スマートホンは、いまや世代、性別、地域の垣根を越えて広く浸透し、コミュニケーションツールとしてのみならず、日々の生活に欠かせないキーデバイスになっています。その傑出した能力は、当然ながら音楽再生の分野でも遺憾なく発揮されています。
ここでは、5月に小社から発行したムック「かんたん、わかりやすい スマホで始めるオーディオ&ネット動画再生読本」の中から、スマホを音楽の再生機として、ハイレゾ音源の醍醐味を体験するための知識、ノウハウ、システムづくりのあり方などを紹介した記事を、順次掲載していきます(全36回を予定)。
今回は、音楽ストリーミングサービスの「Spotify(スポティファイ)」をご紹介します。
「かんたん、わかりやすい スマホで始めるオーディオ&ネット動画再生読本」はこちらからご購入いただけます。
Spotify
スポティファイ
左はiPhoneのSpotifyアプリの「ホーム」画面。音楽サブスクの老舗にしてトップリーダーらしく、Spotifyアプリのユーザーインターフェイスは操作性に優れ、「おすすめアルバム」に表示されるリコメンドの精度もひじょうに高い。右の「検索」画面は、最上部の検索窓にワードを入れる以外にも音楽ジャンル別でおすすめのプレイリストやアルバムが表示される。右下の再生マークの横に見えるアイコンから再生する機器が選べる(Spotify Connect機能)
迷ったら選んで損なしの音楽サブスク最大手
2006年にスウェーデンで設立されたSpotifyは、2021年末時点で178の国と地域に3億8100万人のユーザーを持つ音楽サブスク最大手(うち、有料プランのSpotify Premium会員は1億7200万人)。無料プランのSpotify Freeにアカウント登録すれば、配信されている7000万前後のすべての楽曲をフル再生できる。ただし、数曲ごとに広告が挟み込まれたり、最高音質の320kbpsを選択できなかったりと機能制限は少なくないので、豊富なサービスを目いっぱい楽しみたいならSpotify Premiumを契約しよう。
Spotify Premiumのメリットは、大きく言って①再生履歴から割り出されるリコメンド機能の精度の高さ、②操作画面の使いやすさ、③同じネットワーク上にある対応スピーカーやプレーヤーとWi-Fi接続できるSpotify Connectの使いやすさの3つ。
①②は老舗にして世界最大手ならではのノウハウが結集されており、他のサービスと比べてみるといかに洗練されているかがよく分かる。③については102ページ以降で詳しく触れているが、スピーカーで音楽サブスクを楽しみたいという方にはきわめて便利な機能だ。現在のところ音質は320kbpsまでのロッシー圧縮による配信のみで、それが最大の課題となっているが、ロスレスプランのSpotify HiFiを2021年にスタートするとアナウンスしていたが、いまだに果たされていない。