ディー・アンド・エムホールディングスでは、マランツブランドの新製品AVプリアンプ「AV8805A」を6月上旬に発売する。価格は￥572,000（税込）。
AV8805Aは、同社の13.2chプロセッシング対応AVプリアンプ「AV8805」の後継モデルで、最新の8K映像の入出力に対応した点が進化ポイントだ。その主な特長は以下の通り。
13.2ch独立基板のHDAM-SAプリアンプ
マランツオリジナルのハイスピードアンプモジュール「HDAM-SA」による電流帰還型プリアンプ回路を搭載。13.2chのプリアンプを独立した基板に分割することにより、チャンネル間のクロストークを排除。明確に定位する等身大の厚みを備えた音像、一切の制約を感じさせない広大さと立体感に満ちた空間表現力を実現する。さらに「HDAM-SA」はオペアンプを使用した場合に比較して約16倍にものスルーレートを実現し、情報量が豊かで低歪、ハイスピードなサウンドが再現できる。
15.2ch XLR & RCAプリアウト
バランス（XLR）、アンバランス（RCA）共に15.2chのプリアウトを装備。フロントワイドやサラウンドバックを含む最大9chのフロアスピーカーと、センターハイトやトップサラウンドを含む最大8chのハイトスピーカー（最大6chの同時再生に対応）の中から最大15chをアサインできる。Dolby AtmosやAuro-3Dなど再生するサウンドモードに合わせて出力端子を自動で切り替えることも可能。
Dolby Atmos、DTS:X Proに対応
オブジェクトオーディオ技術Dolby Atmos、DTS:X Proに対応。最大13.2chプロセッシングに対応しているため、7.1.6や9.1.4などのスピーカーレイアウトも対応可能。
Auro-3Dに対応
Auro-3Dデコーダーを搭載しており、7.1chにフロントハイト（FHL＋FHR）、センターハイト（CH）、サラウンドハイト（SHL＋SHR）、トップサラウンド（TS）スピーカーを加えた13.1chで、自然で臨場感豊かな3Dサウンドを楽しむことができる。
MPEG-4 AACに対応
4K/8K衛星放送で使用されているMPEG-4 AACに対応。4Kや8Kの映像を臨場感豊かなサラウンドサウンドと共に楽しむことができる。
32ビットフローティングポイントDSPを2基搭載
Dolby Atmosをはじめとするサラウンド音声信号のレンダリングやデコーディング、音場補正には高い処理能力が求められる。AV8805Aは、13.2ch分の処理を余裕をもって行うために2基の32ビットフローティングポイントDSPを搭載。高度な処理能力によって音源の持つクオリティを余さず引き出す。
32ビット対応D/Aコンバーターを8基搭載
D/AコンバーターICには、8個の32ビット対応ステレオDACを採用。ディテイルの表現力向上のために、出力抵抗に高精度な薄膜型金属皮膜抵抗を使用している。D/A変換回路を映像回路やネットワーク回路から独立した専用基板にマウントすることにより、相互干渉を排除。透明感が高く空間表現力と躍動感にあふれるサウンドを実現。
高周波ノイズコントロール
シャーシの低インピーダンス化のために銅メッキシャーシを採用。DSPやネットワーク、USBなどのデジタル回路への電源供給には専用のローノイズSMPSを使用し、アナログ回路との相互干渉を排除。電源ラインに流入するノイズはデカップリングコンデンサーを用いて除去している。コンデンサーの種類や定数は試聴を繰り返して最適なものを選定し、導電性ポリマーコンデンサーや薄膜高分子積層コンデンサーなど高性能なパーツを贅沢に使用している。
独立型セレクター/ボリュウムIC
従来ひとつのICに統合されていた入力セレクター、ボリュウム、出力セレクターをそれぞれの機能に特化したカスタムデバイスに置き換え。各デバイスの高性能化と不要な回路の引き回しを排除することにより、より透明感の高いサウンドを実現した。
ハイファイグレードのトロイダルトランス
OFC巻線やアルミケースを用いた同社プレミアムハイファイコンポーネントと同等グレードのトロイダルトランスを採用。二次巻線は回路ごとに分けて、相互干渉を排除。シールドにより外来ノイズを遮断し、トランスから周辺回路への輻射も抑制している。
