画像: ムジカノートの「S-STW201」は、スーパーツィーター。スピーカーシステムに組み合わせて、豊潤な表現力を得る

Super Tweeter
ムジカノート
S-STW201
オープン価格(市場想定価格¥60,000前後、ペア、税別)

●型式:圧電ハイル型ドライバー×2●インピーダンス:80Ω●感度:90dB●寸法/重量:W80×H79×D80mm/0.5kg●問合せ先:ヒノ・エンタープライズ TEL.06(6170)5731

 高分子圧電ハイル型のスーパートゥイーター。これは圧電素子を強靭性の樹脂素材に用い、山谷型に織った振動板にて過渡特性と放射面積の両立を得る方式だろう。ここでは2カ所に開孔部を設けて、その楕円状の窪みでホーン効果を与えている。音圧の確保と水平指向性の改善を図ったのだろう。圧電方式は過渡特性が優秀だが、強弱表現の確保が課題だ。前面ディフューザーは磁石による着脱式。透かし彫り加工の幾何学模様が目を引く。
 

 コンデンサー次第で低域カットオフが決まり、高域上限は150kHz。出荷時は0.2μFのコンデンサーが装着済で、他に0.1μF、0.047μF、0.022μFが調整用として付属する。
 

 フォステクスのFE108Solフルレンジユニットを搭載する、バックロード型スピーカーと組み合わせると、効果はてきめん。ギターデュオの「パタ・ネグラ」は、フラメンコ系ギターの軽妙な立ち上がりや過剰エコーの表情が明瞭。乾いたタッチになりやすい高速ラスゲアド(かき鳴らし)は厳しい分節感を際立たせつつ、けっこうな音色美もある。コンデンサーを0.1μFに交換すると、さらに音像が明瞭になり表現の幅が広がった。クラシック系の繊細微妙な描写も品位が高まり、音場はいっそう広く濃密に展望される。
 

 強力なホーン型スーパートゥイーターを加えると、カットオフ周波数や設置位置などかなり微妙な調整が必要になることがあるのだが、この圧電型では労せずして豊潤な表現力が得られるのが魅力だ。過渡特性と拡散性の優位性である。

前面にショートホーンを2つ設けて放射をコントロール。ホーン奥の中央部奥に振動板が見える。

入力端子はしっかりした作りのねじ止め式。L/Rが近接しているのでバナナプラグ使用が適する。

底面から見た内部。ネットワークを構成するローカットフィルター(フィルムコンデンサー)は0.22μFのほかに3種(0.1μF、0.047μF、0.022μF)を付属。組み合わせるスピーカーの特性に合わせて調整したい。

フォステクスFE108Sol(10cmフルレンジユニット)+BK108Sol(バックロードホーン・エンクロージャー)のスピーカーシステムの天板に設置して試聴した。

画像: S-STW201の造作を確認する吉田氏。

S-STW201の造作を確認する吉田氏。

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