ピクセラは本日、アンドロイドTV搭載BS/CS 4K放送対応チューナー内蔵スマートテレビの業務用シリーズ「BIZmode」の製品発表会を開催した。
同社はB to Cの分野では、既に4Kチューナー内蔵、あるいは4K対応の家庭用テレビを発売しており、価格の手頃さや操作の快適さなどから注目を集めている。今回はそれをベースに、B to Bにもビジネスを広げていこうという取り組みだ。
発表会の冒頭ではまず、株式会社ピクセラ 製品事業本部 本部長の堀 伸生氏が、現在予定しているB to Cの展開を紹介してくれた、
同社では、2007年に放送だけでなく、写真などのデータ表示やオーディオ再生ができるマルチファンクションテレビを提案している。その後、2018年にアンドロイドOSを搭載した4Kテレビを発売し、ラインナップを充実させている。実際これらのテレビは放送以外のコンテンツも楽しめる機能を備えており、同社が目指すマルチファンクションテレビの姿を備えた製品といえるだろう。
しかし堀氏は、現状ではまだ充分ではないと考えているようだ。他社を含め今の製品は、テレビと様々な機器(ハードウェア)がつながるという段階で、そこで何を実現するかがしっかり語られていないという。今回は、機器がつながっていることを前提として、何を実現するかをピクセラとして提案していく考えのようだ。
そのひとつとして、テレビを通じて家族や仲間との絆を深める機能がデモされた。
具体的には、年末年始などに家族が集まった際に、昼間撮った写真をクラウド経由で大画面テレビに写してみんなで楽しむという方法だ。スマホの小さな画面ではなく、4Kや8Kの大画面で家族が揃ってみることで、写真の価値がいっそう増してくるのは間違いない。
さらに、クラウドのアカウントを共有することで離れた場所に住む家族もそれらの写真を共有できる。メッセージ送信機能もあるので、写真にすぐにコメントもできるようだ。
さらに次の展開として、この写真と放送の録画データをAIで関連づけし、写真を撮影した頃に人気のあった番組やイベントの録画コンテンツを呼び出すといった機能も考えているという。
この機能は現在開発中で、写真データはグーグルドライブなどのクラウドサービスに保存することを想定している。それもあり、録画コンテンツとの関連づけには保存場所や容量、著作権などクリアーしなくてはならない問題があり、近々実現できるということではないようだ。
ピクセラでは、まずは写真保存などからひとつずつ対応していき、各種の問題がクリアーできた段階で順次機能を増やしていく考えのようだ。堀氏は2020年の東京オリンピックの時期までにある程度の機能をファームウェアアップデートで実装したいと話していた。
こうした機能を備えていくことで、テレビが放送を見るだけのものではなくなり、「テレビがテレビでなくなる日」を迎えることができるというわけだ。
今回はそんなB to C製品にBIZmdeシリーズが加わったわけで、ラインナップとしてはPIX-40VM100-BZ1、PIX-43VM100-BZ1、PIX-50VM100-BZ1、PIX-55VM100-BZ1の4サイズ展開となる。いずれも4Kチューナー内蔵の家庭用液晶テレビをベースに(画質回路も同様)、ネットワークによる制御機能等を追加した製品となっている。
BIZmodeシリーズの特徴としては、「Web(HTML)からテレビを制御」「遠隔地からTVを設定・制御・状態監視」「ファームウェアダウンロード・更新を遠隔操作」「アプリを遠隔制御」の4点になる。いずれもホテル経営の現場での問題点に対応するもので、さらにメニュー画面などをHTML5で作成できるので、カスタマイズがしやすいといった点もお客さんには喜ばれるそうだ。
これらの機能はBIZmodeのテレビのメニュー画面から呼び出して設定ができるようになっており、その点でも導入の敷居は低いようだ。将来的にはテレビがアクセスポイントにもなるといった展開も考えているという。
ピクセラではBIZmodeを、まずはホテル分野から展開していき、その後は学校関連、カルチャー教室など大画面を共有する環境、ネットワークで集中制御できる分野まで広げていきたいと話していた。
BIZmodeシリーズは11月の発売を予定しており、ピクセラでは製品の販売だけでなく、パートナー会社と一緒にシステム導入や画面の開発まで含めた販売体制を取っていく予定だという。