BenQ(ベンキュージャパン)は本日、B to B市場向けの新製品発表会を開催、同社の2019年ラインナップを紹介した。

 同社はこれまでコンシューマー向けのゲーミングモニターやDLPプロジェクターを中心に展開してきているが、日本国内でのブランド認識も着実に進んでおり、2009年から2019年の間で売り上げも2倍に伸びたそうだ。

 それを踏まえ、2018年からはB to B分野にも注力している。同社では、そのためには価値ある製品の投入が必要と考えており、今回発表された新製品群も、ビジネスの現場で求められる機能を盛り込んだ仕様となっている。

画像: 短焦点スマートプロジェクター「EW800ST」

短焦点スマートプロジェクター「EW800ST」

 冒頭登場したベンキュージャパン 代表執行役社長の菊地正志氏は、「今回はスマートプロジェクターを含めた製品をリリースします。これらはアンドロイドOSを搭載した画期的な製品で、PCレス、ワイヤレスで使えるモデルです。これまでビジネスの現場で不便に思っていたことを解消する製品だと感じていただけるでしょう」と話した。

 さらに今の時代ならではの提案として、「働き方改革」に向けた機能も提唱していくそうだ。具体的には、ビジネスの現場でいかに効率よくプレゼンテーションや会議を進められるかという点に着目し、多様な便利機能を提案している。

 「われわれが目指しているのは、高い価値と長期継続的な成果、成功を提供するパートナーです」と菊地氏は話していた。

画像: フルHDモデルの「EH600」

フルHDモデルの「EH600」

 続いて登壇した、BenQ Asia Pacific PresidentのJeffrey Liang氏も同社が目指すビジネスのあり方を紹介した。

 Jeffrey氏は、「現在のわれわれは変化の激しい時代に生きています。多くの情報を様々なデバイスから受け取っていますが、情報が多すぎて混乱します。特に、知的な仕事に従事する人は常に決定をしないといけません。膨大なデータの中から、正しい決定をすることが大きな課題でしょう」と話し、さらに最新の様々なオフィスの形についても語ってくれた。

 BenQの本社オフィスのデザインコンセプトは「Home」で、居心地がよく安全で、アイデアが生まれる場所として位置づけているそうだ。そのためには仕事の環境を変えることも重要で、フレキシブルなセットアップができるようにしたことで従業員の考え方も変化し、活発な意見交換が実現できるようになったという。

 「BenQのミッションは、イノベーション、インテグレーション、インテリジェンスの3つについて最適なソリューションを提供することです」とJeffrey氏は B to B分野での同社の狙いを総括していた。

画像: ベンキュージャパン 代表執行役社長の菊地正志氏(左)と、BenQ Asia Pacific PresidentのJeffrey Liang氏(右)

ベンキュージャパン 代表執行役社長の菊地正志氏(左)と、BenQ Asia Pacific PresidentのJeffrey Liang氏(右)

 さて今回発表された製品は、スマートプロジェクター3モデルやインタラクティブフラットディスプレイ、電子黒板など多岐にわたった。

 以下では、その中からStereoSound ONLINE読者諸氏の関心を集めるであろうスマートプロジェクター「EH600」(市場想定価格¥108,000前後)、「EW600」(同¥79,800前後)、「EW800ST」(同¥118,000前後)について紹介したい。

 BenQ Product ManagerのJimmy Fan氏によると、この3モデルは“日本初”のスマートプロジェクターで、アンドロイドOSを搭載することでプレゼンテーションの効率向上を達成している。さらに、簡単、ドライバーレス、PCレス、ワイヤレスといった特長も備えているわけだ。

画像: 今回の発表会では、プロジェクター以外にも様々な表示デバイスがデモされていた

今回の発表会では、プロジェクター以外にも様々な表示デバイスがデモされていた

 特徴的な点として、アンドロイドOS上で動くビジネスアプリを内蔵し、背面のUSB端子に挿したメモリーから、WordやExcelなどのファイルをダイレクトに表示・編集もできるし、Jpegなどの写真も再生できるようになっている。この点もプレゼンテーションの効率化につながるということだろう。

 プロジェクターとしてのスペックは3機種ともDLPの単板方式で、解像度はEH600がフルHD(水平1920×水平1080画素、アスペクト比16:9)、EW600とEW800STはワイドXGA(水平1280×垂直800画素、アスペクト比16:10)を備える。

 明るさも3機種とも3000ルーメンを超える値を備えており、明るめの会議室などでもクリアーな映像を再現できるだろう。投写距離はEH600とEW600は約2mで80インチ、短焦点モデルのEW800STは約85cmで80インチの投写が可能だ。発売は3モデルとも11月22日の予定。

画像: ワイヤレスプレゼンテーションキットの「InstaShow WDC20」。写真下が子機で、上はクレードル

ワイヤレスプレゼンテーションキットの「InstaShow WDC20」。写真下が子機で、上はクレードル

 それ以外の新製品でユニークだったのは、会議用ワイヤレスプレゼンテーションキットの「InstaShow WDC20」だった。これは2016年に発売された「WDC10」の上位機にあたるモデルで、ボタンひとつでノートPCなどの映像をプロジェクターや大型ディスプレイに無線伝送できるツールとなる。

 システムは親機と子機(2機付属)に分かれており、親機にはHDMI出力、子機にはHDMI入力とUSB端子が付いている。親機と子機はペアリングされており、子機をノートPCなどのモニター出力につなぐだけで映像が親機のHDMIから出力される仕組みだ。子機のボタンを押すことで映像の切り替えもできる。

 さらに画面を4分割し、4つの子機からの映像を同時に表示する機能や、対応デバイスと組み合わせればタッチパネル機能も使える(ウィンドウズやマックをつないだ場合)など、操作面でも多くの機能を備えている。伝送できるビデオ信号は2K/60pまでだが、出力は4K/30pにも対応している。

 なお、WDC20では1台の親機に対して子機を大32台まで増設できるので、大がかりな会議でも活用できそうだ。WDC20は12月24日の発売を予定している。

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