NHKは現在、東京国立博物館と共同で「8K文化財プロジェクト」を共同で取り組んでおり、そこで得た知見や映像を番組「見たことのない文化財」として放送しており、その最新作となる「見たことのない文化財 人間国宝 最初で最後の舞」の試写会が同所で行なわれた。

 これは、人間国宝でもある能楽師「梅若 実 桜雪」の梅若家に伝わる、謎多き能面「伝山姥」(でんやまんば)の制作の秘密に迫る歴史ドキュメンタリー。

画像: 復元された能面を手にする梅若 実 桜雪

復元された能面を手にする梅若 実 桜雪

 室町の時代からおよそ600年続くという梅若家に伝わってきた能面 伝山姥。しかしその由来は何も残されておらず、その造形や用途は未知のものとなっていた。

画像: 最新技術を用いて、伝説の能面の謎に迫る。「見たことのない文化財 人間国宝 最初で最後の舞」、BS8Kで6月26日にオンエア

 今回は、「8K文化財プロジェクト」において、同能面を最新技術でスキャンし、そこに残されているさまざまな痕跡を手掛かりに、元の姿を復元することに挑戦する内容となっている。そして、見事復元なった能面を手にした梅若 実 桜雪は、それに相応しい舞を、一度切り披露することになる。

 詳しくは番組を見てほしいが、3Dスキャナー、フォトグラメトリで制作された3D CGデータによって、さまざまな謎の一旦が明らかになる。それは推測ではあるものの、なぜこの能面がつくられたのか、どういうギミックが施されていたのかが、徐々に明かされて生き、最終的に、その推測に基づいた元の姿が復元されることになる。

 今回の取り組みについて、ディレクターの鈴木氏は、「能面の研究というものは、まだあまり進んでいないため、今回の取り組みがそれに役立てれば」とコメント。番組や、あるいは制作したデータからの復元能面の展示、データの閲覧などを通して、「日本の伝統文化を広く知らしめたい」と意欲を語っていた。

画像: スキャンデータを基に復元された伝山姥

スキャンデータを基に復元された伝山姥

 ちなみに、スキャン、データの作成については、一般的な立体物に比べてスムースに進んだそうで、「(制作当時の)刷毛の動かし方も分かった」という。これについては、6月25日(土)オンエアの「見たことのない文化財 謎の能面」が詳しく報じているそうだ。

画像: 制作統括の加藤氏(左)とディレクターの鈴木氏

制作統括の加藤氏(左)とディレクターの鈴木氏

番組「見たことのない文化財 人間国宝 最初で最後の舞」放送スケジュール
6月26日(日) BS8K 19:00~
7月15日(金) BSP 16:00~
7月29日(金) BS4K 16:00~

番組「見たことのない文化財 謎の能面」
6月25日(土) BS8K 19:00~

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