映画『18歳のおとなたち』が、3月1日(金)からTOHOシネマズ 新宿ほか全国55館で公開中。TOHOシネマズ 新宿で開催した初日舞台挨拶はチケット即完、満員御礼の盛況ぶり。ファンの要望に応えて、3月3日(日)TOHOシネマズ 川崎にて、追加舞台挨拶が開催された。
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 この日は、舞台挨拶に初めて登壇した雛形あきこの「撮影の裏話」からスタート。

 スイ(三原羽衣)の母親を演じた雛形は、「私の出番が後半だったこともあり、撮影も進んでいて皆さんのチームワークが出来上がっていたところへ参加させていただいたので、安心して飛び込んでいける現場でした。また、自分の演じる役がちょっとダメなお母さんだったので、年齢が近くて若いチームにちょっと距離があるお母さんみたいな感じで入れたのも逆にリアルだったかな、と思いました」と、撮影秘話を語った。

 一方、雛形の娘役スイを演じた三原羽衣は「お母さんとカフェに向かうシーンがあったんですけど、その道中、いちご大福を売っているお店があって思わず『いちご大福おいしそう』って言いながら歩いていたんですね。その後カフェでのシーンの撮影も無事に終わって、雛形さんも帰宅されたと思ったら、そのいちご大福をわざわざ買ってきてくれて差し入れをしてくださって『うわー、ママだ!』と思って、すごく嬉しかったです。」と、雛形の優しさに感激していた。

 このエピソードに雛形は「あれは私も食べたかったんですよ。2人とも黙って歩いているシーンで、会話もなくまだ距離がすごくあるシーンだったんですけど、2人ともいちご大福の大きな看板を見て、同じ気持ちで歩いていたのかもしれませんね。」と照れていた。

 続いて久田莉子から主演の兵頭功海について撮影前の裏話が。「クランクインする前に稽古があって、あと1週間ぐらいで撮影入るっていう日にスイちゃんがお仕事で来れなくて、みんな心のなかで不安だなって思ってました。その時に兵頭くんが『良かったらこの後、ちょっとだけご飯に行きながら話しませんか』と言ってくださったんです。そして黒田くんと3人でランチに行って、オムライスを食べながら芝居について、こうかな? こうかな? って話をしてたんです。そしたら兵頭くんが『ちょっとごめん。トイレ行ってくるわ』と席を外して、戻ってから、みんなも後の仕事があるからお会計しようってレジに行ったんです。そしたら『お会計はお済みです』と言われて、最初は訳が分からなかったんですけど、それが兵頭くんだと分かって、すごいスマートだなって思いました。」

 この話に主演の兵頭は、「マコトは人との距離感がバグってて、普通だったら壁を作ってしまいそうな時も壁がなくって、いきなりゼロの距離で人と話せる人なのかなと思いました。だから本読みや現場でも人との距離感はなくしていこうと思って、なるべくフレンドリーにしていました」と、撮影現場で気をつけていたことを明かした。

 その発言に反応したのは、マコトの幼馴染役を演じた黒田昊夢。「一番最初に会った時、めっちゃ身長が高くて眼鏡かけてすごい大人しくしてたんですよ。それで(俺、この人とうまくいけるかな)と思ってたら、俺の所にきて『これからよろしくね』って握手してきたんです。皆んないる中で俺のことだけまっすぐ見てきてくれたんです。それが嬉しくて(俺この人となら大丈夫だ)って思って、座長の魂を感じました。」と、兵頭との初対面を回想し、嬉しかったことを打ち明けた。

 そして、話は初めて台本を読んだ時の感想へ。娘と18年ぶりに再会する母を演じた雛形は、「私が演じたお母さんはもしかしたらお話の中に出てくる誰よりも子供なんじゃないかと感じました。年は取っているんですけど精神的に成長できてない大人というか、必ずしも年をとっていることだけが大人になるわけじゃなく、10代でも20代でも大人の人は大人だし、大人の定義って難しいなと考えさせられる台本でした」。

