イヤーメン(Ear Men)は2019年に発足した新進メーカー。アメリカ・シカゴに拠点があり、東欧セルビアのオーリスオーディオ(Auris Audio)の協力を得て、製造はすべてヨーロッパで行なわれている。このトラデュット(Tradutto)は、小型のデスクトップサイズのD/Aコンバーターだが、内容はすこぶる高水準だ。

画像: イヤーメンのD/Aコンバーター「Tradutto」は、コンパクトながら繊細かつ濃密な高分解能で、3次元的な音場が展開

D/A Converter
イヤーメン
TRADUTTO
オープン価格(実勢価格9万円前後)

●デジタル入力:3系統(USB、RCA同軸、TOS角型)、Bluetooth
●対応フォーマット:PCM768kHz/DSD512/DXD768kHz(USB、最大)、192kHz/24ビット(Bluetooth/SPDIF、最大)
●アナログ出力:2系統(RCAアンバランス、4.4mmバランス)
●寸法/重量:W150×H30×D150mm/550g
●備考:MQAデコード対応、リモコン、AC電源アダプター付属
●問合せ先:(株)ユキム TEL.03(5743)6202

 筐体はアルミニウム削り出しであり、表面実装基板はスイス製の4層、金メッキ仕様。WIMAのコンデンサーや低ノイズの金属皮膜抵抗など、高品位部品を採用している。またオペアンプはバーブラウン(TI)のOPA1642を搭載。これは低ノイズかつ低歪みのオーディオ用デュアルICだ。DACはESS製ES9038Q2M、信号処理は高速のXU216。入力端子はUSB(B)、同軸、TOS、またAACやLDACにも対応したブルートゥース搭載など充実している。フォーマットはPCMは最大768kHz、DSDは22.4MHzまで対応。アナログ音声出力はRCA端子の他に、4.4㎜ミニプラグのステレオバランス端子がある。今回は汎用のXLR端子変換ケーブルを使っている。

 音質は過渡特性が優秀で、ダウンロードした96/24のFLAC音源では、フラメンコギターが眼前で音が弾け飛んで身体を貫く感覚だ。すべての音曲が高分解能であり、音場は3次元的に展開される。アナログディスクから収録したウィーンフィルやシャンソン、美空ひばりなども繊細かつ濃密。重低域がさらにほしいところはあるけれど、DC12V出力のACアダプターの強化などで改善が期待できる。これはまぎれもなくハイレゾサウンドの現在を呈示する最新作だ。

画像: TRADUTTOのフロントパネル。中央のディスプレイ部に、選択ソースと入力信号情報を表示する。下部のボタンスイッチは、左側に電源ON/OFFとBluetooth接続、右側の2つが入力(USB、TOS光、RCA同軸、Bluetooth)セレクターのUP/DOWN。

TRADUTTOのフロントパネル。中央のディスプレイ部に、選択ソースと入力信号情報を表示する。下部のボタンスイッチは、左側に電源ON/OFFとBluetooth接続、右側の2つが入力(USB、TOS光、RCA同軸、Bluetooth)セレクターのUP/DOWN。

画像: リアパネルを見る。左からAC電源アダプター入力端子(DC12V)、Bluetoothアンテナ、デジタル入力のUSB TypeB、TOS光、RCA同軸端子。さらにアナログのライン出力(RCAアンバランス1系統)、4.4mmミニプラグのバランス出力を配置。

リアパネルを見る。左からAC電源アダプター入力端子(DC12V)、Bluetoothアンテナ、デジタル入力のUSB TypeB、TOS光、RCA同軸端子。さらにアナログのライン出力(RCAアンバランス1系統)、4.4mmミニプラグのバランス出力を配置。

小型のリモコン(USB充電式)を付属する。フロントパネルと同様に、電源、入力の切替えの操作が可能。

画像: TRADUTTOをリモコンで操作する吉田氏。

TRADUTTOをリモコンで操作する吉田氏。

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【 本記事の掲載号は管球王国 Vol.103 】

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