以前のニュースでお知らせした通り、ゼンハイザーから新しいトゥルーワイヤレスイヤホン「CX True Wireless」(¥15,800、税別)が発売された。同ブランドのエントリー向けラインナップであるCXシリーズの中核となる製品で、手に取りやすい価格帯で上質な音を目指したモデルという。

 一番の特長は、上位モデル「MOMENTUM True Wireless 2」と同等の高性能トゥルーレスポンストランスデューサーを搭載している点で、このドライバーによる質の高いサウンドと9時間連続再生の長時間バッテリーといった機能性も備えている。

画像1: ゼンハイザー「CX True Wireless」は、違和感のない自然なトーンが持ち味と聴いた。麻倉怜士さんのファーストインプレッションもお届け!

 コーデックはBSC、AAC、aptXの3種類に対応済みで、Bluetooth 5.2対応+class 1(10mW)に準拠したことで、人混みの中や本体と距離があっても途切れにくい、快適なリスニング&通話を実現したという。

 また昨今、リモート会議などでも使われることが増えていることを踏まえ、シームレスに片耳使いできる左右独立通信機能も採用している。左右関係なく片耳だけで使用可能で、通話をしながらもう片方をケースで充電できるので長時間の会議等でもバッテリー切れの心配がない。使い慣れたイヤホンがビジネス用途にも活用できるのは嬉しいだろう。

 今回、そんなCX True Wirelessの試聴機をお借りすることができた。まず本体を手に取ると、当たり前だがとても小さい。重さは左右約6gずつと昨今のワイヤレスイヤホンでは特に軽いというわけではないのだが、人間工学に基づいたデザイン故か、手に持った感覚でも、耳に装着した時も存在感は気にならなかった。

 充電ケースもコンパクトで、本体と合わせても重さが約49gなので、鞄のポケットに入れて持ち歩く分にはまったく邪魔にならないだろう。これで最大27時間の音楽再生が楽しめるのも嬉しい。

画像2: ゼンハイザー「CX True Wireless」は、違和感のない自然なトーンが持ち味と聴いた。麻倉怜士さんのファーストインプレッションもお届け!

 さっそくiPhone12とつないで、お気に入り音源をいくつか聴いてみる。なお再生ソフトにはfoobar2000のiOS版を使用。CDからのリッピングに加えてハイレゾ音源も再生している(BluetoothコーデックはAACだけど)。

 まずは女性ヴォーカルのエリカ・バデゥ『Rimshot』(44.1kHz/16ビット/FLAC)を聴く。その冒頭、ずしりとした重さを持った低音が豊かに広がる。楽器の生々しさ、彼女の声のニュアンスなど、過度な演出感もなく再現されている印象だ。

 ちなみにCX True Wirelessは、アプリのイライザーを使うことで低域の強調も可能だ。『Rimshot』で試してみると、確かに低音の量が増えて、一聴して迫力が増して感じられる。ただ、他の曲も聴いていくと若干の演出感も……。この機能は再生する楽曲やジャンルに応じて使い分けるべきだろう。

画像3: ゼンハイザー「CX True Wireless」は、違和感のない自然なトーンが持ち味と聴いた。麻倉怜士さんのファーストインプレッションもお届け!

 続いてマイケル・ジャクソンの『Bad』(48kHZ/24ビット/FLAC)では、リズム感、ビートが心地いいし、ビリー・ジョエル『STRANGER』(88.2kHZ/24ビット/FLAC)の口笛も高域まで綺麗に伸びている。

 その他、70年代ロックやJ-Popなどの定番ソースもいろいろ聴いてみたけど、どのジャンルでも、男声・女声どちらでも、自然なトーンで各アルバムの世界に浸ることができた。

 この違和感のなさが、プロの収録現場(マイク)から知るゼンハイザーのイヤホンの持ち味だろうし、CX True Wirelessにもそれがきちんと受け継がれていることが確認できた。このナチュラルさを体験すると虜になる人もいることだろう。気になる方はぜひ一度CX True Wirelessを手に取っていただきたい。(取材・文:泉 哲也)

<麻倉怜士さんは、CX True Wirelessをこう聴いた>
あざとくなく、でも音楽の情報を豊かに伝えてくれる。
ゼンハイザーらしいジェントルな音調を持ったトゥルーワイヤレスイヤホンだ

 これまでもゼンハイザーのイヤホンやヘッドホンは何度も聴いたことがありますが、「CX True Wireless」も基本的に同じ音調といっていいでしょう。

 誇張感やあざといところがなく、音の流れがひじょうになめらか、すべらかです。音調的にもぼやっとしているわけではなく、粒子が細かくてナチュラルで、かつしっかりと締めるところは締めています。

 カーペンターズの『イエスタデイ・ワンス・モア』のベースの表情がよかったです。過剰でもなく、少なすぎでもなく、適度な低音感があって、輪郭のにじみが少ない。なので、音階がよく出ていました。この曲は途中からベースが一音ずつ下がっていくのですが、そこの再現も自然でした。音楽的な要素を備えつつ、ナチュラルな音を再現していますね。

 もうひとつホルストの組曲:『惑星』も聴きましたが、こちらも誇張感がなく、自然で伸びやかなサウンドが楽しめました。ブルートゥースにありがちな人工的なところがとても少なく、音がすっとでてくるのです。情報をもっと多く聴かせようとか、輪郭を立ててやろうといったあざとさがまったくないんだけど、でも音楽の情報自体はしっかり聴き取れます。

 それこそがゼンハイザー製品の音調であり、CX True Wirelessの大きな魅力にもつながっていますね。

画像4: ゼンハイザー「CX True Wireless」は、違和感のない自然なトーンが持ち味と聴いた。麻倉怜士さんのファーストインプレッションもお届け!

「CX True Wireless」の主なスペック

●型式:ダイナミック・カナル型
●再生周波数帯域:5Hz〜21kHz
●感度:110dB SPL (1kHz/0dBFS)
●無線規格:Bluetooth 5.2対応+Class 1(10mW)
●対応コーデック:SBC、AAC、apt-X
●バッテリー持続時間:イヤホン本体最大9時間、ケース併用最大27時間
●充電時間:1.5時間(フルチャージ)、15分(1時間動作)
●質量:イヤホン6g×2、充電ケース37g
●対応アプリ:Smart Control(スマートコントロール)

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