「無限のプール」とは何ぞや? と調べてみたら、けっこうメジャーな言葉であることがわかった。「外縁が海などのより大規模な水や空と混じり合い境目がわからないように見えるよう設計され~」とか「プールの縁を作らずに無限に続くような水の絶景などなど。いくつかの写真もウェブで見たが、まさに絶景であるとともに、こういう風景が出てくる生活を自分が送るにはあと何回生まれ変わらなければいけないのかとも思った。
そこでこの映画だが、舞台は美しいリゾート地“リ・トルカ島”。セレブでハイソなひとたちがずらりと集まり、ぜいたくなパーティを繰り広げる。そこにやってきたのが作家のジェームズという男(アレクサンダー・スカルスガルドが扮する)。近年はスランプ気味とはいえ、まだまだ名声は保っている。そんな彼を怪しい世界に誘い込むのが、ガビという女性。あの『Pearlパール』のミア・ゴスが扮しているということもあり、こちらのハードルはあがりっぱなしだが、もちろんミア・ゴスはミア・ゴスだけあって、ありあまる期待に応えてくれること間違いなし。
そして、製作を手掛けたのは『パラサイト 半地下の家族』の配給会社NEON。監督はデヴィッド・クローネンバーグを父に持つブランドン・クローネンバーグ。ひとくせもふたくせもある面々が、「観光客はどんな犯罪を起こしても大金を払えば自分のクローンを作ることができ、そのクローンを身代わりとして死刑に処すことで罪を免れることができる」という筋書きを表現したとき、どんな化学反応が起きるのか。我々にできることは、目を皿にして、耳をタコにして、作品にぶつかることのみだ。
映画『インフィニティ・プール』
4月5日(金)新宿ピカデリー、池袋HUMAXシネマズ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:ブランドン・クローネンバーグ 製作:NEON
出演:アレクサンダー・スカルスガルド、ミア・ゴス、クレオパトラ・コールマン、トーマス・クレッチマン、ジャリル・レスペール
2023年/カナダ・クロアチア・ハンガリー合作/英語/118分/R18+/原題:Infinity Pool
日本語字幕:城誠子/配給:トランスフォーマー
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