TVS REGZAは、現在開催中の2024 International CESに昨年に続いてブースを出展、有機&液晶テレビのレグザシリーズ用に開発された高画質化技術「新世代レグザテクノロジー」を発表した。それに先駆けて日本のマスコミ向けに新技術の説明会が開催されたので、詳細をお届けする。

画像1: TVS REGZAが、「新世代レグザテクノロジー」をCESで発表。シーンに応じて、視聴者がよりリアルに感じる映像を再現する新提案が盛り込まれた。ドルビーアトモスの5.1.2再生にも対応

 まず新世代レグザテクノロジーとは、“格段に広がったディスプレイの表現力を活かし、レグザエンジンZRαによる独自のAI光景再現技術で、実世界の光のきらめき、あざやかさ、臨場感を再現”するというもの。さらに音質については、“レグザサウンドエンジンを新開発。その場にいるようなリアルなサウンドを実現”するという。このふたつの組み合わせで“感動のオーディオビジュアル体験を最大化”できるとのことだ。

 ハードウェアとしてのレグザエンジンZRαは従来モデルから変更されていないが、ニューラルネットワークによる処理を追加し、新たな高画質機能を盛り込んでいる。これは膨大な処理能力を持つレグザエンジンZRαだからこそ実現できた進化だそうだ。

 その具体的な内容について、TVS REGZA取締役副社長の石橋泰博さんから紹介された。

 石橋さんは「今回の技術はレグザエンジンZRαのAIを活かした進化の最新版です。テレビのパネルはどんどん進化していますが、それだけではいい絵は出ません。レグザは、優れたエンジンとの組み合わせで映像と音の両面で進化させていきます」と語った。

画像: TVS REGZA取締役副社長の石橋泰博さん

TVS REGZA取締役副社長の石橋泰博さん

 その第一が高画質化技術の「Advanced AI Picture Optimizer」だ。

 そのために、AIエンジンを使ったコンテンツのタイプ判別を進化させ、象徴的なシーンを識別してそのシーンをよりリアルに感じられるように再現するための独自の映像処理とパネルの駆動を行う「AI光景再現テクノロジー」が開発された。

 シーンとしては「夜景」「花火/星空」「リング格闘技」「ゴルフ/サッカー」の4種類が想定されており、例えば「花火」では自発光の光の鮮やかさと小さな星のきらめき、引き締まった黒をリアルに再現するような調整を行うという。また「リング格闘技」では、強い照明のハレーションを抑制して、選手の筋肉の躍動感を再現するといった処理を加えている。

 そこでポイントになるのが、AI光景再現テクノロジーを使って再現する映像は、あくまでも各シーン(コンテンツ)が、視聴者に“リアル”に“美しく”感じられるように調整されたものということだ。

 そのためには当然ながらパネルの進化も欠かせない。会場に展示された試作モデル(有機ELとMini LEDバックライト液晶)は、どちらも最新世代パネルが採用されており、それぞれの進化があったからこそ、AI光景再現テクノロジーが実現できたという背景もあるそうだ。

画像2: TVS REGZAが、「新世代レグザテクノロジー」をCESで発表。シーンに応じて、視聴者がよりリアルに感じる映像を再現する新提案が盛り込まれた。ドルビーアトモスの5.1.2再生にも対応

 有機ELパネルは比較展示されていた「65X9400S」から数えて4世代目に当たるパネルとかで、ピークの伸びや黒の締まり自体も進化しているという。そこにさらに映像処理で明るい中でも色も出すようにし、小さい点の輝きをエンハンスする処理を追加している(夜景、イルミネーションの場合)。全体に暗い映像が多いので、余った電力をピークの再現に回すといった処理も行われている。

 また「リング格闘技」では、明るい照明で空気がハレーションを起こしている部分を除去、選手をクリアーに描き出すことでより臨場感が得られるように絵作りを行ったという。「ゴルフ/サッカー」ではグリーンやコートの芝目の再現にも留意しているそうだ。

 液晶テレビのために、「Mini LED高コントラストテクノロジー」も新開発された。こちらはLEDバックライト分割駆動をさらに進化させたもので、細分化されたエリア毎に、LEDの点灯時間だけでなく電流をダイナミックに制御し、輝く光と引き締まった黒を再現できるというものだ。

画像3: TVS REGZAが、「新世代レグザテクノロジー」をCESで発表。シーンに応じて、視聴者がよりリアルに感じる映像を再現する新提案が盛り込まれた。ドルビーアトモスの5.1.2再生にも対応

 こちらも参考展示モデルには次世代版のMini LEDバックライト搭載液晶パネルが使われていたが、その分割数は比較展示されていた「65Z875L」から桁が違うくらいの進化を遂げているようだ。さらに最大輝度も暗部再現も改善されているとのことで、パネル自体の表現域も拡大しているわけだ。

