世界中で愛される不朽の名作『AKIRA』がIMAXで上映（4月3日～）！これまでの劇場公開を遥かに超える「映像」と「音」の衝撃をその身で体感しよう！

2020-03-26

　1988年に公開された超大作アニメーション『AKIRA』。原作者である大友克洋自らが監督を務め、今や世界中で多くのファンに愛され、さまざまなクリエイターにも影響を与えた作品だ。その『AKIRA』が4Kスキャン＆4Kリマスター、しかも、音響は音楽監督である山城祥二により新規に5.1chリミックスされて蘇った。そんなまったく新しい『AKIRA』が、全国のIMAXシアターの大スクリーンで上映されることが決定した（4月3日～）。

画像1: 世界中で愛される不朽の名作『AKIRA』がIMAXで上映（4月3日～）！これまでの劇場公開を遥かに超える「映像」と「音」の衝撃をその身で体感しよう！

　1988年、初めての劇場公開された時の衝撃を覚えている人は多いはず。その大作が劇中の時代とほぼ同じ、2020年の現代に蘇る。しかもただの再上映ではなく、オリジナルの35mmマスターポジフィルムから4Kスキャン＆4Kリマスターを施し、映像を鮮明に復元。また音響も山城祥二自ら新規に5.1chリミックスして、最新の映画に匹敵するサウンドとして蘇った。しかも上映はIMAX。IMAXとは、専用に調整された美しい映像を大スクリーンと最新鋭の音響で上映する劇場で、他では味わえない臨場感を体験できるのだ。

身体を震わせる映像と音。IMAXでの『AKIRA』は鑑賞ではなく体験だ

　4月3日からの上映に先立ち、都内でIMAX試写会が行なわれたので、ここではその模様をレポートしよう。まずは謎の大爆発が起こる導入部。タイトルとともにおおきく響く大太鼓の音が鮮烈だ。新規録音のおかげと思われるが、これまでのものとは明らかに違い、鮮やかな映像とともに、より衝撃的に感じられた。

　暴走する金田たちのバイクのヘッドライトの眩しい輝き、鮮やかな色はより深みを増し、大友克洋氏による原作のカラーページを見ているような色彩が楽しめる。疾走するバイクのモーター音や爆発炎上するときの迫力はもちろんだが、場面を彩る音楽は四方を包むように広がり、しかも個々の楽器の音や力強いコーラスが明瞭な定位で、さまざまな場所から鳴り響く。冒頭のシーンを見ているだけで、すっかり『AKIRA』の世界に没入してしまった。

画像2: 身体を震わせる映像と音。IMAXでの『AKIRA』は鑑賞ではなく体験だ

　4Kリマスターされた映像では、色彩の美しさだけでなく、背景画の緻密な描き込みの量にも驚く。ビルの無数の窓の奥にあるオフィスまで描き込まれた様子やリアルな筆致が鮮明で、こんなにも情報が詰まっていたのかと改めて驚かされる。そして、歩く距離と歩幅まで合わせたというリアルな動きが驚異的だ。テロリストと軍による戦闘シーンでは、逃げ惑う人々はひとりひとりの表情までもが描き分けられ、群衆を押し分けて逃げる者やつまづいて踏みつけられる者など、実写さながらに、さまざまな要素が描き込まれている。こうした細かな作画を実に鮮やかに観ることができた。まさに、4Kリマスターの威力とIMAXの大スクリーンの相乗効果だろう。30年以上前の古いアニメ作品とは思えないクォリティなのだ。

　音響も身体を震わせるような重低音が劇場内に響く。軍の兵器による激しい銃撃は前後左右に飛び交い、ヘリコプターは上空を飛翔するさまが精緻に感じられる。たくさんの声や効果音はあらゆる方向に配置され、しかも混ざり合うことなく明瞭な定位で空間を埋め尽くしている。これはもう、最新のサラウンド音響を採用した作品と変わらないレベルの臨場感と言えるだろう。

　『AKIRA』はジャンルとしてはSF作品だが、時代が追いついた今観返してみると、現代を見事に予言していると思われる描写もある。そこで語られるドラマも、人々の生きる力と未来への希望を紡ぎ出すもの。さまざまな災害や事故、疫病で混乱しつつも、希望を持って生きていこうとしている現代と符号することも多い。アニメの中の架空のお話ではなく、今観るべき作品なのだと改めて思う。IMAXシアターという、映像・音声ともに最高峰のひとつである劇場で、それを体験できるのは最高の機会だ。

4Kリマスターされた『AKIRA』を家庭でも楽しめる

　映像の4Kリマスター、音響の5.1chリミックスされたこの『AKIRA』は、「AKIRA 4Kリマスターセット」（UHD BD、BDを収録）として4月24日に販売される。家庭のホームシアターでも、最新鋭の映像と音で蘇った『AKIRA』を楽しむことができる。ホームシアター派にとってもうれしいニュースと言えるだろう。IMAXで、ホームシアターで、最新の『AKIRA』を存分に楽しんでほしい。