Audyssey MultEQ XT32、Sub EQ HT
オートセットアップ機能「Audyssey MultEQ XT32」を搭載。2台のサブウーファーを個別に測定、補正する「Sub EQ HT」も搭載しており、それぞれに最適な設定を自動で行うことが可能。
低音の位相補正機能
マルチチャンネルで収録されているコンテンツでは、低音（LFE）が遅れて収録されている場合がある。そんな場合にも、LFEの遅れを0〜16msの範囲で補正できる。
8K信号に対応したHDMI基板
8K/60p、4K/120pに対応するHDMI入出力
HDMI入力1系統（HDMI 7）、出力2系統（モニター1/2）が、8K/60pや4K/120p映像信号のパススルーに対応。また8入力/3出力すべてのHDMI端子が著作権保護技術「HDCP 2.3」に対応済み。
HDR+、Dynamic HDRに対応
HDR（High Dynamic Range）映像信号のパススルーにも対応。HDR10、Dolby Vision、HLGに加えて、HDR10+、Dynamic HDRにも対応。
ALLM、VRR、QMS、QFTに対応
HDMI 2.1の新機能「ALLM（Auto Low Latency Mode）」「VRR（Variable Refresh Rate）」「QFT（Quick Frame Transport）」「QMS（Quick Media Switching）」に対応し、ゲームやVRコンテンツも快適に再現できる。
充実のネットワークオーディオ機能
ワイヤレス・オーディオシステム「HEOS」テクノロジーによるネットワークオーディオ機能を搭載。音楽ストリーミングサービスやインターネットラジオ、ローカルネットワーク上のミュージックサーバー（NAS / PC / Macなど）やUSBメモリーの音源など、多彩な音楽を再生可能。
音楽ストリーミングサービス対応
ロスレスストリーミング「Amazon Music HD」や「AWA」「Spotify」「SoundCloud」など様々な音楽ストリーミングサービスに対応（別途契約は必要）。音楽、トーク、ニュースなど世界中のインターネットラジオも楽しむことができる。
5.6 MHz DSD＆ハイレゾ音源対応
ミュージックサーバーやUSBメモリーに保存したDSDファイルやハイレゾ音源の再生にも対応済み。DSDは5.6MHzまで、PCM系は192kHz/24ビットまで再生できる。DSD、WAV、FLAC、Apple Losslessのギャップレス再生にも対応する。
「AV8805A」の主なスペック
●接続端子：HDMI入力×8（8K対応入力×1）、HDMI出力×3（8K対応モニター出力×2）、 色差コンポーネント入力×3、コンポジット入力×5、色差コンポーネント出力×1、コンポジット出力×2、アナログ音声入力×9（XLR×1、RCA×8）、フォノ入力×1（MM）、7.1ch入力×1、デジタル音声入力×4（光×2、同軸×2）、15.2chバランスプリアウト×1、15.2chアンバランスプリアウト×1、ゾーンプリアウト×2、ヘッドホン×1、USB Type-A×2、他
●ハイレゾ対応フォーマット：DSD（2.8/5.6MHz、1ビット）、WAV（32/44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz、16/24ビット）、FLAC（44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz、16/24ビット）、ALAC（44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz、16/24ビット）、MP3（32/44.1/48kHz）、WMA（32/44.1/48kHz）、AAC（32/44.1/48kHz）
●周波数特性：10Hz〜100kHz（+1、-3 dB、ダイレクトモード時）
●歪率：0.005％（20Hz〜20kHz、ダイレクトモード時）
●Bluetooth対応コーデック：SBC
●消費電力：90W（待機時0.2 W、通常スタンバイ）
●寸法/質量：W440×H185×D410mm（アンテナを寝かせた場合）/13.8kg
