ゼンハイザーから、サウンドバーの新製品「AMBEO Soundbar | Mini」が発表された。市場想定価格¥132,000(税込)で、9月14日の発売を予定している。
同社はサウンドバーとして、「AMBEO Soundbar」(2021年7月発売)、「AMBEO Soundbar | Plus」(2023年7月発売)をラインナップしている。AMBEO Soundbar | Miniはその末弟に位置づけられており、日本の住環境に適したコンパクトなサイズが特長。想定される画面サイズは55インチまでで、ルームサイズは20〜25平方メートル(12〜15畳)とのこと。
3モデル共通の特長として、同社と欧州最大の研究機関であるフラウンホーファーが共同開発した「AMBEO(アンビオ)」技術を搭載している。AMBEOは独自のアルゴリズムを用いた立体音響テクノロジーで、ビームフォーミング、バーチャルスピーカーのチャンネルマッピングを含めた様々な技術をキャリブレーションを通して実行、ユーザーの使用環境に最適化してくれる。
AMBEO Soundbar | Miniには4基のマイクが内蔵されており、これを使って家具の位置や壁の素材を判別、バーチャル再生に適したパラメーターに調整してくれる。そのアンビオアルゴリズムは、製品によって最適なチューニングが施されているそうだ。
AMBEO Soundbar | Mini は7.1.4相当のイマーシブオーディオを再生でき、Dolby Atmos、DTS:X、MPEG-H、360 Reality Audioなどのコーデックに対応している。もちろん2chや5.1chからのアップミックスも可能だ(オートで動作)。MPEG-4 AACのデコード機能を備えているので、BS4K放送なども特別な設定なしで楽しめる。
搭載されるスピーカーは、1.6インチセルロースコーン型フルレンジが4基と、4インチロングスロー・ウーファーが2基。本体天面にスピーカーは搭載していないが、アンビオで処理を行うことで高さ感を演出している。
上記6つのユニットは本機のために新開発されたもので、上位モデル同様に筐体内に仕切りを設けて設置されており、音が混濁することはないという。これらのユニットは合計250WのD級アンプで駆動されている。
接続端子はeARC対応HDMI端子が1系統で、その他にはアップデート用のUSBと電源のみというシンプルな仕様だ。これは接続の簡便さを追求した結果で、AMBEO Soundbar | Miniをできるだけ簡単に使って欲しいという思いの現れだろう。
各種操作は付属リモコンや専用アプリから可能。サラウンドモードは「映画」「音楽」「ニュース」「スポーツ」などが準備されている。「アクティブ」モードは、コンテンツに応じて自動で最適なモードを選んでくれる。
新製品発表会で、AMBEO Soundbar | Miniの音を確認することができた。先に発売されたサブウーファー「AMBEO Sub」とワイヤレスで接続し、迫力あるサウンドを再生している(AMBEO Soundbar | Miniのウーファーは43Hz以上を再生)。
55インチテレビの正面1.5mほどに座り、ドルビーアトモスのデモディスクからトレーラーを再生してもらった。
AMBEO Soundbar | Miniを前方向に設置してあるにも関わらず、左右真横からやや後方まで音に包まれる。部屋の天井が高いこともあって、上方向からの情報はやや弱いように思えたが、一般的なリビングなら明確な効果が得られるだろう。AMBEO Subのサポートもあって、低音の重量感、迫力は充分感じられる。
続いてAMBEO Soundbar | Miniでドルビーアトモスをオン/オフした場合の比較もしてもらった。オフでは音像が下がり、画面下側に定位してやや寂しい印象になる。オンではセリフの位置が高くなって画面との一体感が増してくる。声が痩せて聞こえないのもいい。
映画作品から「ブレードランナー 2049」を再生すると、スピナーの移動感がクリアーに再現され、繁華街の雑踏や自販機の動作音といった細かなサウンドエフェクトに包まれる。作品のサウンドデザインをきちんと再現できていると感じた次第だ。
「AMBEO Soundbar | Mini」の主なスペック
●使用ユニット:1.6インチフルレンジ×4、4インチウーファー×2
●対応フォーマット:Dolby Atmos、DTS:X、360 RealityAudio、他
●内蔵アンプ出力:250W
●ワイヤレス:クロームキャストビルドイン、AirPlay 2、Spotify connect、Tidal connect
●Bluetoothコーデック:SBC、AAC
●寸法/質量:約W700×65×100mm/約3.3kg