・コントラストにこだわって作ったので、それが評価されたことはうれしい」と喜びをコメントしていた。また、「今日は、他の受賞作も見させていただきましたけど、やはり4K番組は没入感がすごいなって改めて感じました。これからもよい番組を作っていきたい」と意気込みを披露していた。
なお、授賞式のラストには、グランプリ作・WOWOW「連続ドラマW フィクサー」に出演の内田有紀がゲストで登壇。曰く、WOWOWドラマに出演する際には、スタッフのより高いクォリティの作品を送り出そうという真剣な想いを受け、「常に緊張感をもって立ち向かわなければならない」という気持ちで現場に臨んでいるといい、「息もつけないほどの緊張感の中で撮影に臨んでいます。そういった作品が皆さんに届いて（評価されて）感謝しています」と感謝の気持ちをコメント。「演者がみな本気でぶつかっているので、私も気が抜けないと思いながら毎日、まさに戦いに挑むような感じで撮影は進んでいました」と現場の雰囲気を述懐していた。
さて、会の後半は、NHKおよびBS民放５社「BS4K8K衛星放送で見ようよ！」共同キャンペーンの紹介が行なわれた。6月22日（土）から30日（日）までの9日間にわたって、局をまたいだリレー形式で、豪華特番が順次オンエアされていく。
●「BS4K8K衛星放送で見ようよ！」キャンペーン番組一覧
・6/22（土）20:00～ BSフジ4K 「皇室のみやび 皇居三の丸尚蔵館の名宝」
・6/23（日）18:45～ NHK BSP4K 「BS時代劇 大岡越前7」
・6/25（火）19:00～ BSテレ東4K 「ローカル線よくばり絶景旅」
・6/26（水）20:00～ BS日テレ4K 「昭和名曲歌マネ歌謡祭」
・6/27（木）21:00～ BS朝日4K 「あなたの知らない京都旅」
・6/29（土）19:00～ BS-TBS4K 「麺鉄 メン食い鉄道絶景の旅 新緑の中国地方」
・6/30（日）19:00～ NHK BS8K 「究極ガイド 2時間でまわる浅草寺」
こちらでも、番組紹介の後に、さきほど登壇したゲストの内田氏が再登場。実際に4K番組に出演しての感想を語っていた。曰く、「4Kの映像だと、役者の表情に出る、感情が高ぶった際の目の充血（？）や、ほほの微かな震えなどが詳細に映るんです。そうした役者が感情移入した時の魂が映し出されるのは、演じる側としてはひじょうに助かっています」と、高精細な映像で感情の機微までを感じてもらえる4Kの魅力についてコメントしていた。
ちなみに、自身（内田）は、歴史的な建築物の映像を見るのが好きだそうで、4Kだと室内の装飾や外壁の作りなど、細部の作り込み（ディテイル）が見られて「楽しい」と、4K番組を評していた。
