パナソニックから、2021年4K有機ELビエラの新製品が発表された。そのラインナップと市場想定価格、発売日は以下の通り。
TH-65JZ2000 55万円前後(税込、5月21日発売)
TH-55JZ2000 39万円前後(税込、5月21日発売)
TH-65JZ1000 48万円前後(税込、6月25日発売)
TH-55JZ1000 31万円前後(税込、7月9日発売)
TH-48JZ1000 25万円前後(税込、6月18日発売)
全モデルで4Kチューナー2基と地デジ/BS/110度CSデジタルチューナーを3基搭載し、外付けUSB HDD(別売)をつなげば4K放送の2番組録画も可能。また2画面表示にも対応する。
主な進化点としては、上位モデルの「JZ2000」シリーズは「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」を採用し、さらに上下左右から音を放出する「イネーブルド&ワイドスピーカー」を搭載した。
Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイは、従来モデルの「HZ2000」シリーズにも搭載されていたが、JZ2000では放熱プレートとバックカバーを一体化し、さらに有機ELパネルと放熱プレートの間の貼り付けについても独自素材を使うなど、構造を一新している。
さらにパネル制御技術の「Dot ContrastパネルコントローラーPro」は、画素単位で明るさの分布や色の情報を解析することで、明るいシーンから暗部まで高いコントラストと忠実な色再現を実現した。今回はエリアごとの入力信号情報を解析する機能も追加され、より豊かな光と色の再現が可能になったという。
映像処理関連では、「ヘキサクロマドライブプラス」が、HDR10/HDR10+のコンテンツで高輝度部分の色抜けが発生しないように、複数のトーンマッピング処理を使い分けるようになった。光が得意なHDR処理と、色が得意なHDR処理を動的に変化させることで、明部の鮮やかな色もきちんと再現できるそうだ。
そのHDRについては、HDR10、HDR10+の他にHLG、ドルビービジョンIQにも対応済み。さらに「HDR10+ ADAPTIVE」信号も再生できるようになった。HDR10+ ADAPTIVEは今年1月に発表されたもので、内蔵されたセンサーで周囲の明るさを判別し、シーンに応じた最適な輝度再現を行うもの。4K液晶ビエラ「JX950」「JX900」シリーズには搭載されているが、有機ELビエラとしては初めての搭載となる。
音質面では、好評のイネーブルドスピーカーに加えて、画面両サイドに横向きのワイドスピーカーを搭載、7スピーカー+ウーファーという構成に進化した。ワイドスピーカー(サラウンドのリアL/R成分を再生)の追加により、上下左右の広いエリアに音を広げることができ、より臨場感のあるサウンドが楽しめるそうだ。
またビエラでは放送や映画などの100万を超えるシーンを集めた学習用データベースをAIに学習させ、人間のように何を見ているかを認識できるアルゴリズムを生成、搭載している。今回のJZ2000シリーズでは、シーンに合わせて画像(色や輝度、ディテイル情報など)と音(画面に集中するか、音場を広げるか)の両方を自動で調整する「オートAI画質・音質」も採用された。
入力端子はHDMI2.1で、4K/120pやVRR、AMD FreeSync Premiumの信号に対応済み。また有機ELとして低遅延化も進んでおり、従来モデルの約半分になったそうだ。
弟モデルの「JZ1000」シリーズは65型と55型で「ハイコントラスト有機ELディスプレイ」を搭載。独自設計のカバー一体型放熱プレートはJZ2000シリーズと同様だが、貼り付けシートなどは従来同様という。48型は通常の有機ELディスプレイが使われている。
その他の違いとしては、JZ1000シリーズはオートAI画質のみの対応で、オートAI音質は搭載していない。映像エンジンのヘキサクロマドライブプラス、HDR10+ ADAPTIVE、4K/120pやVRR信号への対応といったスペックはJZ2000と同様だ。
どちらのシリーズにも新レイアウトを採用したBluetoothリモコンが付属している。