オーディオビジュアルの専門誌として、昨年2023年12月に40周年を迎えたHiViが主催する「HiViグランプリ」。同賞は、その年のAV界を牽引した優秀製品を選定するビッグイベントであり、業界でもっとも権威がある年間アウォードとして定着した催しとなっている。
39回目の開催となったHiViグランプリ2023は、昨年10月31日に選考会を開催し、〔ゴールド・アウォード〕を始めとする三賞、部門賞、特別賞を決定した。その詳細は、HiVi2024年冬号、あるいは、ステレオサウンドオンラインでお伝えした通りだ。また、例年であれば、ステレオサウンドグランプリともに、記念盾を贈る授賞式を開催し、その栄誉を称えるところであるが、感染症予防の観点から、昨年同様にこれを中止している。
ただし、HiViグランプリの〔ゴールド・アウォード〕製品、つまりデノンのAVセンターAVC-A1Hに関しては、年間最高賞の受賞盾を直接お渡ししたいとの考えから、感染症予防対策を万全に行なったうえで、選考委員長の麻倉怜士氏ならびにHiVi編集部の最少体制で、昨日(2024年1月29日)、株式会社ディーアンドエムホールディングスを訪問し、デノン/マランツブランドでHiViグランプリを受賞した4製品の記念盾を授与した。ここでその様子をご紹介したい。
デノンのAVセンターAVC-A1Hほかの授賞に対し、麻倉委員長からは選考の経緯ならびに以下のような所感が述べられた。
「その年に発売されたオーディオビジュアル製品の最高製品を決めるのが、HiViグランプリです。〔ゴールド・アウォード〕はそうした最高の製品たちの中から、もっとも優れた製品、つまり最高の中から最高を決めるという賞となります。
今回のHiViグランプリでは、デノンとマランツという2つのブランドを擁するD&Mホールディングスが送り出した製品、デノンのAVC-A1Hが〔ゴールド・アウォード〕を、マランツのAV10+AMP10がそれに次ぐ〔シルバー・アウォード〕に見事選出されました。同一グループの同じジャンルの製品が、いわばワンツーフィニッシュを成し遂げたわけです。
39回を数える長いHiViグランプリの歴史の中でもこの偉業ははじめてのこととなります。加えて、AVセンター部門賞ではマランツのCINEMA 40が、デジタルオーディオコンポーネント部門賞ではデノンのDNP-2000NEが選出され、合計で4製品の受賞と相成りました。これは見事な成果といえます。
AVC-A1HとAV10+AMP10に話しを絞りますと、AVセンター自身の重要性が近年高まっている背景、すなわち家庭内のハイエンドなエンターテイメントの中心に高度なAVセンターがあるべきだという昨今の流れが反映しているともいえます。
しかも、AVC-A1Hの<エンターテイメント性を極めた結果>とAV10+AMP10の<ピュアオーディオ的アプローチでのサラウンド再生を突き詰めた結果>という、2つのブランドの方向性を的確かつ誠実に音づくり/製品づくりに盛り込んだ成果とも評価できるわけです。本当におめでとうございました」(麻倉怜士 選考委員長)
HiViグランプリの最高賞を始めとする4つの盾を受け取った同社の岡田一馬氏(株式会社ディーアンドエムホールディングス アジアパシフィック コマーシャル・オペレーションズ ヴァイスプレジデント)からは次のような喜びのコメントがあった。
「HiViグランプリの最高賞である〔ゴールド・アウォード〕をデノンブランドのAVC-A1Hが、さらには〔シルバー・アウォード〕をマランツブランドのAV10+AMP10というふたつのオーディオ製品が受賞することができ、わたくしだけでなく、製品開発に関わったエンジニアや販売/販促スタッフ、生産を担う白河オーディオワークスなどD&Mグループ全社員が本当に喜んでおり、また誇らしくも感じています。
麻倉選考委員長の講評の中で<デノンとマランツの音づくり、製品開発の方向性>についてのコメントがございましたが、われわれが目指していることを、私たち自身よりもはるかに適切に表現してくださり、その点にも大いに感激いたしました。今回のHiViグランプリでは、われわれが持つ技術や経験のすべてを盛り込んだ製品群が、たいへん高い評価をいただき、本当に嬉しいばかりです」(岡田一馬氏)
感染対策の都合で最小人数での授与式とはなったが、岡田氏や製品広報のご担当者たちから喜びの声や製品に対するこだわり、HiViグランプリへの想いを寄せていただいた一方で、麻倉選考委員長からは今後登場するであろう製品に対する期待なども明かされるなど、大いに盛り上がった。
(HiVi編集部/辻 潔)