 一方で、娘を演じた三原は「私の母は愛情たっぷりに育ててくれた母親で、今でも心配性過ぎて毎日ビデオ通話がかかってくるぐらいなんですけど。台本を見たら真逆で、スイのお母さんって私を置いて出て行ってしまった人というのもあって、カフェで18年ぶりに再会するシーンを読んだ時にすごい心苦しいというか辛くなりました。私との違いがあったので、そこをうまく演じなきゃって思いました」。

 また、引きこもりの息子を持つ母を演じた金子みひろは「18歳の息子がいる母親役は初めてでした。しかも引きこもりの母ということで、想像がつかなくって。実際に自分の母親に反抗期について聞いてみました。いっぱい迷惑をかけてたし、悲しい思いもさせてたと思うんだけど、どうだった? と聞いたら『子供はそういうもんだからね』とあっけらかんとした答えが返ってきました。それを参考にして、自分自身もちょっとどっしり構えた余裕のある母を演じてみました」と、撮影前の役作りについて、自身の母とのエピソードを話した。

 実話を元にした作品というで、ナツミ役について佐藤監督の狙いも明らかに。

 「ナツミは教育委員会の新米職員という役どころなんですけど、裏設定的には元々教師だったみたいなところがあったのですが、大人ってなんだろうみたいな定義を、良い意味で分かりづらくしたいなと思ってキャラをつけました。ほぼ大学生というか、若い教育実習の先生みたいな。でも先生だから引っ張っていかなきゃいけない、だから頑張るんだけど本人も未熟だから、もがいていくっていうその感じが面白いなって思っていました」。

 監督の狙いにナツミ役を演じた久田莉子は、「みんなをまとめる役が初めてだったのと、私自身末っ子でずっと誰かに甘えながら生きてきたので、引っ張っていけるかなって不安がありました。台本を読んだ時はすごい緊張しました。」と、難しい役どころに初めて挑戦したことを明かした。

 舞台挨拶の最後に、キャストを代表して主演の兵頭が挨拶。

 「この前、ある女優さんが親から『年相応の生き方をしなさい』と言われた話をしているのを見ました。その年齢は『人生に1年しかないからその年にあった自分らしく生きなさい』という話で、それを意識して生きていると仰ってました。僕は今25歳で、10代の頃から今もなんですが、大人って何かよく分からないです。だから自分らしく、素直に、生きていけたらいいなってふと思ったんです。舞台挨拶をしていて、僕が演じたマコトもそういう人なのかなって思いました。映画を見た人が自分の人生に置き換えて、自分のやりたいことに挑戦したり、いつまでも自分らしく生きてほしいなと思います。今日はありがとうございました」。

 という言葉を以て、追加舞台挨拶は終了した。

映画『18歳のおとなたち』

2024年3月1日(金) TOHOシネマズ 新宿 ほか 絶賛公開中!

【STORY】
家庭に問題を抱え、18歳で少年院を出たマコトを迎えに来たのは、見ず知らずの教職員だった。
「荒れた成人式の実行委員会になってほしい」と言われて、最初は断るマコトだったが、子どもの頃の夢を思い出し、映画を作れるならと実行委員を承諾する。
引きこもりのカケル、インフルエンサーのスイら同級生と共に、勢いだけで素人集団の映画制作に乗り出すのだが、主役が行方不明に…。大人と子どもの狭間で、様々なトラブルとリスクに直面しながらも、夢に向かい成長していく、実話を元に描いた感動の青春ストーリー。

<出演>
兵頭功海 三原羽衣 黒田昊夢 久田莉子 黒田アーサー 金子みひろ 阿部亮平 デビット伊東 中島知子 雛形あきこ

<スタッフ>
監督:佐藤周 脚本:磐木大 製作:千田幸博 プロデューサー:木谷真規 主題歌「ぎんいろをふりまきながら」四月の魚(作詞:福留瞬 作曲:吉村彰一 歌:サブリナ) 宣伝プロモーション:橋加那子 西村雄大 渡邊彩那 企画制作:エクセリング 宣伝配給:レイワジャパン 配給協力:Santa Barbara Pictures
【2023年/日本/88分/カラー/ビスタサイズ/2KDCP/ステレオ】
(C)ゴールデンシネマ

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