国立映画アーカイブでは、 展覧会「生誕120年 円谷英二展」に関連し、 円谷英二撮影の映画『かぐや姫』(1935年)を上映する。

 イギリスで発見された、J.O.スタヂオ製作による音楽映画『かぐや姫』(国内公開1935年、75分)の海外向け短縮版(1936年作成、33分)が、85年の時を経て日本へ里帰りを果たした。

 長らく失われていた本作は、『ゴジラ』『ウルトラマン』シリーズを生み出し、今年生誕120年を迎える“特撮の父”円谷英二氏が撮影を手がけた初期作品だ。今回の上映は、氏の若き日の功績を伝える作品を鑑賞できる貴重な機会となっている。

生誕120年 円谷英二展『かぐや姫』上映会
●日時:2021年9月4日(土)1:30pm/3:45pm/7:15pm、5日(日)11:30am/2:15pm/5:15pm
●会場:小ホール(地下1階)
●定員:後日ホームページで発表
●料金:一般 520円、高校・大学生・65歳以上 310円、小・中学生 100円、障害者(付添者は原則1名まで)・国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ 無料(別途手数料が必要)
●チケット販売:8月27日(金)10:00amより、チケットぴあにて全上映回の前売指定席券(全席指定席、入替制)を販売。詳細は企画ホームページで確認を。なお国立アーカイブ館内でのチケット販売は行わない。
※新型コロナウイルス感染拡大などの状況により変更が生じる可能性があるので、ホームページで最新情報を確認されたし。

『かぐや姫』(1935年、J.O.スタヂオ、33分、35mm、白黒)
<スタッフ>脚色:J.O.企画部、監督:田中喜次、撮影:円谷英二、録音:万宝圭介、美術:松岡映丘、音楽:宮城道雄
<出演>北澤かず子(かぐや姫)、藤山一郎(造麿)、徳山璉(太麿)、汐見洋(竹取翁)、東日出子(竹取嫗)、横尾泥海男(宰相阿部)、藤輪欣司(細身)、下田猛、上田吉二郎

 トーキー専用の貸スタジオとして設立された京都のJ.O.スタヂオによる、 『百萬人の合唱』に続く自社製作の第2回作品。「竹取物語」を翻案した日本的題材を、作曲家・箏曲家の宮城道雄と日本画家の松岡映丘が参加した音楽と美術で独自性を見せた音楽映画。映画初出演の新人、北澤かず子がかぐや姫を演じ、徳山璉と藤山一郎が歌唱を担い、P.C.L.や東宝で活躍した汐見洋や、松竹蒲田出身の横尾泥海男などが脇を固めている。円谷英二は松竹下加茂時代から有名なローキー撮影を基調に、スモークによる雰囲気作り、自身が開発を手掛けたクレーンの活用、そしてスクリーン・プロセスなど合成技術の導入と、カメラマンとして蓄積してきた多様な撮影技術を発揮している。

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