アキュフェーズは、創業以来半世紀にわたるノウハウを集結したプリアンプ「C-2900」を発売する。定価は¥1,430,000(税込)。

 同社では徹底したクォリティ重視の設計と高音質伝送を目指したプリアンプを発売している。新製品のC-2900は昨年登場した「C-3900」のノウハウを導入して「C-2850」の回路を一新、C-2000シリーズの最高峰として開発されている。

画像: アキュフェーズ「C-2900」プリアンプを発売。独自のボリュウムコントロール「AAVA」をバランス回路で構成した「BalancedAAVA」を新搭載し、シリーズ最高峰を目指した

 プリアンプのボリュウムコントロール回路は、音源の鮮度を保つ上できわめて重要だ。アキュフェーズは、創業以来約50年、理想的なボリュウムコントロール回路を追求してきている。新製品のC-2900では、独自のボリュウムコントロール回路「AAVA」をバランス回路で構成した「BalancedAAVA」を搭載し、大幅な性能向上を果たした。

 一般的なプリアンプは、可変抵抗を使って音量を調整するため、接点の劣化、いわゆるガリが発生したり、通常のボリュウム位置でノイズが増加する場合もある。これに対し、AAVAは入力信号から大きさの異なる複数の信号を作り、その信号の組み合わせを切り替えて音量を調整している。そのためガリが発生せず、すべてのボリュウム位置できわめて少ないノイズ・レベルを実現できるという。C-2900ではこのAAVAをバランス回路で構成したBalanced AAVAを搭載し、ノイズ・レベルを従来機種から約20%減少している。

 またAAVAはボリュウムセンサー機構でノブの位置を検出し、信号の組み合わせを切り替えて音量を調整している。C−2900では、アルミブロックを超精密加工で削り出し、硬く重い素材を用いたボリュウムセンサー機構を自社開発、ノブ回転時の滑らかな動作や重厚な操作感、緻密な位置検出を実現している。加えてリモコンによる操作時の動作音を抑え、静かで快適な音量調整を可能にした。

画像: 5系統のアンバランス入力と2系統のバランス入力を装備。さらにアンバランスでテープイン・レックアウト端子も備えている。下段右端は外部プリアンプ用のバランスEXTRA PRE入力

5系統のアンバランス入力と2系統のバランス入力を装備。さらにアンバランスでテープイン・レックアウト端子も備えている。下段右端は外部プリアンプ用のバランスEXTRA PRE入力

 AAVAなど音楽信号回路は左右それぞれ6枚のユニット・アンプで構成。これらを左右それぞれ8mm厚の硬質アルミニウム・フレームで囲むことで、電気的干渉や物理的振動を抑制し、音質に悪影響を与えないように細心の注意を払った。

 さらに電源部は、放熱フィン付き鋳造アルミケース入りの高効率トロイダルトランスを左右それぞれに搭載。10,000μFの大容量・高音質フィルターコンデンサーを開発、左右に2個ずつ搭載し、負荷変動に強い余裕のある電源を供給している。

 その他のC-2900の主な特長は以下の通り。

●信号回路基板には銅箔面に金プレートを施した低誘電率・低損失のガラス布フッ素樹脂基材を採用
●アンバランス入力5系統、バランス入力2系統、アンバランス出力2系統、バランス出力2系統の豊富な入出力端子
●外部プリアンプとの接続が可能なEXT PRE入力端子(アンバランス、バランス)
●トータルゲインを整えるゲイン切替機能(12/18/24dB)
●パラレルプッシュプル出力段搭載ディスクリート構成の高音質ヘッドフォンアンプ
●厳選した自然木、専門職人が丹精込めて製作した本木目鏡面仕上げのウッドケース
●振動減衰特性に優れたアドバンスド・ハイカーボン鋳鉄製インシュレーター

画像: 別売のオプションフォノイコライザーユニット「AD-2900」

別売のオプションフォノイコライザーユニット「AD-2900」

 また別売オプションフォノイコライザーユニットの「AD-2900」(¥242,000、税込)を増設することでレコードプレーヤーをつないでアナログディスクの再生を楽しめるようになる。AD-2900の特長は以下の通り。

●左右独立構成のガラス布フッ素樹脂基板イコライザーユニットを採用
●MC/MM独立構成の入力回路
●高精度なRIAA特性を実現する差動型イコライザー回路
●フロントパネルからの切り替え機能(MC/MM切替、MC負荷インピーダンス切替、ゲイン切替)
●2本のトーンアームを接続可能な2系統の入力端子
●外来ノイズの影響を最小限に抑える堅牢なアルミケース

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