先ほどお知らせした通り、ソニーから、ホームシアターシステムの新製品が5モデルまとめて発表された。それぞれの型番、市場想定価格(税込)、発売日は以下の通り。

●4.0chシステム
HT-A9 市場想定価格¥220,000前後(セット、8月7日発売)
●サウンドバー
HT-A7000 市場想定価格¥154,000前後(8月28日発売)
●ワイヤレススピーカー
SA-RS3S 市場想定価格¥44,000前後(ペア、8月28日発売)
●サブウーファー
SA-SW5 市場想定価格¥83,000前後(8月7日発売)
SA-SW3 市場想定価格¥44,000前後(8月7日発売)

画像: 4.0chワイヤレスサラウンドシステム「HT-A9」

4.0chワイヤレスサラウンドシステム「HT-A9」

 4.0chシステムの「HT-A9」は同社の新サラウンド技術「360 Spatial Sound Mapping」を搭載し、4本のスピーカーから最大12チャンネルのファントムスピーカーを創り出す新提案だ。

 HT-A9はワイヤレススピーカー4本と、コントロールボックスで構成されている。コントロールボックスに入力伝送された音声信号を独自の360 Spatial Sound Mappingで処理し、4本のスピーカーにワイヤレス伝送するというもので、これによりシンプルな接続で広い音場を実現している。

 コントロールボックスはHDMI入出力各1系統(8K/4K/ARC/eARC対応)やLAN端子を備え、ドルビーアトモスやDTS:Xのデコードも可能。Bluetoothの送信・受信機能も内蔵している(対応コーデックはSBC、AAC、LDAC)。

 ワイヤレススピーカーはW160×H313×D147mm、重さ約2.7kgというサイズで壁掛け設置も可能。このボディに70×82mmコーン型ウーファーと19mmドーム型トゥイーターの2ウェイスピーカーと、46×54mmのフルレンジイネーブルドスピーカー、アンプなどの電子回路を内蔵している。

画像: コントロールボックス

コントロールボックス

 なおHT-A9は4.0chが基本だが、ブラビアの「A90J」「A80J」「X95J」シリーズとの組み合わせる場合には、テレビのスピーカーをセンター用に使うこともできる。コントロールボックスのセンタースピーカー出力を付属のオーディオケーブルでテレビにつなぐだけなので、対応テレビをお持ちの方はぜひ活用していただきたい。

 またHT-A9の大きな特長として、自動セットアップ機能を活用することで、テレビの両脇にフロントL/R、視聴位置後ろにリアL/Rを置くだけで距離やレベルを最適化してくれる。

 その場合の目安として、フロントL/R間が1〜3.5m(推奨距離2〜3m)、フロントとリアの間が2.5〜5m(推奨距離3〜4m)、天井までの距離が1〜4mほどであれば、左右対称でなくても、スピーカーの高さが違っていても構わない。リビング等で使うなら、この融通性の高さは大きな魅力だ。なお各スピーカーの底面には設置場所が明記されているので、使用時には必ずそれに従うこと。

 コントロールボックスと各スピーカーは5GHz帯のWiFiで接続されるので(伝送は48kHz/24ビット)、遅延等はまず気にならないだろう。設定はメニュー画面から行い、コントロールボックスとスピーカーの電源を入れると自動的に場所や距離を識別してパラメーターを調整してくれる。測定用マイクは各スピーカーに内蔵されている。

画像: ワイヤレススピーカーはすべて同じ仕様だが、フロントL/R、リアL/Rそれぞれに指定されているので、設置時には背面の表記を確認すること

ワイヤレススピーカーはすべて同じ仕様だが、フロントL/R、リアL/Rそれぞれに指定されているので、設置時には背面の表記を確認すること

 今回HT-A9のプロトタイプの音を聴くチャンスがあった。83インチの有機ELテレビとの組み合わせでは、4.0ch再生でも充分なサラウンド音場を再現してくれる。立体音場の再現も的確で、ドルビーアトモスのトレーラーでは雷の高さがわかるし、雨粒もきちんと真上から降ってくる。

 有機ELテレビのスピーカーをセンター用に加えると、映画のセリフが画面に寄り添い、映像と音の一体感が増してきた。さらに同時発売されるワイヤレスサブウーファーをつなぐことで、83インチ画面に相応しい臨場感と低域の迫力を楽しむこともできる。特に音の統一感、移動時のシームレスな再現性などは同一スピーカーならではで、製品としてのまとまりのよさを実感できた。

 最近はワイヤレススピーカーを使ったサラウンドシステムの提案が各社から登場している。HT-A9は大画面を意識した本格ワイヤレスサラウンドシステムとして、ライフスタイルを重視する人や、最新テクノロジーに関心の高い層の注目を集めるだろう。

画像: 4本のスピーカーで、最大12個のファントムスピーカーを創出! ソニーのワイヤレスサラウンドシステム「HT-A9」は、圧倒的な臨場感をリビングにもたらす

「HT-A9」の主なスペック

<スピーカー部>
●型式:2ウェイ2スピーカー+フルレンジ、アクティブ型
●使用ユニット:19mmソフトドーム型トゥイーター、70×82mmコーン型ウーファー+46×54mmフルレンジ
●消費電力:約22W(待機時約0.5W以下)
●寸法/質量:W160×H313×D147mm/約2.7kg
<コントロールボックス>
●接続端子:HDMI入力×1(8K/4K/3D/eARC対応)、HDMI出力×1(8K/4K/3D/eARC対応)、センタースピーカー用出力×1、他
●Bluetoothコーデック(送信・受信):SBC、AAC、LDAC
●消費電力:約15W(待機時約0.5W以下)
●寸法/質量:W150×H52×D150mm/約730g

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