 Mini LED高コントラストテクノロジーではその能力をベースに、さらに高輝度部を伸ばし、暗部を下げる処理を追加する。明部ではLEDの点灯時間と流す電流を最大化し、リアリティのある輝きを実現した。一方の暗部でも点灯時間と電流の両方を大幅に抑制することで引き締まった黒再現を狙っている。

 この結果、液晶テレビながら同一画面内でのコントラスト比もアップ、これまで苦手だった夜景などの再現も改善されているという。もちろん暗部を締めて、余った電力をピークの再現に回すといった処理も行っている。ちなみにこのパネルの色域は従来モデルと同じだが、輝度レンジが伸びた分カラーボリュウムが増えているので、色再現も豊かに感じられるとのことだ。

画像: 有機ELテレビを使ったデモ。左が「65X9400S」で右が「Advanced AI Picture Optimizer」搭載の試作モデル。花火のピークや色味の再現性、黒の沈みに進歩がうかがえる

有機ELテレビを使ったデモ。左が「65X9400S」で右が「Advanced AI Picture Optimizer」搭載の試作モデル。花火のピークや色味の再現性、黒の沈みに進歩がうかがえる

 説明会の会場で65X9400SとAdvanced AI Picture Optimizerを搭載した試作モデルを使って花火や夜景のデモ映像を比較視聴させてもらった。

 X9400Sも有機ELらしいコントラスト再現で、室内を暗くした状態では黒も落ち着いた花火らしい映像として楽しめる。だが隣に並べられた試作モデルは花火のピーク感が格段に力強く、鮮やかな色が目に飛び込んでくるのだ。黒の沈み込みもいっそう深く、夜景ではひとつひとつの窓の輝きの違いまで識別できそうだ。

 Advanced AI Picture Optimizerを使うことで画面全体のコントラスト感がアップし、本物の“夜景”や“花火”を見ているかのような映像になっている(ちなみに夜景と花火では処理内容を変えているそうだ)。

 Mini LEDバックライト液晶テレビも同じ印象で、75Z870Mと試作モデルではピークの伸び感や黒再現に確かな違いがある。さらに色、特に赤や緑などの原色がよりクリアーに表示されている。液晶テレビが苦手といわれていた夜景がここまでのクォリティで再現できるのは、驚きだ。

画像: こちらは液晶テレビを使った比較。左のZ870Mと右の試作モデルでは赤い花びらの色彩感、グラデーション表現などで違いがあるのがわかるだろう

こちらは液晶テレビを使った比較。左のZ870Mと右の試作モデルでは赤い花びらの色彩感、グラデーション表現などで違いがあるのがわかるだろう

 もうひとつの新技術として「REGZA Immersive Sound for 5.1.2 surround」も発表された。

 レグザでは現行製品の「X9900M」や「Z970M」シリーズで本体上部や側面にスピーカーを搭載、ドルビーアトモスの再生にも対応するなど、包囲感のあるサウンド再生を実現していた。

 今回のREGZA Immersive Sound for 5.1.2 surroundでは、11基のスピーカーを搭載し、そのすべてにアンプをあてがうマルチアンプシステムが搭載されている。さらにそれらのスピーカーをチャンネルごとに周波数特性や音圧、発音タイミング・時間軸について細かくイコライジングすることでリアルなサウンドの表現を可能にするという(全スピーカーがフラットな特性になるように予め調整が施されている)。

 またドルビーアトモスについては、従来モデルでは入力されたドルビーアトモスの信号を2chスピーカー用にデコードし、レグザのスピーカーで2chとして再生していた。しかし今回は5.1.2用にデコードして各スピーカーに割り振っているので、より包囲感、臨場感もアップするという。画面の外から音が聞こえる体験ができるはずだ。2chソースの場合は5.1.2バーチャル再生へのアップミックスも可能。

画像4: TVS REGZAが、「新世代レグザテクノロジー」をCESで発表。シーンに応じて、視聴者がよりリアルに感じる映像を再現する新提案が盛り込まれた。ドルビーアトモスの5.1.2再生にも対応

 発表会場でドルビーアトモスをデコードした音を聴かせてもらったが、通常の住宅より天井が高いこともあり、高さ方向のサラウンド感はいまひとつ感じにくかった。とはいえ左右の拡がりやヴォーカルの定位感などは明瞭で、ライブ映像などとの親和性は高いと感じた。

 今回発表されたふたつの技術は、この夏に登場する次世代レグザに搭載されると思われる。有機EL、液晶といったパネルの特性を最大限に引き出し、さらに視聴者がリアルと感じる映像を再現する新提案は、テレビを高画質に楽しむ手段として、注目を集めることだろう。

 最後に石橋さんは、“レグザは有機ELも本気、Mini LED液晶も本気です”と、今後もレグザ全体で高画質・高音質を追求していくことを宣言して、説明会は終了となった。

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