本機は、KEF Rシリーズ等との組合せに最適なコンパクトな新型サブウーファー。キュービック・スタイルのエンクロージャーに23cm口径のハイブリッド・アルミニウムウーファーを背中合わせに搭載。それは大口径ボイスコイルと大型フェライト磁石を採用し、放熱や背圧にも配慮した設計だ。それぞれを500WのクラスDアンプ2基が駆動するという仕様である。型番は同社伝統のKubeシリーズを継承する意味から、その頭文字の“K”に、背中合わせ構造の「Force Canceling」の“F”、9インチドライバーを2基、という由来だ。

 独自のDSP技術「Music Integrity Engine」の搭載にも注目したい。音量のコントロールと合わせ、「ルームプレイスメントイコライゼーション」なる5つのモード制御が肝となる。これは、部屋のどこに置くか(壁際やTVラック内、あるいは大きな音が出せない集合住宅等)に応じたイコライザー処理を行なうものだ。ちなみに本機能は、モードを本体背面のスイッチで選択する方式で、マイク等を使った測定とその最適化ではない。

 メインにR7、センターにR2c、リアにR3という5chシステムに本機を組み合わせて、映画のUHDブルーレイを視聴した。モードは前方設置時の推奨である「ROOM」で、センタースピーカーの前にセッティングした。

 UHDブルーレイ『ボヘミアン・ラプソディ』のチャプター13、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」のライヴ場面では、足踏みと床の反響が力強く重厚に再現された。鈍さはまったくなく、キレのよい、それでいて重量感を伴なった低音が繰り出される。分解能の高さもうかがいしれるクリアーさ。Rシリーズとの組合せだけでなく、より上位クラス、あるいは他ブランドのスピーカーと組み合わせてもよさそうだ。

 『ブレードランナー2049』のチャプター15では、力強い波飛沫と飛行艇落下時の衝撃音が凄味を伴なって響いた。銃声の瞬発力も鋭く、怠さや鈍さとはまったく無縁である。

 どっしりとしたエネルギーバランスながら、スピーディーなレスポンスもあり、省スペースできっちり低音再生を実践したいという方は、ぜひともマークしておきたいサブウーファーといえる。

画像: 重量感たっぷりでキレのある低音、KEF KF92の実力

KEF
KF92
¥230,000+税

●型式:アンプ内蔵密閉型サブウーファー
●使用ユニット:230mmコーン型×2
●アンプ出力:500W×2
●接続端子:ステレオRCAライン入力1系統、ステレオRCAライン出力1系統、スピーカー入力1系統●ローパスフィルター:40〜140Hz連続可変(LFE入力モード設定可)
●位相切替:0度、180度
●備考:EQモード×5、グランドオフスイッチあり
●寸法/質量:W330×H352.5×D360.5mm/20kg
●問合せ先:㈱KEF JAPAN TEL.03(3528)2101

画像: アナログRCAピン端子によるステレオ入力は、モード切替えスイッチでLFEモードに設定できる。サブウーファーは設置場所により、部屋の影響を受けやすいが、それを予め見込んだEQ(イコライザー)モードを5つ装備しているのが本機の特徴。①Room(部屋中央)、②Wall(壁際)、③Corner(部屋の隅やソファー裏)、④Cabinet(オーディオラックやテレビラック内)、⑤Apartment(アパートなど大音量再生できない場合)が選択できる


アナログRCAピン端子によるステレオ入力は、モード切替えスイッチでLFEモードに設定できる。サブウーファーは設置場所により、部屋の影響を受けやすいが、それを予め見込んだEQ(イコライザー)モードを5つ装備しているのが本機の特徴。①Room(部屋中央)、②Wall(壁際)、③Corner(部屋の隅やソファー裏)、④Cabinet(オーディオラックやテレビラック内)、⑤Apartment(アパートなど大音量再生できない場合)が選択できる

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