一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(以下、A-PAB)は12月20日、都内で会見を開き、新4K8K衛星放送の開始から一年が経った現在(2019年11月末現在)の対応機器の普及台数を公表した。
冒頭、挨拶に立った同会 理事長の福田俊男氏は、この一年の普及状況を振り返り、「下期に入って各社から多数の対応製品が発売されたことで、普及も順調に進んだ」と、コメント。今月のボーナス商戦や、いよいよ来年に迫った大型スポーツイベントの開催を鑑みて、「より一層の普及促進に努めたい」と抱負を口にしていた。
続いて同会 理事の木村政孝氏より、11月末現在の普及台数の発表が行なわれた。
今回のキモは、4K対応の録画機(レコーダー)の台数が個別に表記されるようになったことで、これは3社以上のメーカーから機器が販売されたことを受けての措置だという。同レコーダーは、2018年11月にシャープ、パナソニックが発売を開始しており、そこから2019年11月までの累計が今回表記される数字で、結果は25万4000台。
これに、4Kチューナー内蔵テレビ21万台、STB(外付けチューナー)8000台、ケーブルTVでの視聴4万7000台を加えた、52万1000台が、2019年11月度の普及台数となる。これを10月末までの累計と合算すると、およそ270万台が市場に流通していることになる。
一方、10月からの消費税増税の影響はあまり受けなかったそうで、4Kチューナー内蔵テレビの販売は、前年同月比の数字を並べると8月が1.8倍、9月は2.3倍、10月は1.0倍、11月は1.0倍と推移してきており、12月の市況について木村氏が大手量販店などを調査したところ、ボーナス商戦も好調で、約4.0倍もの売り上げが記録されているそうだ(前年同月比 12月20日現在)。
これを元に、12月度の(チューナー内蔵4Kテレビの)販売台数を想定すると、およそ34万台となり、来月発表されるであろう統計数字では、大台の300万台に到達することが見込まれている。福田理事長も「(300万台を記録すれば)、新4K8K衛星放送への期待が高まっていると言える」と、その実現に期待を寄せていた。
また、新4K放送対応チューナーを搭載せず、4Kの映像入力に対応した、いわゆる4K対応テレビは現在、市場におよそ630万台普及していると想定されているが、STBの普及は約7.6%と芳しくないことから、このゾーンへ向けた施策・周知活動も重要だという認識を示していた。ちなみに、ケーブルTVの普及は、ほぼ毎月5万台のペースで安定的に伸長しているという。
そして、今回の結果を受けた上で、来年夏のスポーツの祭典までに「500万台の普及を目指す」ことを目標とし、今後も番組ガイドの制作・配布などの周知活動を通して、普及促進活動に努めたい、と結んでいた。
最後に、各局の年末年始の特番の紹介が行なわれた。
NHK BS4K BS8Kでは、ボクシング村田諒太選手の初防衛戦(12/23 8K)を生中継するほか、ドラマ「ストレンジャー ~上海の芥川龍之介~」(12/30)を4K・8Kで同時放送。カラヤンやバーンスタインなど、20世紀の巨匠たちの名演奏をフィルムスキャンした8K映像でオンエアする「いまよみがえる伝説の名演奏・名舞台」(1/5)などがラインナップされていた。
民放系では、BS日テレ4Kはスポーツやキラーコンテンツとも言える笑点のドラマ版「初代 林家木久蔵」(1/11)を。BS朝日4Kは「赤川花火大会4K完全版」「スーパー4Kマジック」などを。BS-TBS 4Kは、人気女優たちが世界の豪華ホテルめぐる「幸せのホテルが誘う旅」(1/3)を。BSテレ東4Kは、人気ドラマ「ワカコ酒season2」の4K版の一挙放送を。BSフジ4Kは世界遺産法隆寺を高精細に堪能できる「令和の法隆寺~」(1/4)などが注目番組になるそう。
番組ガイド(11月~1月)のデータはコチラ
https://www.apab.or.jp/4k-8k/satellite/download.html#dl-leaflet