ソナス・ファベールを創業したフランコ・セルブリン氏は、一度だけ日本を訪れている。そのときに会った私は「小型機のミニマが奏でる音が一番好きです」と告げたところ、彼は「実は私もそうなんだ」と微笑んだ。
ここに登場するミニマ・アマトールⅡは、ミニマより僅かに大きいオリジナル機の雰囲気を忠実に醸し出している注目機。一足先に発売されているエレクタ・アマトールⅢはボトムが白い大理石製であるが、本機は4面すべてがウォールナット材になっている。
適合するスタンドは2種類あり、ここでは「Carrara Stand」を使って聴いた。本誌試聴室で鳴らしたミニマ・アマトールⅡは、キビキビと反応の良い美音を奏でてくれる。管球式アンプとの相性も良好。コンパクト機ながらも低音域の量感を不足なく確保しており、トニー・ベネットとダイアナ・クラールのデュオでは男女の声色を艶やかに描き分ける。パルプ系振動板のウーファーがしっとりと落ち着きのある音を奏でて、高音域もスムーズな伸びやかさが得られている。ラトル指揮のシベリウス交響曲5番では、スケール感も意外なほど豊か。温かみのある音調で音楽の陰影感を巧みに描いてくれる。
木質感に秀でた外観イメージに相応しい、総じて親しみやすい音質が得られている。音楽ジャンルの得手不得手はなさそうで、良質の管球式プリメインアンプと組み合わせて鳴らしたい魅力的なスピーカーシステムだ。
![画像: ソナス・ファベール「MINIMA AMATOR Ⅱ」木質感溢れる意匠に相応しい、親しみ深い音調のバスレフ型2ウェイ2スピーカー。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2020/09/30/a740a6b69bb3626d32cc9bb8c98ed9b88f0d46f4_xlarge.jpg)
Speaker System
ソナス・ファベール
MINIMA AMATOR Ⅱ
¥520,000(ペア)
●型式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型 ●使用ユニット:ウーファー・15cmコーン型、トゥイーター・2.8cmドーム型 ●クロスオーバー周波数:2.5kHz ●感度:87dB/W/m ●インピーダンス:4Ω ●寸法/重量:W200×H325×D310mm/7.1kg ●備考:別売スタンドStand Olympica NOVA(¥100,000ペア)、Carrara Stand(¥180,000ペア)あり ●問合せ先:(株)ノア TEL:03(6902)0941
トゥイータードームに配された3脚構造は1990年に登場したMINIMAの意匠を引き継ぐと同時に同社最新技術に基づく機構。ソフトドーム頂点部をダンプすることでリングラジエーターのような高域の伸びを併せ持った特性を狙う。無垢ウォールナットのエンクロージュアはフロント/リアバッフルともレザーで仕上げられている。
![画像: 15cmウーファーは天然繊維とセルロース・パルプの混合素材による振動板を採用した本機専用設計。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2020/09/30/60093180fc2b274dfeaf219ed94d9eb458d63c08_xlarge.jpg)
15cmウーファーは天然繊維とセルロース・パルプの混合素材による振動板を採用した本機専用設計。
![画像: バスレフポートをリアに装備。入力端子はバイワイヤリングに対応。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2020/09/30/820f0d9e615f8c9f197ba986eb9060b41a7435a3_xlarge.jpg)
バスレフポートをリアに装備。入力端子はバイワイヤリングに対応。
![画像: 別売りスタンドは2種用意される。写真はStand Olympica NOVAとの組み合わせ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2020/09/30/fa0caf588e63bce47df00c23f5ea7d62d7c43d3c_xlarge.jpg)
別売りスタンドは2種用意される。写真はStand Olympica NOVAとの組み合わせ。
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聴けば幸せになるイタリアのスピーカー ソナス・ファベール ミニマ・アマトールⅡ
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