ユニバーサル ミュージックとステレオサウンドの共同企画による、安全地帯の名曲・名演をコンピレーションしたアナログレコード「安全地帯ベスト」第2弾の制作が好調だ。1月中旬、その重要なプロセスであるラッカー盤へのカッティングが終了したとの報を受け、今回、ライナーノーツをご執筆いただく、オーディオ評論家の黛健司氏とともに、日本コロムビアのスタジオを訪ねた。アナログマスターからの取込み、音の調整、カッティングという一連の制作作業は、今回も名匠・武沢茂エンジニアだ。
日本コロムビアのマスタリングスタジオの分厚いドアを開けると、武沢エンジニアがいつも通りの優しい笑顔でわれわれを迎えてくださった。そして今回の制作プロセスについてひとしきりの解説が済むと、武沢さんがいつもサウンドチェックを行なっている、コンソール前の席を黛氏に明け渡す。出来上がったばかりのラッカー盤に針が落とされると、いつものB&W製のスタジオモニター(スピーカー)から、厚みと艶を伴って安全地帯の演奏が流れ始めた。じっと息を凝らして、そのサウンドに耳を傾ける黛氏。そしてその印象を語り始める。
「安全地帯は、長年に渡って変らないメンバーでやってきた。そのよさがいい形で音楽に現れている素晴らしいロックバンドだと思うんです。そのなかでも、やはり玉置浩二の声が魅力の核といえるでしょう。その魅力的な声が、アナログレコードに刻まれるとより精彩を放つ。僕個人としてはそう捉えています。SACDで聴くのとはまた違った魅力が出てくるんですね。その素晴らしさが、今日、できたばかりのラッカー盤を聴かせていただいてはっきりと感じ取れました。SACDで聴くと、安全地帯がバンドとしてこんなことまでをやっていたんだ! というグループとしての見事な演奏が手にとるようにわかる。これがLPになると、声の魅力がクローズアップされて「生身の人間が歌う暖かさ」みたいなものが、一段と色濃く出てきます。玉置浩二の声がとてもストレートにこちらに届くんです。ぜひ先に発売されているSACDと、このアナログレコードの両方を聴き比べてみて欲しいですね。もし、このアナログ盤を聴いて、その声に魅力が感じられないとすれば、それはお使いのオーディオ装置にまだまだ手を入れる余地があるということ。少なくとも、盤面にはそれだけの音が刻み込まれていることが、今日、確かめられたわけですから。」(黛健司氏・談)
「安全地帯ベスト」第2弾となる本盤は、2019年10 月に発売されたSACDに収録されている曲のうち、アナログレコード第1弾に収録されていなかった8曲に、新たな2曲を追加した10曲で構成されている。先んじてアナログレコードを入手していた方も、これでSACDと同等以上の曲数で安全地帯の名曲をお楽しみいただくことができるようになるというわけだ。
●安全地帯ベスト 第2弾の収録曲はこちら
https://online.stereosound.co.jp/_ct/17331171
発売は2月27日。予約受付は1月27日から、ステレオサウンドストアでスタートする。日本を代表するロックバンドの素晴らしいサウンドを、ぜひご自身のオーディオで独り占めして欲しい。